リリアとトレイズ

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一つの大陸の物語シリーズ > リリアとトレイズ
リリアとトレイズ
ジャンル ファンタジー冒険活劇
小説
著者 時雨沢恵一
イラスト 黒星紅白
出版社 メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2005年3月 - 2007年4月
巻数 全6巻
漫画:リリアとトレイズ
-そして二人は旅行に行った-
原作・原案など 時雨沢恵一
作画 晴瀬ひろき
出版社 メディアワークス→アスキー・メディアワークス
掲載誌 comic SYLPH→シルフ
レーベル 電撃コミックス
発表号 2006年vol.1 - 2008年Vol.4
発表期間 2006年12月9日 - 2008年11月22日
巻数 全2巻
話数 全10話
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

リリアとトレイズ』は、電撃文庫より刊行された時雨沢恵一によるライトノベル、およびそれを原作とした漫画。原作(ライトノベル)のイラスト黒星紅白。「一つの大陸の物語シリーズ」の一つで、『アリソン』シリーズの続編にあたる。シリーズ累計で110万部を突破している[1]

『アリソン』と共に、『アリソンとリリア』としてテレビアニメ化された。また本作のスピンオフ作品として『メグとセロン』シリーズが電撃文庫から刊行されている。

ストーリー[編集]

世界観については一つの大陸の物語シリーズ#世界設定を参照

I・II そして二人は旅行に行った[編集]

夏休み。アリソンが急な訓練で出かけられなくなり、リリアは遊びに来ていたトレイズを同行として旅行に出る。目的地はトルカシア国のラーチカというクウルズ内海に浮かぶ海上都市。その町のアトラクションの一つである遊覧飛行中、不時着していると思われる飛行機を見つけ助けようとしたが、リリアたちの飛行機のパイロットが撃たれ死んでしまう。その光景を目撃した2人は理由もわからないまま追われ、逃げている内にある一人の老人に出会う。彼の手引きでロクシェの首都に戻る飛行艇に乗せてもらう事になったが、その飛行艇の影には様々な組織の思惑が交差していた。

III・IV イクストーヴァの一番長い日[編集]

冬休み。リリアとアリソンは、トレイズの誘いを受けてイクスに行く事になった。大晦日の晩、リリアとトレイズは湖畔の別荘でひたすら暇な時間を過ごしていた。同じ頃、その別荘から数キロ離れた王宮の離れで、ベネディクトとフィオナは身内と限られた客人たちでパーティーをしていた。しかし年越しの瞬間、フィオナ達はテロリストと化した客人に襲われ捕まり、数人が殺されてしまう。そこから命からがら逃げ出した女性の連絡を受けたトレイズとリリアは、皆を助けるため離れに向かう。

V・VI 私の王子様[編集]

春休み。リリアは休み明けのダンスパーティーの相手を決めることができぬまま、アリソンと一緒に列車での旅行に行くことになる。一方、トレイズは婿入り話の相手であるベゼル王室のマティルダ王女の観光案内役を引き受ける羽目になってしまう。リリアとトレイズは同じ列車に乗り合わせ、その列車で突如殺人事件が発生、とてつもない陰謀に巻き込まれる。

サイドストーリー[編集]

小生意気なガキ
I〜VI巻に収録。著者と「ザ・脇役」カルロの対話形式で送られるあとがき。タイトルの理由は「あと"がき"」と「小生意気な"ガキ"」が共通だから。
遺書
II巻収録。アリソンがもしもの時の為にヴィルに残した遺書。
メグとリリア
II巻収録。メグとリリアの出会いとその後の日常が、メグの視点で語られる。
騎士の背中
III巻収録。世界暦3277年のレストキ島紛争の最中、ウィッティングトン少佐が未来の家にムート女史を訪ねる。
メリエルとトレイズ
IV巻収録。幼きトレイズがメリエルに勝つ為に送る修行の日々。
王子観察記
VI巻収録。III巻で死亡した侍従が書いていたトレイズの成長記。生まれてから、大晦日の数日前までが記録されている。なお、イラストは「コミックシルフ」で漫画版『リリアとトレイズ』を描いている晴瀬ひろきが担当。

登場人物[編集]

