ルスネイ・カスティーヨ

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この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はカスティーヨ第二姓(母方の)はペラサです。
ルスネイ・カスティーヨ
Rusney Castillo
ロングアイランド・ダックス
基本情報
国籍ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国に亡命)
出身地  キューバ
シエゴ・デ・アビラ州シエゴ・デ・アビラ
生年月日 (1987-07-09) 1987年7月9日(34歳)
身長
体重
5' 8" =約172.7 cm
186 lb =約84.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2014年 アマチュア・フリーエージェントとしてボストン・レッドソックスと契約
初出場 MLB / 2014年9月17日
NPB / 2021年4月23日
最終出場 NPB / 2021年9月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ

ルスネイ・カスティーヨ・ペラサ(Rusney Castillo Peraza、1987年7月9日[1] - )は、キューバシエゴ・デ・アビラ州シエゴ・デ・アビラ出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。アメリカ独立リーグ・アトランティックリーグロングアイランド・ダックス所属。

経歴[編集]

キューバ時代[編集]

キューバの国内リーグであるセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボルで、ティグレス・デ・シエゴ・デ・アビラに所属。2008-2009シーズンのデビューから4シーズン連続で打率3割、2010-2011シーズンにリーグトップの29盗塁を記録した。

2011年10月には第39回IBAFワールドカップ2012年7月には第26回ハーレムベースボールウィークキューバ代表に選出。2012年11月には、キューバ代表として、台湾のサンダーシリーズや野球日本代表との強化試合(札幌ドーム)に出場した。

2012-2013シーズンの国内リーグでは、序盤から打撃が振るわなかった。2013年3月開催の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けたキューバ代表の候補に入っていたが、最終選考でロースターから外れたため、WBCへの出場に至らなかった。

2013年末にアメリカ合衆国へ亡命。音楽プロデューサージェイ・Zが経営するロック・ネイション社と代理人契約を結んだこと[2]から、メジャーリーグ(MLB)の複数球団の間で争奪戦が繰り広げられた。

レッドソックス時代[編集]

2014年8月24日に、ボストン・レッドソックスとの間で、契約最終年のオプション(選択権)が付いた7年契約を締結。契約期間中の年俸総額は7250万ドル(約75億3500万円)で、キューバ出身の選手としてはMLB史上最高額であった[3]。9月17日の対ピッツバーグ・パイレーツ戦で、MLB公式戦にデビュー。レギュラーシーズンでは10試合の出場にとどまったものの、打率.333、2本塁打、6打点、3盗塁という好成績を残した。

2015年には、マイナーリーグでレギュラーシーズンをスタート。5月下旬にMLBへ昇格してからは、公式戦80試合の出場で、打率.253、5本塁打、29打点を記録した。

2016年には、MLB公式戦9試合に出場。打率.250(8打数2安打)、本塁打・打点ともに0という成績にとどまったばかりか、6月以降はマイナーリーグでのプレーを余儀なくされた。MLBのサラリーキャップ制度の下で、純収入の30%に相当する金額の課徴金(贅沢税)がレッドソックスへ課せられたことに伴って、カスティーヨの年俸(約1050万ドル)をMLB40人枠内の選手の総年俸(チーム総年俸)から差し引く措置を講じる必要がレッドソックスに迫られたことによる。ちなみに、球団はカスティーヨのマイナー降格によって、約315万ドルを節約できたという[2]。さらに、シーズン中の8月には、契約期間を4年残してカスティーヨをウェイバー公示。残り4年分の年俸(総額で4600万ドル)を負担できる球団に、カスティーヨを移籍させることを画策した。実際には獲得へ乗り出す球団が現れなかったため、カスティーヨは残りの契約期間をレッドソックスで全うしたものの、翌2017年以降も球団の贅沢税対策に翻弄された[2]

2017年には、贅沢税対策の一環で、シーズンを通じてMLBの40人枠から外された。球団はこの措置によって贅沢税の課徴を免れたものの、カスティーヨは傘下球団ポータケット・レッドソックスの一員として、マイナーリーグのAAA級公式戦87試合に出場。打率.314、15本塁打、43打点という好成績で、チームのシーズンMVPにも選ばれた[2]

