ロシアンルーレット

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ナガン・リボルバー。このゲームが考案されたとされる時代のロシアで広く使用されていた

ロシアンルーレット英語: Russian roulette, ロシア語: русская рулетка)は、回転式拳銃(リボルバー)に1発だけ実包(弾薬)を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くゲーム。ロシア式ルーレットとも表記される場合もある。

歴史[編集]

名前の通りロシアが発祥の地とされ、「帝政ロシア軍で将校らの"比較的安全な戯れ"として行われていた」、「警察が容疑者に圧力をかける方法として誕生した」、「囚人が看守に強要されたゲーム」などの説があるが、確証は無い[1]

よく知られる説では、スイス出身のアメリカの冒険小説作家ジョルジュ・サーデズ英語版による創作だと言われている。1937年、サーデズは『コリアーズ・マガジン英語版』にて、『ロシアン・ルーレット』と題した短編小説を発表した。『ロシアン・ルーレット』はフランス兵の目線から書かれており、1917年のロシア革命で失うものがなくなったロシア人将校らが、あらゆるところでこのゲームをしていたのを見たと述べられる。また、作中のロシア将校らが行ったゲームは、現在広く知られるルールとは逆に、シリンダーから1発だけ弾を抜いた状態で行われた。これよりも前にロシアの作家が発表した作品の中には、このゲームへの言及は見られない。また、革命当時に使われていたナガンM1895が7連発の回転式拳銃である一方、『ロシアン・ルーレット』の作中では6連発の銃を使ったとされた点も、サーデズによる創作の可能性を示唆している[1]

ロシアンルーレットを髣髴とさせる古い記述として、ミハイル・レールモントフの『現代の英雄』(1840年)の最終章である「運命論者」に、ロシア軍のセルビア人中尉が拳銃の銃口を自分の額に当てて引き金を引くという賭けを行う場面が登場する。しかし作中では賭けに特別な名称は示されず、またその賭け自体もそれを行ったセルビア人中尉が即興で思い付いたものとして描写されている。使用されるのもリボルバーではなく単発銃で、弾が装填されているか否かが問題とされた[1]

勝率[編集]

典型的なロシアン・ルーレットは、6連発の回転式拳銃を用いて実施される。この場合、弾が発射され、プレイヤーが死亡する確率は、1発目では16.6%、2発目は20%、3発目は25%、4発目は33.3%、5発目は50%、6発目は100%となる。つまり、2人目のプレイヤーに銃が回ってきた場合、死亡する確率は1人目よりも高くなる。一方、撃つ前にシリンダーを回転させる追加ルールがある場合、プレイヤーが死亡する確率は常に16.6%である。この追加ルールの無い時は、確率的には全てのプレイヤーの勝率は同じであるが、この追加ルールのある時は、先に発射する順に不利である[1]

実際の事件[編集]

ロシアンルーレットは非常に危険なゲームだが、実行に移そうとする人々は後をたたない。ある研究によれば、2008年のアメリカでは、ロシアンルーレットによる死亡事故が15件あり、それ以外の自殺の75件という件数と比較された。この研究を通して浮かび上がる典型的なロシアンルーレット・プレイヤー像は、未婚の黒人男性であるという[1]

マルコムXは若い頃に実行したことがあると告白している[2]

グレアム・グリーンは若い頃に実行したことがあると後に著書、『A Sort of Life』で告白している。

2020年2月26日、パリ北郊ピエールフィット=シュル=セーヌのバーで、拳銃を持ち出したうえでロシアン・ルーレットを行った同店店主(47歳)が死亡した。閉店後もバーに残っていた若い女性に度胸を見せようと回転式拳銃に.357マグナム弾を1発入れ、弾倉を回し引き金を引いたところ1発目で命中した、と捜査関係者により報告されている。目撃した女性によると、店主は酔っており、またコカインも吸引していたという。[3][4][5]

その他「自動装填式銃でロシアンルーレットを行ったこと」を理由としてダーウィン賞を受賞した人物が存在している(銃の仕組みから、故意に不発弾を紛れ込ませるというルールでない限り、引き金を引けば確実に弾丸は発射されることになる。本人は死亡している)[6]

派生[編集]

日本のバラエティ番組などでは、「1つだけハズレがある」というルールは流用したまま、命の危険性が伴わないようにアレンジされたゲームがしばしば登場する。

  • 何本かある紐のうちハズレの1本を引くまたは切ると、風船が割れたり水やタライが降ってきたりする。
  • 用意された食べ物(一口で食べることが出来、『タネ』を仕込むことが容易なシュークリームにぎり寿司であることが多い)のうち、1つだけわさびからしなどの調味料が大量に入ったハズレがある(逆にハズレが複数のパターンもある)。

