リゾートしらかみ

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リゾートしらかみ
Resort-Shirakami trains at Noshiro.jpg
能代駅に停車中の2代目「青池」編成と「くまげら」編成
(2016年10月21日撮影)
概要
種類 快速列車(臨時列車扱い)
地域 秋田県の旗 秋田県青森県の旗 青森県
運行開始 1997年平成9年)4月1日
運営者 JR logo (east).svg東日本旅客鉄道(JR東日本)
路線
起点 秋田駅
終点 弘前駅青森駅
使用路線 奥羽本線五能線
技術
車両 キハ40系気動車秋田車両センター
HB-E300系気動車(秋田車両センター)
軌間 1,067mm
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この記事の「橅編成」(ぶなへんせい)の1文字目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。
2代目「青池」編成(2011年8月7日 秋田駅)
2代目「青池」編成(2011年8月7日 秋田駅)
2代目「橅(ブナ)」編成(2016年7月16日 秋田駅)
2代目「橅(ブナ)」編成(2016年7月16日 秋田駅)
「くまげら」編成(2016年10月21日 秋田駅)
「くまげら」編成(2016年10月21日 秋田駅)

リゾートしらかみは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が秋田駅 - 弘前駅青森駅間を奥羽本線五能線経由で運行している臨時快速列車。なお、本項では、当列車の前身である「ノスタルジックビュートレイン」および冬季以外で車両検査時に運行される「海彦・山彦号」およびその後継列車である「五能線クルージングトレイン」についても併せて記述する。

なお、2014年3月15日のダイヤ改正で快速「深浦」が廃止されたため[1]、翌日以降は当列車が五能線から青森駅まで直通する唯一の列車となっている。

運行概況[編集]

当初から夏季は毎日運転でありながら、列車番号は臨時列車扱いとなっている。冬季については、土曜日休日と一部の日のみ運転する。なお、2号と5号[注 1]は冬季運休するが、2010年度は12月4日の東北新幹線新青森開業に関係して、新型ハイブリッド気動車HB-E300系を使用した「青池」を運行する[2]

全車指定席。2号車は4人がけのボックス席で、マルス端末で発行する際はフロア指定(B室)をする。ただしフロア指定をしなくても、ボックス席が発行されることがある。 2002年11月以前は「リゾートしらかみ (B)」という別の列車名で登録されていた。

海沿いを走る岩館駅 - 大間越駅間、大戸瀬駅 - 北金ケ沢駅間の一部区間では徐行運転を行う。また、千畳敷付近においても徐行が行われるほか、2号及び3号は千畳敷駅に15分間停車し、停車時間中に千畳敷海岸を散策することが可能である。

1号と3号の鰺ケ沢駅五所川原駅間の先頭車と2号の五所川原駅⇒鰺ケ沢駅間の3号車では「津軽三味線」の演奏が[注 2]、土曜休日の3・4号の陸奥鶴田駅 - 川部駅間先頭車では「津軽弁語り部体験」が行われる。

当列車は日本海沿岸を運行するため、荒天時、荒天が予想される時は全区間または一部区間運休となる(一部区間運休の場合、スケジュールと一部異なる車両が充当されることもある)。また1・4号は五能線内で徐行運転などを行い遅れた場合、弘前駅 - 青森駅間が運休となることがある。

各列車には記念スタンプが備えつけられている。

日本レストランエンタプライズ (NRE) 秋田営業支店により車内販売が行われており、駅弁や乗車記念グッズなども販売している。車内販売の支払いにはSuicaを利用できる。

かつて「晩酌セット」(価格:1000円(税込)・あきた白神駅前にある八森いさりび温泉 ハタハタ館で調理)が、4号で提供されていた。川部駅→鰺ケ沢駅間で、検札に来た車掌に専用申込書(車両内にあり)を渡すと、あきた白神駅から積み込みされ、座席にて支払いとともに商品を引き換えるという形であった。5号でも「晩酌セット」を注文できたが、この場合は各自で「八森いさりび温泉 ハタハタ館」に当日14時までに予約が必要であった。現在は車内提供という形ではなくなったがあきた白神駅に届けに行き、お客が各自で支払う形で提供されている(2日前までに要予約。一部列車のみ)。

停車駅[編集]

  • 凡例
    • ●:停車駅
    • ◇:運転停車駅(乗降不可)
    • ◎:季節停車駅(2号と3号のみ)
    • |:進行方向に通過
    • =、×:経由せず
  • 使用編成は時期により異なり、毎月発売される「JR時刻表」やパンフレットおよびJR東日本秋田支社公式サイトに記載されている(「外部リンク」参照)。
号数 1・2号 4・5号 3・6号
奥羽本線 秋田駅
追分駅
八郎潟駅
森岳駅
東能代駅(方向転換)
五能線
能代駅
あきた白神駅
岩館駅
十二湖駅
ウェスパ椿山駅
深浦駅
千畳敷駅
北金ケ沢駅
鰺ケ沢駅
陸奥森田駅
木造駅
五所川原駅
陸奥鶴田駅
板柳駅
川部駅(方向転換)
奥羽本線
弘前駅(方向転換)
新青森駅
青森駅 ×
  • 信号システムの関係上、列車交換がなくても北金ケ沢駅に運転停車する。

