バロー (チェーンストア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルビットタウンから転送)
株式会社バロー
Valor Co.,Ltd.
多治見市の本部
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
507-0062
岐阜県多治見市大針町661-1
北緯35度22分16秒 東経137度4分46秒 / 北緯35.37111度 東経137.07944度 / 35.37111; 137.07944座標: 北緯35度22分16秒 東経137度4分46秒 / 北緯35.37111度 東経137.07944度 / 35.37111; 137.07944
設立 2015年4月1日
業種 小売業
法人番号 8200001031520 ウィキデータを編集
事業内容 スーパーマーケット事業
代表者 田代正美(代表取締役社長)
資本金 1億円
売上高 2828億0500万円
(2023年3月期)[1]
営業利益 45億3100万円
(2023年3月期)[1]
経常利益 50億2800万円
(2023年3月期)[1]
純利益 27億4700万円
(2023年3月期)[1]
総資産 644億5200万円
(2023年3月期)[1]
決算期 3月31日
主要株主 バローホールディングス 100%
関係する人物 伊藤喜美
外部リンク valor.jp ウィキデータを編集
テンプレートを表示

株式会社バローValor Co.,Ltd.)は、東海地方を拠点にスーパーマーケットを店舗展開する株式会社。本項では、持株会社化以前の株式会社バロー(現商号:株式会社バローホールディングス)と、持株会社化に際し新設された事業会社である株式会社バローの双方について記す。

伊藤喜美岐阜県恵那市主婦の店として創業。現在の社名の由来は「勇気ある者」を意味する英語古語から(wikt:en:valor参照)。

概要[編集]

日本のスーパーマーケットの中でも販売管理費比率が低く、低コストで運営するチェーンストアであり、『週刊東洋経済2003年8月23日号では「日本のウォルマート」と評された。

POSシステム東芝テック製を使用。一部の大型店舗ではセルフレジ及びセミセルフレジも導入している。2018年頃からセルフレジの老朽化に伴い順次新型にリニューアルされている。クレジットカードVisaマスターカードJCBが利用できる。アメリカン・エキスプレスもJCBとの提携関係で利用可能。

沿革[編集]

株式会社バロー(初代、現・バローホールディングス)[編集]

  • 1958年(昭和33年)
    • 7月 - 伊藤喜美が株式会社主婦の店(しゅふのみせ)を資本金450万円で岐阜県恵那市大井町251-1に設立。
    • 9月 - スーパーマーケット恵那店営業開始。
  • 1969年(昭和44年)3月 - 中部興産株式会社(現、連結子会社)を設立し、不動産事業を開始。
  • 1970年(昭和45年)3月 - 社名を株式会社主婦の店から株式会社主婦の店バロー(しゅふのみせバロー)に変更。
  • 1974年(昭和49年)11月 - 岐阜県恵那市大井町270-1に本店を移転すると共に、社名を株式会社バローに変更。
  • 1977年(昭和52年)10月 - 岐阜県多治見市東町1-9-3に本部を移転。
  • 1984年(昭和59年)2月 - 中部薬品株式会社(ドラッグストア)設立。
  • 1985年(昭和60年)5月 - 中部フーズ株式会社(現、連結子会社)を設立し、蒟蒻及び麺類の製造及び販売を開始。
  • 1989年(平成元年)
    • 1月 - 物流センターを開設。
    • 9月 - 中部流通株式会社(現、連結子会社)において包装資材の販売等を開始。
  • 1993年(平成5年)10月 - 名古屋証券取引所2部上場。
  • 1994年(平成6年)6月 - 伊藤喜美の娘婿である田代正美が2代目代表取締役社長に就任。
  • 1995年(平成7年)10月 - 株式会社富士屋と合併。
  • 1996年(平成8年)6月 - 岐阜県多治見市大針町661-1に本部および物流センターを移転。
  • 1998年(平成10年)
    • 4月 - 株式会社アクトス(現、連結子会社)が、株式会社バローより営業譲渡を受け、スポーツクラブ事業を開始。
    • 7月 - 株式会社主婦の店商事中部本社(現、連結子会社)を子会社化。岐阜県多治見市に第2物流センターを開設。
  • 1999年(平成11年)
    • 3月 - メンテックス株式会社(現、連結子会社)を設立。
    • 6月 - 岐阜県多治見市に第3物流センターを開設。
  • 2001年(平成13年)
    • 6月 - 富山県南砺市に北陸物流センターを開設。
    • 12月 - マイカルグループを離脱した株式会社岐東ファミリーデパート(現、連結子会社)を子会社化。
  • 2003年(平成15年)12月 - 東京証券取引所2部上場。
  • 2005年(平成17年)
    • 3月 - 東京証券取引所、名古屋証券取引所各1部上場。
    • 4月 - 株式会社ユースを子会社化。
  • 2006年(平成18年) - 株式会社オカノを子会社化。
  • 2007年(平成19年)
  • 2010年(平成22年)3月 - 株式会社ビックポンドストアーを子会社化。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月 - 中部開発株式会社を子会社化。
    • 4月 - 株式会社オカノを吸収合併。
    • 7月 - 株式会社ファミリースーパーマルキを子会社化。
    • 9月 - VARO CO.,LTD.を子会社化。
  • 2013年(平成25年)10月 - 株式会社ユースを吸収合併。
  • 2015年(平成27年)

