ロキソプロフェン

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ロキソプロフェン
Loxoprofen.svg
Loxoprofen 3D.png
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
  • Red Stripe(ブラジル)
投与方法 経口、経皮貼布
薬物動態データ
血漿タンパク結合 97%
代謝 肝臓 グルコヌリド化
半減期 75分
排泄 腎臓
識別
CAS番号 68767-14-6
ATCコード M01AE
PubChem CID: 3965
KEGG D08149
化学的データ
化学式 C15H18O3
分子量 246.302g/mol
304.314 g/mol(ナトリウム塩)

ロキソプロフェン(Loxoprofen)、プロピオン酸系の消炎鎮痛剤。商品名はロキソニン(Loxonin)で、第一三共が発売し、後発医薬品も各社から発売されている。現在、日本で最も使用されている抗炎症薬の一つである。

2016年3月、厚生労働省から使用上の注意の改訂が通知され、「小腸・大腸の狭窄・閉塞」の副作用に関しての追加された[1]

適用[編集]

変形性関節症、慢性関節リウマチ頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、筋肉痛腰痛、急性上気道炎、歯痛手術後の鎮痛[2]

禁忌事項[編集]

  • 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある。][2]
  • 重篤な血液の異常のある患者[血小板機能障害を起こし、悪化するおそれがある。][2]
  • 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれがある。][2]
  • 重篤な腎障害のある患者[急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある。][2]
  • 重篤な心機能障害のある患者[腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある。][2]
  • 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者[2]
  • アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[アスピリン発作を誘発することがある。][2]
  • 妊娠末期の婦人[2]

一般的注意・副作用[編集]

報告されている副作用[編集]

医薬品添付文書に記載されている、一般的な副作用は次の通りである:吐き気、消化不良、消化器潰瘍・出血肝臓酵素増大、下痢、ふらつき、塩および体液停留、高血圧[2]。又、稀な副作用は次の通りである:食道潰瘍、心不全高カリウム血症、腎臓障害、昏迷、気管支痙攣、発疹、小腸・大腸の狭窄・閉塞、排尿困難[2]

2016年3月、厚生労働省から日本製薬団体連合会に対して「使用上の注意」の改訂(薬生安発0322第1号)が通知され[1]、その中でロキソプロフェンナトリウムの含有製剤(経口剤)について「小腸・大腸の狭窄・閉塞」の副作用に関しての追加がなされ、併せて「消化管穿孔」、「小腸・大腸の潰瘍」、「排尿困難」が記載された[3]。これを受け、一般用医薬品も同様に使用上の注意の改訂が行われ、「相談すること」の服用後に副作用の可能性がある症状に「小腸・大腸の狭窄・閉塞(吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満等があらわれる)」が追記された[4]

消化管障害に関する報告[編集]

NSAIDs服用による消化管障害に関して、2013年に、本剤の胃・十二指腸潰瘍の発現率に関する国内臨床データが発表された[5]

対象と方法:40 - 74歳の健康成人に対し(試験前に内視鏡検査で胃・十二指腸潰瘍がないことが確認されている)、COX-2選択的阻害薬であるセレコキシブ bidとロキソプロフェン tid、およびプラセボを2週間投与し、投与終了後、内視鏡検査を実施し、胃・十二指腸潰瘍発現率について検討した。

結果:内視鏡で確認された胃・十二指腸潰瘍の発現率

セレコキシブbid群→1.4%(1/74例)
ロキソプロフェンtid群→27.6%(21/76例)
プラセボ群→2.7%(1/37例)

セレコキシブ群はロキソプロフェン群よりも、胃・十二指腸潰瘍の発現率が有意に低く(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)、プラセボ群と同程度であった。

結論:この試験では、対象が健康成人であること、試験期間が短期であるという限界はあるものの、胃・十二指腸潰瘍発現率に関して、セレコキシブはロキソプロフェンに対する優越性が認められた。副作用に関しては、セレコキシブ群が31.6%(24/76例)、ロキソプロフェン群が50.0%(38/76例)、プラセボ群が18.9%(7/37例)であった。各副作用の重症度はいずれも低かった。