アニメ版の声優については、一つの大陸の物語シリーズ#テレビアニメ『アリソンとリリア』を参照。

リリアーヌ・アイカシア・コラソン・ウィッティングトン・シュルツ(リリア・シュルツもしくはリリアーヌ・シュルツ)
前作『アリソン』の主人公アリソンとヴィルの娘。眼や髪の色は父親似の栗毛に薄茶色の瞳で、時々アリソンの蒼い目と金髪が欲しかったとぼやく。I巻の時は15歳、後に16歳になる。
本名はベゼル・イルトア王国連合(スー・ベー・イル)の古い風習に則っている。名前の由来は母アリソンと父ヴィルヘルムが将来を誓ったスー・ベー・イルの花の都「リリアーヌ」であり、都の名の由来はかつてスー・ベー・イルの女王であった「リリアーヌ」という強く美しく素晴らしい女性から。
子供の頃から母に違法で飛行機の操縦を教えられる。王家や貴族が話す正統なベゼル語を話すことができ、保育所に入るまではどこの家庭でも二カ国語で話しているものだと思っていた。
おとなしめの印象を与える可愛らしい容貌をもつが、性格は明朗快活。気の強いしっかり者でもあり、犯罪に関しての抵抗感が強い。やや直情的な面があり無茶もする。過去のトラウマ(アリソンが原因)から、閉所恐怖症暗所恐怖症・金髪恐怖症。
恋愛には鈍感で、トレイズの寄せる気持ちにたとえ口に出されていても気付いていない。それどころかからかわれていると思っているらしい。彼に対しては基本的にそっけなく、かなりぞんざいな扱いや暴言を吐くこともあるが、頼りにしている所もあり、実際は無意識の内にトレイズに好意を寄せているようである。
トレイズが自分と同じ特技を持つ事を知り、「気に入らない」とトレイズに対して嫉妬のような感情を抱いていた時期もあるが、トレイズは気付いていない。後にそのことをこっそりと反省している。
トレイズ(トレイズ・ベイン)
リリアの幼馴染。ベネディクトとフィオナの息子。母親似で黒髪に茶色の目、優しそうな印象を与える中性的で整った容貌の持ち主。名前の由来はフィオナが幼少時代世話になった医師トレーズ・ベインから(トレーズはベゼル語で発音し辛いためトレイズとなった)。I巻の時は16歳、後に17歳になる。性格は穏やかで、活発な姉のメリエルとは対照的。幼なじみのリリアに対しては、能天気かつ気障で皮肉屋な一面も見せている。長年のメリエルに負けないための鍛錬の結果、戦闘技術や銃の腕前はかなりのものになった。その上洞察力・推理力も備わっている様子。口下手で、どちらが兄か姉かで双子のメリエルと会う度に言い争うが、口では全く勝てない。
イクストーヴァ(イクス)王国の王子であり、慣習のためロクシェとベゼル王国のトップ以外には存在が秘されている。旅行の際に銃の使用許可が出るなど地位は王族と同様。王族ゆえにか軍人気質だからなのか、少年期のヴィルとは違い、正当防衛の為の殺人ならば躊躇なく行っている。お印は鷹。
スー・ベー・イル空軍の軍人だった父の教えで飛行機の操縦ができ、ロクシェ語・ベゼル語が話せる。これに加え、イクス王国の古語であるイクス語が話せるという特技を持つ。他にも狩りや射撃も得意。泳ぐ機会が無かったためカナヅチだったが、リリアの前で一度泳いだ際に溺れたため「かっこ悪いところを見せた」とかなり落ち込み、猛訓練して現在は何キロでも泳げるらしい。学校に通わずに、かつてフィオナが住んでいた村でずっと暮らしていたが、最終話ではリリアの学校に編入する。
20歳までに心に決めた結婚相手が出来なければ、スー・ベー・イルのベゼル王国皇位継承者マティルダ王女と結婚することになっている。
作中の描写や言動および「王子観察記」から、幼い頃からリリアに恋愛感情を抱いている事がわかる。が、本人は上記の結婚の条件からリリアに負い目を感じたらしく「彼女に対して抱く好意が恋愛感情であるのかがわからない」、「親の決めた婚姻から逃げたいからでは」と悩んでいる。リリアに王子である事と彼女への想いを伝えようとしているが、自他共に認めるヘタレであるため全く言い出せないばかりか、強気な彼女に頭が上がらない。ちなみに自覚は無いものの、本人と周囲の人々に対して好意を隠すつもりは全くない様子。
