レイドック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

レイドック』(LAYDOCK)とは、T&E SOFTが開発、発売したコンピュータゲーム。ゲームジャンルとしてはシューティングゲームに当たるが、レベルなどロールプレイングゲームとしての要素も含む。

基本ルール[編集]

ゲーム開始時に、1プレイヤーあるいは2プレイヤーどちらが出撃するかを選択する。両方選択すると二人同時プレイとなる。パスワードあるいはディスクに保存データがある場合、育成した自機でゲームを再開する事ができる。

レイドック2以外では、1プレイヤーのみで出撃する場合、あらかじめ使用するオプションウェポンを選択する。ステージボスが地上施設の場合、地上攻撃用ウェポンを選択しないとステージクリアできない。

自機の武装はメインショット(2連装2連発)とオプションウェポン。また後述するドッキングを行なう事により攻撃の幅を広げる事ができる。これらを駆使し、空中・地上に配置された敵機を破壊していき、ステージラストに控えるボスキャラを倒すとステージクリアとなる。ただし、1ステージまるまるボスキャラとの戦闘を行なったり、ステージ間がボスキャラを挟まずシームレスに繋がっている場合もある。

自機は残機制ではなくダメージ制を採る。敵・敵弾等と接触する事によりシールドエネルギーが減少し、全て失うとゲームオーバーとなる。2プレイヤー同時プレイ時は片方がやられてもゲームは続行し、生き残った自機がエネルギーを失った時点でゲームオーバーとなる。シールドエネルギーは特定の地上物を破壊する事により回復する事ができる。なお、逆に破壊する事でシールドエネルギーが減少する敵もいる。

ステージクリア後、敵機の撃墜率により自機のレベルが上がり、一定レベルに達する毎に新たなオプションウェポンが追加される。

ドッキング[編集]

二人同時プレイ時、ドッキングエネルギーが時間経過と共に蓄積され、一定以上蓄積されるとプレイヤー機同士が合体(ドッキング)する事ができる。

ドッキング中は自機の攻撃力が増加し(縦合体時はメインショット4連射、横合体時は2倍の広さの弾幕を張れる)、戦闘中に任意のオプションウェポンを選択し使用する事ができる。ドッキング状態でないと使用できないオプションウェポンもある。

ドッキングエネルギーは敵・敵弾・地形との接触により減少し、ゼロになると強制的に合体が解除される。ゲーム中どちらかのプレイヤーが撃墜された場合、そのステージ内では基本オプションウェポンの対地ミサイルしか使えなくなる(レイドック2を除く)。

レイドック[編集]

レイドック
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 MSX2
FM77AV
MZ-2500
開発元 T&E SOFT
発売元 T&E SOFT
人数 1~2人
メディア [MSX2] 3.5inch 1DD×1
[FM77AV] 3.5inch 2D×2
[MZ-2500] 3.5inch 2DD×1
発売日 [MSX2] 1986年1月22日
[FM77AV]1986年11月
[MZ-2500]1986年11月
テンプレートを表示

ハードウェアによる縦スムーススクロール機能を持つ機種で発売。二人プレイ時においてプレイヤー同士が合体すると、メインウェポンの強化と複数オプションウェポンの選択・使用が可能となる。このシステムは続編にも継承されている。

「魅せてあげよう、1ドットのエクスタシー」のキャッチコピーは、MSX2VDPには、スプライトの衝突判定が機能として存在し、表示位置の比較ではなく、ドット単位での移動、描画、衝突判定が可能だった事を示している。そのため、移植された機種ではそのコピーは使われていない。 MSX2版ではタイトル画像(タイトルCG)がディスクに収まりきらなかったため、CGのみを収めたカセットテープが付属した。

オープニングデモでは、PSGによる1BitPCMでの音声合成を駆使し、無線交信を再現している。 なお、このゲームでのメニュー画面のウィンドウ処理はハードウェアが有する描画プライオリティー機能によるものではなく、データも保持したマルチウィンドウとして実装されている。

後に発売された2機種版の内容はMSX2版の内容に加え、情報ディスプレイの追加(画面右端に点数、使用中オプションウェポン名称、プレイヤーの残シールド量などを表示)、FM音源に対応したBGMの追加などがなされた。 当たり判定については、敵、自機に等しく、敵キャラクタもまた、障害物に衝突した場合は破壊される。

FM77AV版はその強力なCPU処理能力と、画像表示機能をハード的に補助する周辺回路であるグラフィックスサポートにより、表示色、解像度共に最も高い仕上がりになっている。反面、登場キャラクターが多いシーンでは処理落ちも見られる。

MZ-2500版は、4096色パレットボードに対応するが、320✕200ドット16色の描画である。ハードウェアによるスムーススクロールこそあるものの、スプライト機能を有しないMZ-2500では、3ドット前後の単位でキャラクタは描画、判定される。廉価版のMZ-2520では動作しない。ユーザーがMZ-2500版を独自にX68000に移植したものも存在する。