その他、日本テレビダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』では様々なロシアンルーレットを行っており、ロシアンルーレットに負けて実害を被った後、さらに罰ゲームが科せられる。また、居酒屋やカラオケなどの飲食店では、1つだけわさびが大量に入った「ロシアンたこ焼き」等のメニューとして出している所もある(ただし、前述の通り「ロシアン」にはロシア風などという意味しか無い)。

近年ではパーティーグッズの一種として、拳銃型のグリップに膨らませた風船を取り付け、トリガーを引くとランダムで風船が破裂するという玩具も存在し、危険性を伴わずにスリルだけを楽しむことができる。

フィクションに登場するロシアンルーレット[編集]

映画[編集]

夏の夜は三たび微笑む1955年
女性が原因で起こったトラブルを解決する手法として、登場人物たちがロシアンルーレットで対決するシーンがある。
ディア・ハンター1978年
ベトナムの捕虜となった主人公たちがロシアンルーレットを強いられるシーンがある。
野獣死すべし1980年
クライマックス、列車内で松田優作演じる伊達邦彦が、伊達に尋問を始めた刑事の柏木(演:室田日出男)から拳銃を奪い、シリンダーに弾丸を一発残し、拳銃を柏木に向けて引き金を次々引きながらリップ・ヴァン・ウィンクルの話をするシーンがある。
ソナチネ1993年
沖縄の浜辺で軽いノリでロシアンルーレットをするシーンがある。
『プレッシャー/壊れた男』1997年
チャーリー・シーン扮する主人公がロシアンルーレットに興じる場面がある。劇中このゲームの発祥と由来についても語られる。
誘拐犯2000年
「運び屋」と呼ばれるマフィアの老兵の一人が自殺のために数丁のリボルバーの一つに1発込めてロシアンルーレットを行なっている。
『13/ザメッティ』2005年
本作とそのリメイク作品である2010年の映画『ロシアン・ルーレット』では、複数のプレーヤーが自分自身ではなく互いの後頭部を打ち抜く、変形ルールとなっている。

テレビドラマ[編集]

世にも奇妙な物語

  第80話「不眠症」で、主人公の不眠症を治療するために、ロシアンルーレットが行われる。

私立探偵 濱マイク
第10話「1分間700円」で、浅野忠信演じる殺し屋が、ロシアンルーレットで殺人依頼を進めていく。
24 -TWENTY FOUR-
シーズン3で、主人公のジャックが脱獄幇助の際にロシアンルーレットをやらされるシーンがある。
太陽にほえろ!
第493話「スコッチよ、静かに眠れ」でスコッチ刑事が犯人を自供に追い込むためにロシアンルーレットを行う。
大都会 PARTIII
第32話「城西市街戦」で虎田功刑事が取調室で犯人にロシアンルーレットを行うシーンがある。
スーパーロボット レッドバロン
第38-39話で宇宙鉄面党の幹部となった紅健太郎が、息子の健にS&W M36を向けてロシアンルーレットを行う。
ライアーゲーム
Season2 第1話、第2話において24連装ロシアンルーレットというゲームが行われた。
ブラッディマンデイ Season2』
第4話において、いじめっ子といじめられっ子との間でロシアンルーレットが行われた。

アニメ・漫画[編集]

ドラえもん
ひみつ道具において、3つが幸運を呼ぶ赤玉、1つが不幸を呼ぶ黒玉の4発をリボルバーに装填して自分の頭に向け引き金を引くというものが存在する(ラッキーガン)。
闇のイージス
主人公の盾雁人とその義兄の甲斐彰一が、雁人の妻(彰一の妹)の命日に年に一回の「儀式」と称して、お互いにリボルバーを向け合って引き金を引くロシアンルーレットを行う。

[編集]

『HEY YOU』
1982年のテレビアニメ『戦闘メカ ザブングル』の劇中歌。歌手はMIO。歌詞内に「拳銃を持つなら、気晴らしにロシアンルーレットをやるかい?」と問いかけてくる。
『ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット』
1985年のテレビアニメ、『ダーティペア』の主題歌。歌手は中原めいこ。ロシアンルーレットが連呼される。
RUSSIAN ROULETTE
2002年2月6日に発売された、布袋寅泰のシングル。PlayStation 2用ゲーム『鬼武者2』主題歌。

その他[編集]

吉本新喜劇
座員・安尾信乃助の持ちネタとして、弾倉に銃弾が全部入った状態でのロシアンルーレットを相手先攻で持ちかけるというギャグがある。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]