アリソン・ウィッティングトン・シュルツ(アリソン・シュルツ)
前作『アリソン』の主人公であり、リリアの母親。35歳。ロクシェ空軍所属のテストパイロットで階級は大尉。年齢を感じさせないほどの美人。相変わらず寝起きは最悪で、飛行訓練が無い時には適当な理由をつけてサボろうとする。しかし目が覚めて仕事着に着替えると、見た目は完璧な軍人になる。今も射撃が苦手。
トラヴァス
スー・ベー・イル陸軍少佐。ロクシェにあるスー・ベー・イル大使館駐在武官で秘密情報部員。アリソンの現在の「彼氏」。
その正体は前作『アリソン』のヴィル。とある理由で「ヴィルヘルム・シュルツ」という存在を消す必要があり、ヴィルはロクシェの連邦大卒業後に列車事故で死んだことになっている。スー・ベー・イルに渡り、壁画発見の旅の際に出会ったトラヴァス・ラディアの養子として別の人生を歩むことになる。
アイカシア学校で「ストーク少佐」に教育を受けた後、現在は大使館に勤め、東西問題を解決する仕事に就きながら、全世界の平和の為にロクシェの犯罪摘発にも積極的に関与している。娘のリリアが人質にされた時にも冷静かつ客観的な視点で話すなど、冷静な判断を下せるようになった。
カー・ベネディクト
スー・ベー・イルの元軍人。42歳。誰もが知る「英雄」。トレイズとメリエルの父で、伸ばした髭は「ムサいから剃れ」と不評。行き過ぎなほど愛妻家で、人の目を気にすることなくいちゃついている。
フランチェスカ(フィオナ)
イクス王国女王。38歳。写真撮影が趣味でこっそり最新式のカメラを購入、たびたびベネディクトに見つかって怒られている。また、首相からは「押印が遅い」と愚痴をこぼされている。トレイズとメリエルの母とは思えないほど若々しい。主に白いブラウスに紺のスカートを身に着けている。
メリエル
トレイズの双子で自称姉。髪と目の色はトレイズと同じ。イクス王国の王位継承者で、エーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)の花のお印を持つ。両親が頼りないためかしっかり者で、イクス王国の将来について親よりも真剣に取り組んでいる。小さい頃から機械いじりが好きだが、機械を扱ったり操縦する事には全く興味を持たない。トレイズを「ヘタレ」と呼び出した張本人。ベゼル国のマティルダ王女と親交が深く、トレイズに彼女と結婚する事を強く勧めている。誰かに妹と言われる度に否定するが実は妹。
幼い頃トレイズがリリアの長い髪を褒めたことから、髪を伸ばすことを決めたというエピソードがある。
グラツ・アクセンティーヌ(アックス、アン)
20代後半のスー・ベー・イルの王立陸軍特殊部隊員(中尉)。故郷はイルトア王国。トラヴァスの部下で射撃の腕はかなり良い。『アリソン』でヴィルが射殺したグラツ・アンスガー大尉の娘で、謎の人物にトラヴァスが親の仇であると聞かされ、殺意に近い憎しみを抱いている。ウーノの話を聞くことでトラヴァスに対するわだかまりを解消した。
ウェルキンス(ウーノ)
30代のスー・ベー・イルの王立陸軍特殊部隊員(大尉)。トラヴァスの部下&お目付け役。髪を刈り込んでいる。
ベルシュタイン・ケイン(イズマ)
20代のスー・ベー・イルの王立陸軍特殊部隊員。貴族。大叔母は華道の先生。ベゼル王国の貴族の1つであるベルシュタイン家の次期当主。
シュトラウスキー・メグミカ(メグ)
スー・ベー・イル出身。父親の仕事の関係でロクシェにやってきた。リリアより1つ年上だが同級生で親友。かなりのベゼル王室マニア。スピンオフ作『メグとセロン』のヒロイン。アサシンの末裔。
カルロ
ロクシェ連邦トルカシア国・ラーチカのストリートチルドレン。ボサボサの短髪でかなり胆が据わっている。10歳。トレイズ曰く「小生意気」。リリア達と出会った後に入れられた孤児院の中ではリーダー的存在で、他の子供からの信頼がとても厚い。行動力はかなりのもの。実は「カルラ」という名前の女の子。リリアと会ってからはさらさらのロングに憧れるようになり、将来はそういう風になると宣言した。