スーパーレイドック ミッションストライカー[編集]

スーパーレイドック ミッションストライカー
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 MSX
X1
開発元 T&E SOFT
発売元 T&E SOFT
人数 1~2人
メディア [MSX]ROMカートリッジ
[X1]/Turbo 5.25inch 2D×2
発売日 [MSX] 1987年7月
[X1] 1987年12月
テンプレートを表示

ハードウェア縦スクロール機能を持たない機種で発売。8ドットスクロール。キャッチコピーは「更にS・U・P・E・R」。サブタイトルの「ミッションストライカー」は公募により採用された。

レイドックからBGMや面構成、演出が強化されている。また、プレイ内容による難易度調整も実装されている。自機はネオ=ストーミーガンナーとなり、レベルアップによるオプションウェポン強化も健在。

MSX版は、当時としては大容量の2MbitROMカートリッジでの発売だったが、バッテリーバックアップ機能は無く、セーブ(レベルや装備のみで途中再開は不可)はパスワードにて行う。 またMSX版のみ、モデムを使用して全国のプレイヤーとハイスコアを争う事が出来るネットワークバージョンが存在し、京都の日本テレネットから発売された。

X1版では、オープニングデモのアニメーションが大幅に追加され、搭乗者の乗り込みシーン、自機の発進シーンなどが追加されている。 またFM音源にも対応しており、その際PSGは効果音のみに用いられる。

X68000版も発売予定だったが、写真が一度雑誌に掲載されたまま、延期が続き機を逸して開発中止となった。 前作を移植したユーザーによるX1版を独自に移植したものも、スクリーンショットは公開されたものの、プログラムの公開などは行われなかった。

レイドック2 LAST ATTACK[編集]

レイドック2 LAST ATTACK
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 MSX2+
開発元 T&E SOFT
発売元 T&E SOFT
人数 1~2人
メディア [MSX2+] 3.5inch 2DDx2
発売日 [MSX2+] 1988年11月19日
テンプレートを表示

MSX2+本体と同時発売。キャッチコピーは、「これは、最大最後の戦いの記録である」。

FM音源対応。MSX2+の自然画モード(SCREEN 12)に対応したタイトルグラフィックが1枚収録されている。またステージ中間のアニメデモも強化された。

対応ハードがハードウェア縦横スクロール機能を実装した事を受け、横スクロール面が追加された。これに加え、単純な縦横のみならず斜め方向にもスクロールする。またこのスクロール機能を生かし、BGで描かれた複数画面を占有する巨大ボスキャラクターが複数登場する。

前作までと違い、一人プレイ時でも戦闘中に全オプションウェポンを選択できる様になった。二人プレイのドッキング時はオプションウェポンの性能が強化される。

あーぱーみゃあどっく[編集]

元々イベント用として公開された後、パナ・アミューズメントコレクションに正式収録された、レイドックシリーズのパロディ版。FM音源・PSG両対応で、それぞれ専用のBGMが用意されている。

基本的なゲーム内容はレイドック2を踏襲するが、舞台を宇宙から、当時T&E SOFT本社屋のあった愛知県名古屋市に移した。キャラクターは全てデフォルメされ、敵キャラは名古屋名物のエビフライなどに、自機のオプションウェポン名は「きしめん」「ういろう」といった当地の名産品に変更されている。

一人プレイではジョイスティックが使用できず、二人同時プレイ時の2プレイヤー側のみスティック使用可能という仕様になっていたが、プロジェクトEGG版では両プレイヤーともジョイスティック使用可能に変更されている。

オプションウェポン[編集]