しかし、MLBは2017年に、贅沢税の適用に関する規定を変更。レギュラーシーズン中に1回でもMLB40人枠に登録された選手の年俸が、チーム総年俸へ加算されるようになった。さらに、外野のレギュラー陣が固定されているチーム事情も相まって、ウェイバー公示中でも他球団が獲得を見送ったほど年俸が高いカスティーヨがMLBへ復帰する可能性が事実上消滅した[2]。もっとも本人は、このような事情の下でも、マイナーリーグのシーズンが終わるたびにプエルトリコメキシコウインターリーグで腕を磨いていた[4]

2018年には、ポータケットでAAA級公式戦117試合に出場。打率.319、5本塁打、59打点という成績で、前年に続いてチームのシーズンMVPに選ばれた[2]

2019年には、ポータケットでAAA級公式戦120試合に出場。打率.278、17本塁打、64打点という成績を残したほか、AAA級のオールスターゲームにも出場した。この年で7年契約の6年目を終えたことから、シーズン終了後にオプションを行使。契約最終年もMLBへの復帰が望めないことを見越しながら、推定年俸1350万ドル(約14億円)の受給権を確保した[2]

2020年には、年初からの新型コロナウイルス感染拡大の影響でマイナーリーグ自体が開催されなかったため、実戦の機会がないまま契約期間を満了[4]。10月にFAへ移行した。結局、MLB公式戦には契約期間前半の3シーズンで99試合に出場しただけで、破格の契約に見合わぬ結果(打率.262、7本塁打、35打点、7盗塁)に終わった。

楽天時代[編集]

2021年1月9日に、東北楽天ゴールデンイーグルスと1年契約を結んだことが発表された[5][6]。チャンスメーカーやポイントゲッターとしての役割を見越した契約[7]で、背番号は12。当初の報道では年俸が65万ドル(約6760万円)と推定されていたが、60万ドル(約6240万円)の最低保証年俸と最高100万ドル(約1億400万円)の出来高が設定されたことが後に判明している[7]。ただし、日本政府が新型コロナウイルスへの感染拡大を背景に外国人への入国制限を課している関係で、来日はNPBレギュラーシーズン開幕直後の3月29日にまで持ち越された[8]

来日後は、入国の条件である2週間の自主隔離期間などを経て、北海道日本ハムファイターズとのイースタン・リーグ公式戦(4月15日)から実戦に参加[9]。同月23日の対埼玉西武ライオンズ戦(楽天生命パーク宮城)に、「3番・右翼手」としてスタメンで一軍公式戦へのデビューを果たしたものの、1回裏の第1打席に高橋光成が投じた6球目でファウルボールを放った際に左脇腹を痛めた。7球目で三塁へのゴロに倒れたが、走塁中にも左脇腹の違和感を訴えたため、2回表の守備から交代[10]。交代後の検査で左腹斜筋を損傷していることが判明したため、翌24日付で出場選手登録を抹消された[11]。6月10日にイースタン・リーグの公式戦で実戦に復帰してからは、9試合の出場で打率.417を記録するほど好調。当初の予定より早く同月21日に再び登録される[12]と、同日の対オリックス・バファローズ戦(楽天生命パーク)で一軍での来日初安打を放った[13]。シーズン通算で33試合に出場し、打率.225、1本塁打、3打点を記録。11月7日に同僚のブランドン・ディクソンと共に退団が発表された[14][15]

ナショナルズ傘下時代[編集]

2022年1月19日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[16]。3月29日に自由契約となった[17]

独立リーグ時代[編集]

2022年4月22日にアトランティックリーグロングアイランド・ダックスと契約した[17]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

[18]

















