「小生意気なガキ」としてI〜IV巻、VI巻のあとがきとV巻巻末の短編で登場している。あとがき中でスピンオフが臭わされ、黒星紅白による成長したカルロも描かれている。
エリシア・ラウリー
ロクシェ首都の映画会社"ラウリー・プロダクション"の24歳の若き社長。部下から「お嬢」と呼ばれると怒る。正体は『アリソンII』で死亡したオーウェン・ニヒトーの娘クレア。フィオナ達に父が殺されたようなものであることからイクス王家に復讐を誓う。父の遺志を継いでイクス王家に伝わる「宝」を手に入れる為、イクス王国の記録映画の撮影を装って王国内を調査していた。
マティルダ(ヒルダ)
20歳、ベゼル王室の長女にして次期女王。メリエルと親しい。ロクシェ訪問の際、リリアと知り合い身分を隠したまま意気投合、友達になる。リリアとトラヴァスとの関係や、護衛の軍人の出自を見抜いたりと観察力や洞察力が鋭く、行動力も併せ持つ。身分と年齢が釣り合うような結婚相手が国内にいない事から、トレイズとの婚約話が密かにあがっている。トレイズに好意を抱いているらしい。
囚人四十二番(ウィーゼル)
スー・ベー・イル出身の連続殺人鬼。1〜18歳の可愛い男を狙うゲイであり、その男を様々な形で『愛した』後残酷な方法で殺害する異常性欲者(ただし悪人ではない無辜の女性に対しては紳士的に接する)。トラヴァス達の裏をかくほどの頭脳の持ち主。警察に捕まる前は医者をしており、周りから尊敬される人物だった。両親は自殺している。トレイズのことを性的な意味で気に入っている。監獄に入れられていた(懲役420年)が、ある人物の殺害を交換条件に秘密裏に釈放され、正体を隠してロクシェに向かう。作中では「ウィーゼル」という偽名を名乗る。リリアにトレイズの正体をバラす。
アニメ版ではゲイや異常性欲者などの設定はまるまる削除され、冷静沈着な性格の持ち主となっていた。
ベッサー公爵
スー・ベー・イル法務大臣。囚人四十二番を刑務所から出した。
トラヴァスの部下(イズマ、ウーノ、エド、オゼット)
アックスと同じ、トラヴァスの部下でスー・ベー・イルの軍人である4人の男達。それぞれ20代の男、30代の男、体格の立派な40代の男、小柄で隙のなさそうな40代の男と表記される。マティルダ王女護衛の任務に際してイズマ、ウーノ、エド、オゼットとトラヴァスに偽名をつけられた。
VI巻の終わりでトラヴァスが任務を離れチームが解散した後、イズマはマティルダ王女に気に入られ王室付きの任務に就き、ウーノ、エド、オゼットはかつてのオフィスで別れの酒を酌み交わす描写がある。
ルネ・ポクロット(キンスキー少佐)
王立陸軍テルト基地駐在時二等兵。トラヴァス少佐の後任。父親がロクシェ人であり、2言語使える。

既刊一覧[編集]

リリアとトレイズ

  1. I そして二人は旅行に行った〈上〉 (2005年3月10日刊行) ISBN 4-8402-2993-7
  2. II そして二人は旅行に行った〈下〉 (2005年5月10日刊行) ISBN 4-8402-3037-4
  3. III イクストーヴァの一番長い日〈上〉 (2006年3月10日刊行) ISBN 4-8402-3342-X
  4. IV イクストーヴァの一番長い日〈下〉 (2006年5月10日刊行) ISBN 4-8402-3427-2
  5. V 私の王子様〈上〉 (2007年3月10日刊行) ISBN 978-4-8402-3754-3
  6. VI 私の王子様〈下〉 (2007年4月10日刊行) ISBN 978-4-8402-3800-7

コミカライズ[編集]

シルフ」にて晴瀬ひろき作画で連載、全2巻。

脚注[編集]

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  1. ^ 電撃hp Volume.50. メディアワークス. (2007). ISBN 978-4-8402-4098-7.