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リョナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

リョナは、他者が物理的な暴力や拷問などの苦痛に晒されて苦悶の表情を浮かべたり、性的なニュアンスの悲鳴を上げたりするシチュエーションを指す。もしくは、そうした猟奇的なシチュエーションに対する性的嗜好を指すインターネットスラングである[1]

概要

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「リョナ」は、「奇作品によるオニー」を組み合わせて造語された「リョナニー」が語源である。次第に「リョナ」と略称され、転じて「猟奇的な性的シチュエーション[2]」の意味でも使われる。ほかにサディズムマゾヒズムに類する「猟奇的シチュエーションを愉しむフェティシズム」を指す場合もある。

「猟奇的作品によるオナニー」はリョナニー、「猟奇的な性的シチュエーション」「猟奇的な性的フェティシズム」はリョナ、がそれぞれ一般的で本記事もこれに基づく。

解説

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被害者が女性、性的虐待の要素が皆無ないしシチュエーション上でそれほど重要なウェイトを占めない、この2点が要件とされる[1]。被害者が男性の場合は「逆レイプ」同様に「逆リョナ」を用いる場合もあるが、リョナと逆リョナのどちらも加害者が異性であることは要件とされず[1]、そもそも人間ではない怪物を加害者とする描写も見られる。

サディズムとの違い
特にこの嗜好を持たない者から見た場合、女性に対する加虐行為がシチュエーション上の重要なウェイトを占めているように見えるためサディズムと区別し難いが、実際にこのシチュエーションを含むフィクション作品を好んで鑑賞する者は、本人にその自覚が無い場合を含み、加害者側でなく被害者の女性側へ感情移入しているケースが大半を占める、とされる[3]
リョナ作品の嗜好者は必ずしも他人に対する虐待願望があるわけではなく、「美少女になりたい」TSF的な性別変化願望と「残虐な状況に巻き込まれて犠牲者になりたい」他殺願望英語版が複合した嗜好、と考えられる[3]
類似するジャンル
近似のシチュエーションに、戦闘美少女や変身ヒロインが敵の攻撃で身動きが取れなくなったり連続攻撃を一方的に受けて窮地に追い込まれるシチュエーションのヒロインピンチ(「ヒロピン」)がある。ヒロピンとリョナとの間に明確な線引きはないが、全身を拘束されたり軽度の流血を伴う程度のものはリョナとして扱わず、広く定義する場合は「微リョナ」もしくは「ソフトリョナ」と称する。一方で、危機的状況からの逆転が不可能なまま絶望的なシチュエーションに至るものは、リョナに分類される[4]

語源

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スラングとして「リョナ」が成立した時期と経緯は明確で、2003年電子掲示板2ちゃんねるゲームサロン板に立てられたスレッド「【きゃあっ】萌える悲鳴のゲーム【あんっ】」が発祥とされる[1]。このスレッドは『バイオハザード』などホラー要素を含むゲームの描写がおもな話題となっていた。

当該スレッドの652番で、そうしたシチュエーションで女性が死に至る描写をおかずにするオナニーを「猟奇オナニー」と称すると、652番に対して略称の「リョナニー」が提案されて以降次第に省略が進んで「リョナ」となった[1]

当初は様々に用いられ、次第に「猟奇的作品によるオナニー」はリョナニー、「猟奇的な性的シチュエーション」「猟奇的な性的フェティシズム」はリョナ、へ収束して広く用いる。

定義

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語源の「猟奇」から単にグロテスクな描写が対象と解釈される場合も珍しくないが、リョナの場合は犠牲者となる女性側へ感情移入が大きい。

そのために

  1. 敗北して理不尽な状況に追い込まれる。
  2. 通り魔や怪物に目を付けられて理不尽な状況に追い詰められる。

の何れかに大別し得るシチュエーションが多い[4]

シチュエーション

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解釈は人それぞれだが、下記などに類するシチュエーションを含むことが多い。

  • 長期間の監禁や拘束を強いられるなどの精神的苦痛。
  • 敵に捕われて自白強要、場合により尋問者のサディズムなどの目的で拷問を受ける肉体と精神両面からの苦痛。
  • 暴力の応酬に晒されて死に至るか四肢切断などの回復不能な外傷、後遺症が残る。
  • 怪物の餌として生きたまま捕食される。

ジャンル化

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2010年代の前半から、商業作品でも成人向け漫画のキャッチコピーなどで「リョナ」を用いる事例が見られる。特に「闘うヒロインオンリー漫画雑誌」を編集方針に掲げたキルタイムコミュニケーションの『コミックヴァルキリー』(2006年 - 2012年ウェブコミック誌へ移行)はリョナやヒロピンの描写を含む作品を中心に掲載して[4]、掲載作品の惹句でも「リョナ」を多用することで知られる。

脚注

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  1. ^ a b c d e 鳥山仁 & 九瀬足波 2013, p. 54.
  2. ^ オナニーに通じるような「性的興奮を覚えるシチュエーション」。
  3. ^ a b 鳥山仁 & 九瀬足波 2013, pp. 54–55.
  4. ^ a b c 鳥山仁 & 九瀬足波 2013, p. 55.

参考文献

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  • 鳥山仁、九瀬足波『本当に正しいフェティシズム 性的嗜好大事典』三和出版、2013年。ISBN 978-4-7769-1070-1 

関連項目

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外部リンク

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