O
P
S
2008-2009 CAV 28 48 43 12 15 3 1 0 20 8 0 2 0 0 4 0 1 10 0 .349 .417 .465 .882
2009-2010 44 108 99 11 30 2 1 2 40 10 2 4 3 1 2 0 3 19 5 .303 .333 .404 .737
2010-2011 88 400 364 75 118 22 4 18 202 79 29 6 3 3 17 0 13 42 11 .324 .373 .555 .927
2011-2012 95 420 376 80 125 28 2 16 205 66 22 7 0 3 32 9 9 42 13 .332 .395 .545 .941
2012-2013 68 277 234 41 64 6 2 6 92 29 15 9 4 0 31 10 8 29 6 .274 .377 .393 .770
2014 BOS 10 40 36 6 12 1 0 2 19 6 3 0 0 0 3 0 1 6 0 .333 .400 .528 .928
2015 80 289 273 35 69 10 2 5 98 29 4 5 1 1 13 0 1 54 11 .253 .288 .359 .647
2016 9 8 8 4 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .250 .250 .375 .625
2021 楽天 33 76 71 4 16 1 0 1 20 3 0 1 0 0 4 1 1 17 1 .225 .276 .282 .558
CNS:5年 323 1253 1116 219 352 61 10 42 559 192 68 28 10 7 86 19 34 142 35 .315 .380 .501 .881
MLB:3年 99 337 317 45 83 12 2 7 120 35 7 5 1 1 16 0 2 63 11 .262 .301 .379 .679
NPB:1年 33 76 71 4 16 1 0 1 20 3 0 1 0 0 4 1 1 17 1 .225 .276 .282 .558
  • 2021年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • キューバで通常用いられる個人通算成績は、プレーオフや選抜リーグなども合算するため、この表の合計とは一致しない

記録[編集]

NPB[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 38(2014 - 2016年)
  • 12(2021年)

登場曲[編集]

  • 『SOLABAYA』Yomil y El Dany(2021年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Rusney Castillo, MLB.com. 2020年8月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g あのジェイZも惚れ込んだ楽天の「75億円助っ人」は、なぜメジャーに定着できなかったのか?”. Yahoo!JAPANニュース (2021年1月12日). 2021年4月25日閲覧。
  3. ^ Red Sox Introduce Rusney Castillo, Could Be September Addition
  4. ^ a b 楽天入りカスティーヨ、基本年俸は約6200万円と米メディア”. 東京スポーツ (2021年1月11日). 2021年4月25日閲覧。
  5. ^ ルスネイ・カスティーヨ選手 契約合意に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト (2021年1月9日). 2021年2月1日閲覧。
  6. ^ 楽天がカスティーヨ外野手獲得発表「とても楽しみ」”. 日刊スポーツ (2021年1月9日). 2021年3月9日閲覧。
  7. ^ a b 楽天の新助っ人カスティーヨ、年俸以上の出来高1億円 米記者伝える”. デイリースポーツ (2021年1月11日). 2021年4月25日閲覧。
  8. ^ 楽天の新助っ人のディクソンとカスティーヨが来日 隔離期間後にチームに合流”. スポーツニッポン (2021年3月29日). 2021年4月25日閲覧。
  9. ^ 楽天のカスティーヨ&ディクソンが二軍で来日初実戦 適時二塁打のディクソンは「フィーリングは良い」”. スポーツニッポン (2021年4月15日). 2021年4月25日閲覧。
  10. ^ 楽天の新外国人カスティーヨ 3番・右翼でデビューも…初回の第1打席で負傷交代”. スポーツニッポン (2021年4月23日). 2021年4月25日閲覧。
  11. ^ 楽天新外国人カスティーヨ登録抹消へ 23日初昇格も第1打席で左脇腹負傷”. 日刊スポーツ (2021年4月24日). 2021年4月25日閲覧。
  12. ^ 楽天カスティーヨ一軍合流「早めにアジャストできるかな」二軍戦打率4割超”. 日刊スポーツ (2021年6月21日). 2021年6月21日閲覧。
  13. ^ “楽天 カスティーヨが来日初安打 左脇腹痛から復帰即スタメン”. スポーツニッポン. (2021年6月21日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/06/21/kiji/20210621s00001173500000c.html 2021年8月13日閲覧。 
  14. ^ 楽天ディクソンとカスティーヨが今季限り退団 ともに来日1年目”. 日刊スポーツ (2021年11月7日). 2021年11月7日閲覧。
  15. ^ カスティーヨの成績(NPB公式)”. 2021年11月7日閲覧。
  16. ^ Andrew Mahoney (2022年1月20日). “Former Red Sox outfielder Rusney Castillo attempts a comeback, signs minor-league deal with Nationals”. The Boston Globe. 2022年1月29日閲覧。
  17. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2022年5月5日閲覧。
  18. ^ Serie_Nacional Archived 2013年11月1日, at the Wayback Machine.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]