リック・アレン
| リック・アレン Rick Allen | |
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リック・アレン(2018年) | |
| 基本情報 | |
| 出生名 | Richard John Cyril Allen |
| 別名 | サンダー・ゴッド(The Thunder God) |
| 生誕 | 1963年11月1日(62歳) |
| 出身地 |
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| ジャンル | ハードロック、ヘヴィメタル |
| 職業 | ドラマー、視覚芸術家、慈善活動家 |
| 担当楽器 | ドラム |
| 活動期間 | 1978年 - |
| 共同作業者 | デフ・レパード |
| 公式サイト |
rickallen |
リック・アレン(Rick Allen、本名:リチャード・ジョン・シリル・アレン〈Richard John Cyril Allen〉、1963年11月1日 - )は、イングランド出身のドラマー、視覚芸術家、慈善活動家。1978年からイギリスのロック・バンド、デフ・レパードのメンバーとして活動している[1]。
1984年末の交通事故で左腕を失った後、足で操作する電子ドラムを取り入れた奏法を確立し、1986年にステージへ復帰した[2]。2019年にはデフ・レパードの一員としてロックの殿堂入りを果たした[3]。ファンからは「サンダー・ゴッド(The Thunder God)」の愛称で呼ばれる[4]。
来歴
[編集]生い立ちとデフ・レパード加入
[編集]ダービーシャーのドロンフィールドに生まれた。9歳ごろからドラムを始め、ジョー・コッカーと活動したドラマー、ケニー・スレイドから基礎を学んだ。シェフィールドまでバスで通ってレッスンを受ける一方、複数の地元バンドで演奏した[5]。
1978年、デフ・レパードの初代ドラマー、トニー・ケニングの脱退後に掲載されたドラマー募集の記事を母親が見つけ、アレンに応募を勧めた。オーディションを経て同年11月末、15歳で正式メンバーとなった[5][6]。翌1979年には学校を辞め、音楽活動に専念した。バンドは同年、サミー・ヘイガーやAC/DCの公演で前座を務めた[6]。
アレンは1980年のデビュー・アルバム『オン・スルー・ザ・ナイト』、1981年の『ハイ&ドライ』、1983年の『炎のターゲット』に参加した。とりわけ『炎のターゲット』の成功により、デフ・レパードは国際的な知名度を獲得した[6]。
交通事故と復帰
[編集]1984年12月31日、アレンはシェフィールド西方のA57号線付近で自動車事故を起こした。運転していた車が石垣に衝突して野原へ転落し、車外へ投げ出された際に左腕を切断する重傷を負った。病院では切断された腕を接合する手術が行われたものの、感染症のため再切断を余儀なくされた[2][7]。
入院中、ベッドの足元に置かれた発泡材を音楽に合わせて両足で叩いたことから、足で左手の役割を補う着想を得た。電子機器に詳しかった友人ピート・ハートリーが足で操作する電子ペダルの試作機を製作し、シモンズ社の電子ドラムを組み合わせた専用システムへと発展した[4][5][7]。デフ・レパードのメンバーはアレンを正式に交代させることを真剣には検討せず、復帰の可否を本人に委ねた。アレンは右手と両足を用いる奏法を練習し、バンドのスタジオ作業へ戻った[4]。
1986年8月、デフ・レパードはアイルランドで小規模な公開リハーサル公演を行った。当初はステイタス・クォーのジェフ・リッチが補助ドラマーとして同行したが、リッチの到着が遅れた公演やステージの広さが限られた公演では、アレンが単独で全編を演奏した[7][4]。同年8月16日、ドニントン・パークで開催されたモンスターズ・オブ・ロックへの出演により、本格的なステージ復帰を果たした[2]。
事故前から制作されていた『ヒステリア』は1987年に発売された。アレンはその後もデフ・レパードの録音とツアーに参加し続け、2019年にはバンドの一員としてロックの殿堂入りした[1][3]。
演奏法と機材
[編集]復帰当初のドラム・セットでは、シモンズのSDS9電子パッドと、左足側に配置した4基の「Shark」ペダルを使用した。ペダルでスネア、エフェクト処理されたスネア、2種類のタムの音を発音し、右手および右足による演奏と組み合わせた。各パッドとペダルはAKAI S900サンプラーに接続されていた[8]。
アレンは1988年の『Modern Drummer』のインタビューで、ライブ演奏で録音済みのテープやドラムマシンに依存しているという見方を否定し、音は自身の演奏によってリアルタイムに発音していると説明した[4]。
当初は全面的な電子ドラムを使用していたが、1990年代半ば以降はアコースティックのドラムやシンバルも再導入し、電子トリガーと組み合わせたハイブリッド構成へ移行した[1][8]。2025年の『MusicRadar』の記事では、発音用ソフトウェアとしてNative Instrumentsの「Battery」、トリガー変換に「APTrigga」を使用していると紹介され、電子・ハイブリッドドラム奏法の先駆者の一人に挙げられた[8]。
慈善活動と芸術活動
[編集]2001年、アレンは妻のローレン・モンローとともに非営利団体「レイヴン・ドラム財団」(Raven Drum Foundation)を設立した。音楽、ドラムサークル、芸術活動などを補完的なケアと組み合わせ、トラウマや危機的状況にある人々を支援することを目的としている[9][10]。
