コンテンツにスキップ

リン化アルミニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リン化アルミニウム
リン化アルミニウム
リン化アルミニウム
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.040.065 ウィキデータを編集
EC番号
  • 244-088-0
RTECS number
  • BD1400000
UNII
国連/北米番号 1397 3048
性質
AlP
モル質量 58.00 g/mol
外観 暗黄色または暗灰色の結晶
密度 2.42 g/cm3, 固体
融点 >1000 ℃
反応
構造
閃亜鉛鉱
T2d-F43m
a = 546.35 pm
三角錐
熱化学
標準モルエントロピー S 47.3 J/mol K
標準生成熱 fH298)
−164.4 kJ/mol
危険性
GHS表示:
可燃性急性毒性(高毒性)水生環境への有害性
Danger
H260, H300, H311, H330, H400
P223, P231+P232, P260, P264, P270, P271, P273, P280, P284, P301+P310, P302+P352, P304+P340, P310, P312, P320, P321, P322, P330, P335+P334, P361, P363, P370+P378, P391, P402+P404, P403+P233, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 4: Very short exposure could cause death or major residual injury. E.g. VX gasFlammability 1: Must be pre-heated before ignition can occur. Flash point over 93 °C (200 °F). E.g. canola oilInstability 2: Undergoes violent chemical change at elevated temperatures and pressures, reacts violently with water, or may form explosive mixtures with water. E.g. white phosphorusSpecial hazard W: Reacts with water in an unusual or dangerous manner. E.g. sodium, sulfuric acid
4
1
2
引火点 > 800 °C (1,470 °F; 1,070 K)
致死量または濃度 (LD, LC)
11.5 mg/kg
安全データシート (SDS) External MSDS
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
リン化アルミニウム (Aluminium phosphide)

リン化アルミニウム(燐化アルミニウム、リンかアルミニウム、英文名称 Aluminium phosphide)は、リンアルミニウムからなり、化学式AlPで表される無機化合物。大気中の水分と反応して毒性の強いホスフィン(リン化水素)を生じるため、殺虫剤の成分として用いられる。

反応式

[編集]

アルミニウムとリンを反応させることで製造できる[1]

リン化アルミニウムはと反応して気体リン化水素水酸化アルミニウムに分解する。

農薬

[編集]

ドイツのデゲシュ社(de:Deutsche Gesellschaft für Schädlingsbekämpfung)によって開発された。タバコシバンムシコクゾウムシに対する殺虫剤として、分解促進剤(炭酸アンモニウム)との反応によりホスフィンを発生させ、葉たばこ穀物飼料倉庫、輸入農産物の燻蒸処理に用いられる。

日本では1959年12月25日に農薬登録を受け、デゲシュジャパン(商品名:ティベック、ホストキシン)、昭和電工(フミトキシン)、帝人化成(エピヒューム)などから発売されている。

毒性

[編集]

リン化アルミニウムとその分解促進剤とを含有する製剤は、日本の毒物及び劇物取締法及び毒物及び劇物指定令により特定毒物に指定されているが、純粋なリン化アルミニウムそのものは普通物である。

リン化アルミニウムは特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律PRTR法)で、第一種指定化学物質に指定されている。

経口摂取した場合は、胃酸によって分解し、直後には嘔吐胸部圧迫感・昏睡などの症状が見られ、1日後頃からは肝・腎・心臓障害、代謝性アシドーシスなどの症状が現れる。

アルミニウムリン中毒はインド亜大陸で大規模な問題がある。農薬としての使用を停止するイランの法医学機関によるキャンペーンがあった。

脚注

[編集]
  1. White, W. E.; Bushey, A. H.; Holtzclaw, H. F.; Hengeveld, F. W. (1953). Bailar, J. C.. ed. “Aluminum Phosphide”. Inorganic Syntheses 4: 23–25. doi:10.1002/9780470132357.ch7.

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]