代謝[編集]

プロドラッグであり、肝臓皮膚筋肉でのカルボニル還元酵素の代謝により、体内で速やかに活性の高いtrans-OH型に変換される。発熱炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジン生合成を抑制することで炎症を鎮め、腫れの抑え、鎮痛、解熱作用などを示す。

薬理的にはプロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによる。

こうした非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) は、特徴として、鎮痛作用が強く消化器への副作用も強いが、ロキソプロフェンはプロドラッグであるため、体内で吸収されるまで作用を示さず、これによりNSAIDsの副作用である胃腸障害を軽減している[要出典]

種類[編集]

種類としては、内服薬(錠剤散剤・液剤)と貼付剤がある。

従来は処方箋医薬品のみであったが、一般用医薬品へのスイッチOTCが認められ、2011年には解熱鎮痛薬「ロキソニンS」が発売され、薬局での購入が可能となった[6]。2015年にはライオンが「エキセドリンLOX」を発売した[7]。同年6月には市販薬では配合剤となる「ロキソニンSプラス」が発売された。本品にはロキソプロフェンに加えて酸化マグネシウムを配合している[8]。同年7月には興和よりロキソプロフェンに加えて抗炎症成分としてトラネキサム酸を配合した「コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα」が発売されている[9]。なお一般用はいずれも第1類医薬品であるので、購入時には薬剤師がいる薬局やドラッグストアでの相談が必要となる。

医師から処方される場合、副作用止めとして、レバミピドやグリマック配合顆粒などの消化管保護薬とのセットで処方されるケースも見られる。

日本での包装例
ロキソニン錠60mg(第一三共) 
ロキソニンS錠(第一三共ヘルスケア) 

脚注[編集]

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  1. ^ a b 「使用上の注意」の改訂について (PDF)”. 厚生労働省・生活衛生局安全対策課 (2016年3月14日). 2016年3月25日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 第一三共株式会社 (2016年3月14日). “ロキソニン錠60mg・細粒10% (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構. 2016年3月25日閲覧。
  3. ^ 使用上の注意 改訂 ロキソニン錠60mg・細粒10% 使用上の注意改訂のお知らせ 第一三共 (PDF)
  4. ^ ロキソプロフェンNa水和物を含有する弊社の「解熱鎮痛薬」使用上の注意改訂のお知らせ”. 第一三共ヘルスケア株式会社 (2016年3月23日). 2016年3月25日閲覧。
  5. ^ Sakamoto C, Kawai T, Nakamura S, Sugioka T, Tabira J (2013). “Comparison of gastroduodenal ulcer incidence in healthy Japanese subjects taking celecoxib or loxoprofen evaluated by endoscopy: a placebo-controlled, double-blind 2-week study.”. Aliment Pharmacol Ther 37 (3): 346-54. doi:10.1111/apt.12174. PMID 23216412. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.12174/abstract. 
  6. ^ “頭痛、生理痛薬に「大型新人」 医療用から「寡占市場」に参入”. J-CASTニュース. http://www.j-cast.com/2011/01/18085710.html 2011年1月19日閲覧。 
  7. ^ “腰痛・肩の痛みに、1回1錠の服用で速く効く鎮痛薬『エキセドリンLOX』新発売”. ライオン株式会社 プレスリリース. http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2015/2015001.htm 2015年2月4日閲覧。 
  8. ^ “解熱鎮痛薬「ロキソニンSプラス」を新発売”. 第一三共ヘルスケア株式会社 ニュースリリース. http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin-s150615.html 2015年6月22日閲覧。 
  9. ^ “コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα 新発売”. 興和株式会社 ニュースリリース. http://www.kowa.co.jp/news/2015/press15070102.pdf 2015年7月24日閲覧。 

出典[編集]

関連項目[編集]