レモン彗星 (C/2025 A6)
| レモン彗星 C/2025 A6 (Lemmon) | |
|---|---|
2025年10月28日に撮影されたレモン彗星 (C/2025 A6) の画像 | |
| 見かけの等級 (mv) | 21.6(発見時)[1] |
| 分類 | 長周期彗星 |
| 発見 | |
| 発見日 | 2025年1月3日[2] |
| 発見者 | D. Carson Fuls[1] (レモン山サーベイ) |
| 発見場所 | レモン山天文台 ( |
| 軌道要素と性質 元期:TDB 2460928.5(2025年9月10.0日)[3] 注釈: 特記が無い軌道要素はこの元期に従い、特記している元期の月日は全てその年の1月1.0日となっている。 | |
| 軌道の種類 | 楕円軌道 |
| 軌道長半径 (a) | 122.505 au[4](元期1800年) 110.353 au[4](元期2200年) |
| 近日点距離 (q) | 0.530 au[3] |
| 遠日点距離 (Q) | 244.485 au[4](元期1800年) 220.173 au[4](元期2200年) |
| 離心率 (e) | 0.99571[4](元期1800年) 0.99517[4](元期2200年) |
| 公転周期 (P) | 約 1,355 年[4][注 1](元期1800年) 約 1,158 年[4][注 2](元期2200年) |
| 軌道傾斜角 (i) | 143.664°[3] |
| 近日点引数 (ω) | 132.970°[3] |
| 昇交点黄経 (Ω) | 108.098°[3] |
| 平均近点角 (M) | 359.956°[3] |
| 前回近日点通過 | TDB 2460988.038[3] (2025年11月8日[3]) |
| 最小交差距離 | 0.308 au(地球軌道に対して) |
| 物理的性質 | |
| 全光度 (M1) | 10.5 ± 1.0[3] |
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | |
レモン彗星 (C/2025 A6)[1] は、2025年1月3日にレモン山サーベイによって撮影された画像から発見された長周期彗星である。正式名称は C/2025 A6 (Lemmon) 。同年10月21日に地球へ最接近し、その前後の期間では日没後の空に3等級程度の明るさで観測された[5][6]。二原子炭素(C2)の輝線による鮮やかな緑色の外観をしており、ガスを豊富に含む彗星であることが示唆されている[7]。
発見
[編集]レモン彗星 (C/2025 A6) は、2025年1月3日にアメリカ合衆国・アリゾナ州のレモン山天文台で行われているレモン山サーベイによる観測で、太陽から約 4.5 au の距離にあった見かけの明るさが約21.6等級の小惑星として発見され、小惑星センター (MPC) の地球近傍小惑星確認ページ (NEOCP) に掲載された[1][7][8]。その後、2024年11月12日にもパンスターズによってレモン彗星 (C/2025 A6) が撮影されていたプレカバリー画像も発見されている[2]。発見後、幅が約2.2秒角の非常に凝縮したコマを持っていることが判明し、2025年2月21日にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 (CFHT) の観測で得られた画像から長さが約2秒角の短い尾が伸びていることが確認された[8]。発見当初は最も明るくなった時でも10等級程度であると予想されていたが[8]、その後の観測から3.5等級程度まで明るくなる可能性があると予想されるようになり、これは当初の予想の400倍の明るさになる[1][5]。
観測
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7月2日に合を迎えた[9]前後である6月から7月にかけて太陽からの光に隠れていたレモン彗星は、それまでの予報よりもかなり明るく見える状態で再び明け方の空で観測されるようになった。8月12日には彗星の大きさは約1分角で、見かけの明るさは13.9等級であった。8月19日には太陽から約 1.7 au にまで接近し、この時点では全光度は11等級と推定されたが、まだ明らかな尾は見られなかった[10]。8月25日に撮影された画像には、短いスパイク状の尾が映るようになっていた[7]。今後の明るさがどう推移されるかは不明だが、合を脱して再び地球から観測されたときの明るさが予報を上回っていたのは、一時的な増光であるアウトバーストが原因であったとは考えられていない。
8月にはふたご座の領域に位置し、9月6日から9月7日にかけてかに座を通過した後、やまねこ座の領域で観測されている。10月初旬にはこじし座、その後はおおぐま座の領域に入った[7]。9月下旬には8等級から9等級程度まで明るくなり、双眼鏡や小型の望遠鏡でも観測できるようになった[11]。9月30日には6.6等級まで明るくなり、イオンの尾の見かけ上の長さが約3度に達し、塵の尾が形成されていることも観測された[12]。10月2日には太陽風による影響で尾の一部が剥ぎ取られて前後が切り離されたように見える様子が観測されている[13]。そして10月10日までには赤緯が48度以上の北半球における周極域に位置することになる[14]。10月10日頃には見かけの明るさは5等級まで明るくなり、尾の長さは10度程度になったことが報告され[15]、10月15日には肉眼での観測記録も報告されるようになり、このころの明るさは4.8等級とされている[6]。10月16日には、りょうけん座の3等星であるコル・カロリから天球上で1度未満の距離にまで接近し、1日あたり4度の速度で南東方向へ移動した[7]。
地球から観測した見かけの明るさは最大で3等級[5][6]から4等級[1]と推定され、より楽観的な予測では十分に暗い空であれば肉眼で微かに観測できるとされた[7][16][17]。地球への最接近時は夕焼けの空に見えるようになり、太陽からの離角は42度となる[18][16]。同年11月2日には天の赤道を通過した[19]。
軌道
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レモン彗星 (C/2025 A6) · 地球 · 水星 · 金星 · 火星
レモン彗星は非常に細長い楕円軌道で太陽を公転する長周期彗星である。2025年11月8日に近日点に到達し、太陽から約 0.53 au(約 7900万 km)まで接近した[3]。ジェット推進研究所 (JPL) が運営している JPL Horizons On-Line Ephemeris System での計算によると、近日点を通過する以前の公転周期は約1,350年であるが、 この近日点通過により約1,150年に短縮されると計算されている[4]。地球へは同年10月21日に最も接近し、地球から約 0.596 au(約8920万 km)まで近づいた[18][15]。
画像
[編集]- 2025年8月23日に撮影されたレモン彗星
