レイリーの定理

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レイリーの定理は、1より大きい無理数が、床関数を用いて自然数集合を2つに分ける方法を与える定理である[1]。 得られた集合を小さい順に並べたものをビーティ数列と呼ぶため、ビーティの定理と呼ばれることもある。

概要[編集]

を満たす無理数rsに対して、その倍数の整数部分であるは自然数の集合の分割である。つまり、任意の自然数は、のどちらかに一方にのみ常に属する。

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正の無理数とし、を満たすようにとする。このとき、BrBsを小さい順に並べると、以下の表のようになる。

自然数の分割例
Br 1 2 4 5 7 8 9 11 12 14 15 16 18 19 21 22 24 25 26 28 ...
Bs 3 6 10 13 17 20 23 27 30 34 37 40 44 47 51 54 58 61 64 68 ...

証明[編集]

証明1[編集]

とする。まず、自然数jkを用い、jrksに注目して、両方の集合に属する自然数が存在しないことを背理法を用いて証明する。もしも両方の集合に属する自然数が存在する場合、あるjkについて、jr=ksが成立する。両辺をkrで割ると、j/k=r/sであり、左辺はjkが自然数であるため明らかに有理数である。一方、右辺のr/sはであり、rは無理数であるためr-1も無理数となる。よって矛盾が生じるため、両方の集合に属する自然数は存在しない。

次に、j/rまたはk/sで表現可能な数を小さい順に並べた数列を考える。1/rからj/rj個の無理数が存在し、j/r以下のk/s個存在する。そのため、数列内のj/rの位置はj+であり、 より

である。 同様に、k/s番目に位置する。 でもでも表せない正の整数cがあると仮定すると、j/rまたはk/sで表現可能な数のc番目の要素が数列の中のまたは番目に位置することと矛盾するため、正の整数は必ずどちらか一方には含まれる。

したがって、全ての正の整数は、またはのどちらかに含まれ、両方に含まれることはない。 また逆も成り立ち、2つの実数rsについて同様の処理によって2つの集合を考えた時、全ての正の整数がどちらか一方にのみ含まれているならば、rsは無理数であり、逆数の和は1である。

証明2[編集]

背理法を用いる。ある正の整数jの両方に含まれるとする。つまり、2つの整数kmが存在し、

を満たすとする。ここで、床関数の定義により、

である。非ゼロのjに対して、rsは無理数であるため、等号は成り立たず、

である。各式をrsで割ることにより、

を得る。この2式を加えると、

となるが、kmは整数であるため、k+mも整数となり、矛盾が生じる。したがって、の両方の集合に含まれる正の整数は存在しない。

次に、どちらの集合にも含まれないjを仮定すると、

が成立する。j+1は非ゼロであり、rsは無理数であるため、等号は成り立たず、

である。したがって、

を得る。この2式を加えると、

となり、矛盾する(そのようなkmは存在しない) よって、全ての正の整数はどちらかの集合に含まれる。

したがって、全ての正の整数は、またはのどちらかに含まれ、両方に含まれることはない。

出典・脚注[編集]

  1. ^ John William Strutt, 3rd Baron Rayleigh (1894). The Theory of Sound. 1 (Second ed.). Macmillan. p. 123. https://books.google.com/books?id=EGQSAAAAIAAJ&pg=PA123. 

関連項目[編集]