2006年にウォルター・リード陸軍医療センターを訪問して負傷兵と交流したことを契機に、財団は退役軍人やその家族への支援を重点化した。アレン自身も事故後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を経験したとして、ウーンデッド・ウォリアー・プロジェクトなどと協力し、「プロジェクト・レジリエンシー」を通じて退役軍人や緊急対応従事者の支援に携わっている[5][11]。
音楽活動と並行して、写真、ライトアート、絵画を組み合わせたミクストメディア作品も制作している。リズムから着想した抽象作品を特徴とし、2021年には「Wings of Hope 2021」と題した個展を開催した[12]。
私生活
[編集]2003年、歌手、ソングライター、ヒーリングアート実践者のローレン・モンローと結婚した。2人は音楽や慈善事業でも共同活動を行っている[13]。
1996年、前年に当時の妻へ暴行した件について有罪を認め、社会奉仕活動、カウンセリング、アルコホーリクス・アノニマスへの出席などを命じられた[14]。
2023年3月、アメリカ・フロリダ州フォートローダーデールのホテル前で、走ってきた男に突き倒され、頭部を負傷した[15]。2025年には、この事件によるトラウマが続いており、デフ・レパード以外のプロジェクトを一時的に休止していたと述べている[16]。
ディスコグラフィー
[編集]デフ・レパード名義の作品については「デフ・レパードのディスコグラフィー」を参照。
脚注
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 “Rick Allen” (英語). Def Leppard. 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 3 増田勇一 (2022年4月14日). “デフ・レパードのリック・アレン:片腕を失っても、それを乗り越えたドラマーの軌跡と友情の物語”. uDiscoverMusic日本版. 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 “Def Leppard” (英語). Rock & Roll Hall of Fame. 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “Def Leppard's Rick Allen: Perseverance” (英語). Modern Drummer (2011年12月16日). 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 3 4 Wilner, Paul (2019年1月3日). “Def Leppard's Rick Allen picked up his life – and his sticks – after a shattering car accident. He's still playing, with a mission to help veterans”. Monterey County Weekly (英語). 2026年7月14日閲覧.
- 1 2 3 “Band” (英語). Def Leppard. 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 3 “"I wondered if I was insane for wanting to do this": How Def Leppard drummer Rick Allen learned to play again after losing his left arm” (英語). Def Leppard. 2026年7月14日閲覧。
- 1 2 3 Williams, Stuart (2025年8月29日). “Electronic drumming pioneers: 11 trailblazing players who raised the bar for electronic and hybrid drumming” (英語). MusicRadar. 2026年7月14日閲覧。
- ↑ “Humanist” (英語). Rick Allen. 2026年7月14日閲覧。
- ↑ “Raven Drum Foundation” (英語). Raven Drum Foundation. 2026年7月14日閲覧。
- ↑ “Rocker Rick Allen Talks PTSD with Wounded Veterans” (英語). Wounded Warrior Project. 2026年7月14日閲覧。
- ↑ McCann, Adron (2021年12月8日). “Def Leppard drummer Rick Allen has new solo art exhibition at Phipps Plaza” (英語). WABE. 2026年7月14日閲覧.
- ↑ Goldsmith, Margie. “Q&A: Def Leppard Drummer Rick Allen”. Business Jet Traveler (英語). 2026年7月14日閲覧.
- ↑ “People” (英語). United Press International. 1996年8月7日. 2026年7月14日閲覧.
- ↑ St. Martin, Emily (2023年3月17日). “Def Leppard drummer Rick Allen attacked by teen in Florida”. Los Angeles Times (英語). 2026年7月14日閲覧.
- ↑ “デフ・レパードのリック・アレン、2年前の暴行事件で抱えることになったトラウマについて語る”. NME Japan (2025年4月23日). 2026年7月14日閲覧。