リゾートエクスプレスゆう

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リゾートエクスプレスゆう

リゾートエクスプレスゆうは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が1991年以降に保有している鉄道車両電車)で、ジョイフルトレインと呼ばれる車両の一種である。

当編成の電源車として同時改造されたマニ50 2186についても本項で解説する。

概要[編集]

JR東日本東京地域本社水戸支社で共通使用するジョイフルトレインとして、1991年サロ183形・189形481形を種車に4両が大井工場で、2両が大船工場で改造され、勝田電車区に配置された。編成番号はK30。また非電化区間への直通運用を考慮し、50系客車荷物車から専用電源車への改造も施工された。

1998年に内装を和式化し、引き続き常磐線系統を中心に各種の臨時列車団体専用列車に使用されている。

車両[編集]

本節では落成当初の車両仕様について記述する。

種車から再用されたのは空気ブレーキ装置・電動発電機(MG)・空気圧縮機(CP)・連結器等の一部部品のみで、車体は同時期製造の651系電車をベースにした裾絞りタイプの普通鋼製が東急車輛製造で新製された。履歴簿上は余剰グリーン車からの改造名義ではあるが事実上新製に近い。制御装置などの走行機器に485系の廃車発生品が使用されたことと三電源対応車であることなどから485系の形式番号が付与された。

側面窓には大型の連続窓が採用された。車両前面はセンターピラーの幅を広げた上で縦長の電照式ヘッドマークとした。センターピラーの下には縦型2灯式の前照灯を設置し、その両側に尾灯兼用のLED標識灯を配した。

集電装置(パンタグラフ)はモロ484に1基搭載するが、中央東線などの狭小トンネル断面線区へ入線可能とするため取付部分の屋根を一段低くしたほか、信越本線横川 - 軽井沢間を通過するための通称「横軽対策」も施工された。

MG・CPは重量均等化の見地からクロ484形・サロ485形に搭載している。

リゾートエクスプレスゆう 編成
K30
← 上野
勝田 →
号車 1 2 3 4 5 6
車番 クロ484-2 モロ484-3 モロ485-1 サロ485-1 モロ484-2 クモロ485-2
種車 サロ183-1008 サロ189-8 サロ189-6 サロ481-1002 サロ189-7 サロ189-5
定員 21人 39人 33人 イベント車 39人 21人
施工 大船 大井 大船 大井

コンセプト[編集]

水戸鉄道管理局時代から運用されてきた和式客車スロ81形・スロフ81形ふれあい」の後継編成であると同時に、首都圏のジョイフルトレインの新しいシンボルとして「コンフォートクオリティ」を目指した。電源車を除いて全車両がグリーン車扱いである。

外部塗色はフュージョンベージュをベースカラーとし、窓周りにフィロスブラウンを配し、窓上にアクセントとしてペパーミントグリーンのピンストライプが入る。

登場時の先頭車[編集]

1号車・6号車。

乗務員室の後部にはフリースペースの展望室とし4人がけのソファーが配された。この部分の側面に、高さ930mm・幅2240mmの大型窓を配した。

客室内は通路を片側に寄せた上で1人がけと2人がけを千鳥式の配置。座席は45度刻みで360度回転が可能なリクライニングシートとなっており、座席の向きを変更することによりさまざまなレイアウトを構成することが可能である。

中間車[編集]

2号車・3号車・5号車。

客室内は1人がけと2人がけの座席を2列-1列の配置とした。座席は1号車・6号車と同様とした。

イベント車[編集]

サロ485-1 車内
サロ485-1
車内

4号車。

本車両は定員外のフリースペースとして、フロアとドーム室で構成されている。フロア部分にはステージ、サービスカウンター、AVコントロール室が設置され、「走るディスコ」という演出を行なった。壁面には合計10脚の折り畳み座席(ジャンプシート)が設置されている。

ドーム室はサービスカウンターの脇から階段を上るように設けられ、1人がけリクライニングシートを10脚配置している。ドーム室の照明は足元のみ(フットライト)として、夜景の鑑賞に配慮している。

電源車[編集]

電源車 マニ50 2186

水郡線など非電化区間直通運転時のサービス電源供給用電源車として、大宮工場でマニ50 2186を改造した。鉄道ファンからは通称「ゆうマニ」と呼ばれる。水郡線営業所に配置されている。改造の内容を以下に示す。

  • 外部塗色は「ゆう」編成と同一の配色とした。
  • 荷物室の半分はディーゼル発電機三相交流270kVA/440V)を収容する機械室に転用し、機械室側は荷物扉を撤去して通風孔と採光窓を設けた。
  • 荷物室の荷重は8tに減少したが、車両記号の変更はない。
  • 非電化区間では機関車の次位に本車を連結するため、連結器は電車・機関車のどちらとも連結できる双頭連結器に交換。

双頭連結器・電源供給設備の機能を活用できることから、配給輸送廃車回送など電車編成を機関車で牽引する際の控車としても頻繁に使用されている。

増結用車両[編集]

「90年代観光振興行動計画(TAP90's)」に基づく「栃木・群馬観光立県推進地方会議」の視察団が利用する臨時列車「臨時特急ほのぼの号」が1995年5月12日に信越本線中軽井沢 - 高崎間で運転された際に、増3号車として長野総合車両所サロ489-1051を「ゆう」と同色に塗り替え、編成に組み込んだ。

運用[編集]

常磐線を主とする臨時列車・団体列車で多く運用されているが、過去に「シュプールゆう白馬号」として大糸線南小谷駅に入線した実績もある。

後年の輸送事情の変化により、1998年に「お座敷車両」への再改造が行われた。外観や名称の変更はなく、4号車の定員外スペースは従前のままとされた。

福島デスティネーションキャンペーン開催に合わせて2015年4月4日・11日に臨時快速列車「つながーるふくしま号」(横浜駅 - いわき駅間、上野東京ライン経由)が本系列で運転される予定だったが、「運用上の課題」を理由に651系に変更された[1]

参考文献[編集]

  • 鉄道ジャーナル通巻297号(1991年7月号)「JR東日本 RESORT EXPRESS ゆう デビュー」
  • 鉄道ジャーナル通巻310号(1992年8月号)「リゾートエクスプレスゆう 奥久慈へワンデイハイク」

外部リンク[編集]