- 2025年9月17日に撮影されたレモン彗星
- 2025年10月1日に撮影されたレモン彗星
- 2025年10月30日に43分間の露出時間で撮影されたレモン彗星
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 吉田誠一 (2025年9月7日). “レモン彗星 C/2025 A6 ( Lemmon )”. 吉田誠一のホームページ. 2025年9月16日閲覧。
- 1 2 “MPEC 2025-D55 : COMET C/2025 A6 (Lemmon)”. Minor Planet Electronic Circular (MPEC). Minor Planet Center (2025年2月21日). 2025年9月16日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 “Small-Body Database Lookup: C/2025 A6 (Lemmon)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory. 2025年11月10日閲覧。 (2025-11-03 last obs.)
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 “Barycentric Osculating Orbital Elements for Comet C/2025 A6 (Lemmon)”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2025年11月10日閲覧。 太陽と木星の影響を考慮した太陽系重心 (Barycenter) を用いて解を算出。「Elements and Center: @0」に設定。
- 1 2 3 G. van Buitenen. “C/2025 A6 (Lemmon)”. astro.vanbuitenen.nl. 2025年11月10日閲覧。
- 1 2 3 “Comet C/2025 A6 (Lemmon)”. Comet Observation Database (COBS). Crni Vrh Observatory. 2025年11月10日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 Bob King (2025年9月3日). “Sweet Prospects for Comet Lemmon (C/2025 A6)”. Sky and Telescope. 2025年9月16日閲覧。
- 1 2 3 D. W. Green (2025年2月22日). “Electronic Telegram No. 5508 | Comet C/2025 A6 (Lemmon)” (txt). Central Bureau for Electronic Telegrams. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 2025年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月16日閲覧。
- ↑ “Solar conjunction for C/2025 A6 (Lemmon) on 2 July 2025”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2025年9月16日閲覧。
- ↑ D. W. Green (2025-08-20). “Electronic Telegram No. 5594 | Comet C/2025 A6 (Lemmon)” (txt). Central Bureau for Electronic Telegrams (Central Bureau for Astronomical Telegrams) 2025年9月16日閲覧。.
- ↑ S. Atkinson (2025年9月26日). “How to see comet C/2025 A6 (Lemmon) this autumn”. BBC Sky at Night Magazine. 2025年11月14日閲覧。
- ↑ N. James (2025年9月23日). “Observation by Nick James: C/2025 A6 (Lemmon) tail motion - BAA Image Library”. britastro.org. British Astronomical Association. 2025年11月14日閲覧。
- ↑ A. Wood (2025年10月14日). “Solar wind tears a chunk from Comet Lemmon's tail in incredible new astrophotography images”. Space.com. 2025年11月14日閲覧。
- ↑ “Circumpolar at declination +42”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2025年9月16日閲覧。
- 1 2 V. Gonano; S. Nakano et al. (2025-10-13). “Electronic Telegram No. 5621 | Comet C/2025 A6 (Lemmon)” (txt). Central Bureau for Electronic Telegrams (Central Bureau for Astronomical Telegrams) 2025年11月14日閲覧。.
- 1 2 E. Irizarry (2025年8月21日). “5 bright comets approaching Earth. Charts here!”. EarthSky.org. 2025年9月16日閲覧。
- ↑ “Cometary Activity: Mission A6”. Unistellar. 2025年9月16日閲覧。
- 1 2 “Earth approach on 21 October 2025”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2025年9月16日閲覧。
- ↑ “Crossing the celestial equator at declination 0”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2025年9月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- HDR Astrophotography: Comet tails simulations by Nicolas Lefaudeux
- Smart telescope video of C/2025 A6 (Lemmon) passing through Gemini on 1 Sept 2025