1:レイドック、S:スーパーレイドック、2:レイドック2。

  • BULLPUP
ストーミーガンナー各機種に標準搭載される空対地ミサイル。自機前方(2の横スクロール面では斜め下)にミサイルを一発ずつ発射する。射程距離に制限がある。2のドッキング時には、X1版SのBULLDOGと同じ仕様となる。
  • TORA
細長い対空レーザービームを前方に発射する。レーザーは発射後、自機のX軸(2の横スクロール面ではY軸)移動にあわせてワインドさせる事ができる。2ではドッキング時、2本のレーザーを交互に発射する。
  • BULLDOG
対地誘導ミサイル。1とMSX版Sではコパイロットが方向キーで直接ミサイルの弾道を操作するが、弾速が速く更に8方向にしか向けないので、思う様に狙うのは難しい。X1版Sでは照準を操作し、任意の地上敵を狙える様改良されたが、狙った敵に対し継続的にロックする仕様では無いため、画面スクロールも考慮して狙う必要がある。
  • ADEN
1のみ登場の対空拡散バルカン。自機の斜め左右前方へ計4発の弾幕を張る。
  • ALPHA
Sより登場した対空拡散バルカンで、ADENの改良型。自機の前方に6発の弾幕を逆ハの字に発射する。2では正ハの字の弾幕を分離時2発、ドッキング時6発発射する。
  • CONDOR
対地自動誘導ミサイル。自機近くの地上敵のX軸に同期して飛んでいく。ただし自機より後方の敵には反応せず、一部の地上施設にも反応しないため過信は禁物である。地上敵が画面上に存在しない場合はミサイル自体発射されない。2では誘導性能が向上し、ドッキング時には全方位に3発同時発射する。
  • WING
X1版Sのみ登場の対空兵器。ボタンを押下している間、弓状のビームが拡大と縮小を繰り返すので、任意の大きさのところでボタンを離して発射する。敵弾とも当たり判定がある。発射準備中のビームに敵や敵弾が接触すると、その時点で勝手に発射されてしまう。
  • DOUBLE
対地ミサイル。BULLPUPと同じ威力のミサイルを自機の左右に発射する。射程距離に制限がなく端まで飛ぶ。地上敵に重なって撃てば一度に2発分のダメージを与えられるため、硬い敵の多いこのゲームでは意外に使用範囲は広い。2ではドッキング時、左右に3発ずつ発射可能。
  • SPECIAL
1とSに登場。ドッキングエネルギーを消費して、画面上の空中敵と敵弾を一掃する。
  • MERRY
Sより登場した全方位対空砲。コパイロットが方向キーで発射方向を選択し、弾幕を張る事が出来る。2では分離時も使用可能になった(前方にのみ発射)。
  • SLOW
Sのみ登場。ドッキングエネルギーを消費して、ボタンを押している間、敵の移動速度を半減させる。
  • KILLER
空中敵・敵弾に対し当たり判定を持つバリア。1では一定時間自機全体に発生しダメージを軽減。Sではコパイロットが方向キーを押した方向にピンポイントバリアを発生させる。2では分離時ダメージを半減させるミニバリアを、ドッキング時は自機の周囲を回転しながら防御するバリアを発生させる。
  • FIRE
自機の前方に、貫通力を持つ対地熱光弾を発射する。比較的弾速が遅いため絨毯爆撃には最適。2では分離時でも使用可能になり、ドッキング時はナパーム弾を発射する。
  • MINE
2のみ登場の対空機雷。自機前方に分離時は2発、ドッキング時は6発の空中機雷を散布する。機雷は画面上に残り、空中敵にダメージを与える。
  • B-ADEN
2のみ登場。自機後方に2発の弾幕を張る。ドッキング時は、追尾性能が非常に高い対空自動追尾ミサイルを6発発射する。

備考[編集]

  • 3作品とも全ステージクリア後にパスワードが表示される。当時これをマニュアル付属の用紙に書き写してT&E SOFTに送付すると、シリアルナンバー入りの階級証(プラスティックカード)がプレゼントされた。クリア時の自機レベルに応じて、宙軍大佐・中佐・少佐といった専用の階級証があった。
  • MSX版スーパーレイドック起動時、予めスロット2にMSX版DAIVAのROMカートリッジを差し込んでおくと、特定のステージ開始時に『DAIVA・アスラの血流』の主人公ラトナ=サンバが登場し、攻略のヒントをくれる。
  • スーパーレイドックのシーン5ボスにて、画面の左右端をCONDOR以外の対地ミサイルで撃つと「ふ(実際には●に“ふ”)」の文字が出現し、空中敵が出現しなくなる。この文字は、当時開発室に在籍していた社員のニックネームに由来する。
  • スーパーレイドックのシーン7序盤の海上にて、画面右端より約1/3の辺りの特定ポイントをCONDOR以外の対地ミサイルで撃つと首長竜が出現し、ステージボスでスクロールが止まった時点より火山弾が吹き出なくなる。
  • スーパーレイドックのシーン11は、障壁内部の背景部分に当たり判定が無い。これを利用し、壁の内部に入り込み地上敵を避けて大幅な近道をする事が出来る。
  • レイドック2のエリア1・シーン2ボス(巨大アメーバ)の左下には見えない当たり判定が存在する。進行上、ここを通過しないとならない為どうしてもダメージを食らってしまう。
  • レイドック2のエリア2・シーン2には、なぜかエリア1の様な巨大ボスが存在しない。理由は不明だが、当時発売されたサントラにはこのボスに使用される予定だったと思しき未使用楽曲が収録されている。
  • レイドック2をディスク2から起動すると、スーパーレイドックのパッケージに使用されていたイラストの自然画グラフィックが表示される。
  • レイドック2とあーぱーみゃあどっくはMSX2でも一応動作する。ただし斜めスクロール部分が表示されず、横スクロールシーンでは背景がジワジワと表示されてくるため非常に遊び辛い。

注釈[編集]


外部リンク[編集]