株式会社バロー(2代)[編集]

  • 2015年(平成27年)
    • 4月 - 株式会社バロー(初代)100%出資により、株式会社スーパーマーケットバロー分割準備会社設立[3]
    • 10月 - 株式会社バロー(初代)よりスーパーマーケット事業を継承し、株式会社バロー(2代)に商号変更。

店舗[編集]

東海地方を中心に12府県に店舗を展開している。2023年4月の店舗数は241店舗[4]

現在の店舗は、公式サイトの店舗・チラシ情報を参照。

岐阜県(70店)・愛知県(60店)・静岡県(23店)・三重県(7店)・滋賀県(15店)・福井県(22店)・石川県(14店)・富山県(13店)・山梨県(2店)・長野県(9店)・京都府(3店)・大阪府(3店)(2023年4月現在)[4]

2000年代に入り、近隣店舗に対抗するような参入展開で急速に店舗数を伸ばしている。

静岡県の菊川店・掛川店・袋井店・磐田店はかつてのバロー・オカノで、2011年まで株式会社オカノから店舗を賃借して運営していた。

2013年、当時株式会社バローの完全子会社となっていた株式会社ユースの吸収合併と同時に同社の30店舗(旧称:ユース、セリオガーデン。滋賀県2店・福井県25店・石川県3店)をバローへ転換した。

かつては新潟県において3店舗(全て上越市内)を展開していたが、何れも2020年4月をもって撤退した。

大型店舗[編集]

通常は、スーパーマーケットバローのみ(北欧倶楽部含む)の店舗が多いが、一部店舗では、フードコートを設けている店舗も存在する。

また、Vタウンやルビットタウン・ルビットパークというショッピングセンターも存在する。

これらは中にホームセンターバローあかのれんなど様々なテナントを導入しフードコートも設けている。

なお、Vタウンは1階のみのエンドクローズ型、ザイマックスとの合弁会社であるバローマックスが運営するルビットタウンは2階建てエンドクローズ型、ルビットパークはオープンエアモール型と区別している。

Vタウン[編集]

  • 芥見店(岐阜県岐阜市)- 1996年11月21日開店

ルビットタウン・ルビットパークの店舗[編集]

ルビットタウン
  • 中津川店(岐阜県中津川市) - 2017年11月10日開店、旧アピタ中津川店
  • 高山店(同県高山市) - 2018年11月2日開店(高山ショッピングセンターからリニューアル)
  • 刈谷店(愛知県刈谷市) - 2022年5月13日開店、旧エルシティ刈谷
  • 戸田店(同県名古屋市中川区) - 2023年2月25日開店(戸田ショッピングセンターからリニューアル)
ルビットパーク
  • 岡崎店(愛知県岡崎市) - 2020年10月30日開店(ルビットパーク岡崎内)
  • 南草津店(滋賀県草津市)- 2022年4月22日開店(ルビットパーク南草津内)
  • 大口店(愛知県丹羽郡大口町) - 同年6月11日開店(Vタウンからルビットパーク大口にリニューアル)
  • 近江八幡店(滋賀県近江八幡市) - 2023年4月7日開店(ルビットパーク近江八幡内)

その他[編集]

  • なるぱーく店(愛知県名古屋市緑区) - 2021年11月19日開店
  • 長良店(岐阜県岐阜市)- 1997年11月13日開店(当初はVタウンとして開業したが、2023年秋にVタウンの名称を廃止)

ギャラリー[編集]

プライベートブランド[編集]

バローではプライベートブランド(PB)の開発・販売が活発で、2020年10月より新規PBの導入・切り替えを進めており、現在ではPB商品は1000品目を超えている。PB商品の一部はバローグループ内だけでなく、他社にも外販されている。ピーコックストアでもイオングループによる買収までは販売されていた[5]。これら商品は特性ごとに以下の2つのブランドに分けられている[6]

現在[編集]

  • 「valor select」(バローセレクト) - 『“お客様の暮らしを力強く応援したい!”バローが独自のオリジナル商品を世に問うたのは今から40年以上前。新たなvalor selectは毎日の暮らしに欠かすことの出来ない品々を「良品廉価」でお届けします。バローお勧めの基本アイテムです』としている。
  • 「valor plus」(バロープラス) - 『“ちょっと上質”“少し贅沢”でも決して“非日常”の商品ではありません。何か暮らしに、気持ちをプラスしてくれるような身近な“いつもの”アイテムです。「この味に出会えてよかった!」そう思っていただける素材や製法にこだわったバローのベスト商品です』としている。

過去[編集]

2020年に変更される以前のPBは、以下の3種類であった。

  • 「V select」(V セレクト) - 『「味のクオリティ」のコンセプトを継承するもので、毎日の暮らしに欠かすことのできない商品が提供されている。バローは安心・安全に求めやすい価格で提供している』としている。
  • 「V Quality」(V クオリティ) - 『「バロープレミアム」のコンセプトを継承するもので、おいしさ、製法、素材がこだわられた商品が提供されている。こちらも同様に求めやすい価格で提供している』としている。
  • 「V organic」(V オーガニック) - 『変更に当たって新たに設定された、有機認定商品専用ブランドで、有機農法によって収穫された材料が使用されており、有機JAS認定を取得した商品が提供されている。バローは食生活において欠かすことのできない「健康・安心・安全」をテーマにしている』としており、バローおすすめのアイテムを品揃えしている。

なお、バローのプライベートブランドとよく似た名称のプライベートブランド「Vマーク(バリュープラス)」を展開する八社会は、当然ながら同社と関係は全くない。

2008年に変更される以前のPBは、以下の4種類であった。

  • 味のクオリティ バロー・プレミアム - 原材料や産地、生産者を厳選し、昔ながらにじっくりと手間と時間をかけて、本来の味を損なわないように製造されている。おいしさはそのままに塩分、脂肪分を出来る限り減らして出来る限り添加物は使用せず、自然の味に仕上げられている。
  • 味のクオリティ - 『牛乳や食パン、豆腐、食用油など生活必需品をおいしさや安全性にこだわっている。バローは求めやすい価格で毎日提供している』としている。
  • バロー・ベーシック - シンプルな使いやすさ、基本を大切にした日用品のブランドで、バローによるとリーズナブル価格になっている。
  • バロー・オリジナル - バローが使う人のことを考えてクオリティにこだわった商品。

不祥事[編集]

2011年7月、福島第二原子力発電所から飛散した放射性物質セシウムにより汚染された疑いのある牛肉が販売されていたことが発覚した。バローでは、魚津店で該当個体の牛肉約20kgの取扱があったことが2011年7月18日に判明。同年7月22日にニュースリリースで、愛知県、岐阜県、滋賀県内の計9店舗でも該当個体の牛肉が販売されていたことが発表された[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 株式会社バロー 第8期決算公告
  2. ^ 会社分割による持株会社体制への移行に伴う吸収分割契約締結及び商号の変更に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社バロー、2015年5月8日http://valorholdings.co.jp/wp/wp-content/uploads/2015/09/news20150508-5.pdf2015年10月24日閲覧 
  3. ^ 会社分割による持株会社体制移行及び子会社(分割準備会社)の設立に関するお知らせ” (PDF). 株式会社バロー (2014年11月5日). 2014年12月14日閲覧。
  4. ^ a b 企業情報|スーパーマーケットバロー 株式会社バロー”. valor.jp. 2023年7月6日閲覧。
  5. ^ 日本経済新聞』 2012年11月5日付、2013年3月5日付
  6. ^ バローのPB(プライベートブランド)が変わります”. 株式会社バロー. 2021年2月25日閲覧。
  7. ^ 放射性セシウム汚染の疑いがある牛肉の販売に関するお知らせ(2)”. 株式会社バロー (2011年7月22日). 2020年5月31日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]