使用車両[編集]

編成図
リゾートしらかみ
← 秋田・青森
弘前・東能代 →
HB-E300系
(青池編成)
1 2 3 4
HB-E300系
(橅編成)
1 2 3 4
B
キハ40系
(くまげら編成)
1 2 3 4
  • 全車両禁煙、喫煙ルームも無し。
  • 五能線内、普通車指定席A席・ボックス席A,D席は海側に面する席となる。
座席種別凡例
指=普通車指定席
ボ=ボックス席(指定席)
B=ORAHOカウンター(ビュッフェ)
  • キハ40系改造の専用車両 - それぞれ以下の名称がある。
    • 「青池」編成(1997年3月22日より4両編成で運転、2006年3月18日3両編成化) - 2011年に2両編成に組成され、「CRUISING TRAIN」として他線区の臨時列車団体列車などで運用されている[3]。また、2012年7月以降、「リゾートしらかみ」車両の検査時には代走として、「五能線クルージングトレイン」という列車名で運転されている(従来の「五能線海彦山彦号」に相当する列車である)[4]
    • 「橅(ブナ)」編成(2003年4月より運転) - 2011年に青池編成の中間車(キハ48 1543)を転用して、4両編成化された[注 3]。なお、車体の深緑色は白神山地をイメージしたものである[5]
    • 「くまげら」編成(2006年3月18日より運転・中間車1両は青池編成から転用)- 2011年に一般車(キハ48 1503)を東北本線陸羽東線で運行されている観光列車「リゾートみのり」編成に準じた改造を施し、4両編成化された。
  • HB-E300系気動車 - ハイブリッドシステム搭載。
    • 2代目「青池」編成(4両編成1本) - 2010年12月4日ダイヤ改正から運行開始[6][7][8]
    • 2代目「橅(ブナ)」編成(4両編成1本) - 2016年7月16日から運行開始。3号車に「ORAHOおらほ」カウンターを設けた。

観光体験メニュー[編集]

当列車では駅での停車時間にイベントを実施したり、駅の外を散策できるほか、地元とタイアップした観光体験メニューを多数用意している。

年度や季節により実施内容が異なるので、詳細はJR東日本秋田支社の公式サイトもしくは専用冊子を参照。

停車中に駅近隣の観光スポットを散策できる駅[編集]

  • 千畳敷駅(2号と3号のみ) - 駅自体は1面1線で列車交換等はないが、駅前の千畳敷海岸を散策してもらうため、長時間停車[注 4]が設けられている。

駅構内で実施するイベント[編集]

  • 「バスケの街のしろ」駅ホームでバスケットボールシュート体験(能代駅停車中、1号・3号のみ[注 5]
  • 木工パズル体験(能代駅停車中、1・3号のみ)

観光体験(主なもののみ)[編集]

下記は地元の観光団体や商工業者が実施する観光体験で、直接の申込が必要なものが多い。また、下車後、バスタクシーに乗り継ぐ必要があるものがほとんどである。いずれも時間帯の都合で利用できる列車が限られるが、いずれも「リゾートしらかみ」以外の交通手段でも訪問できる。

海彦・山彦号[編集]

  • 毎日運転する夏季は3本の編成をフルで運用するが、車両検査の都合で5・2号が運休[注 6]となる際に運転されるのが海彦・山彦号(うみひこ・やまひこごう)である。
  • 秋田車両センター所属のキハ40系国鉄色2両が使用され、全車自由席として運転される。
  • 2008年6月に運転された際は、秋田駅 - 鹿角花輪駅間の快速で使用されていたキハ58形・キハ28形気動車アコモ改造車2両が充当された。この時は1両が指定席であった。その後このアコモ改造車は廃車された。
  • 2012年夏季より、海彦・山彦号に代わり、旧青池編成の「クルージングトレイン」を使用した快速「五能線クルージングトレイン」が運転されている。

沿革[編集]

「ノスタルジックビュートレイン」(1992年)
  • 1990年平成2年)4月21日:秋田駅・東能代駅 - 弘前駅間を観光列車として、50系客車改修してノスタルジックビュートレイン」を運転開始。
    設定当時より、定期列車のダイヤを利用して運行された。そのため「ノスタルジックビュートレイン」には自由席車が連結されていた。
    • 各駅停車に関しては、東能代駅発。快速列車に関しては秋田駅発。
    一時は、冬季間もポリ塩化ビニル製の透明のシートで展望室部分を覆うものの、海からの強風には勝てず冬期の運行は行われなくなった。
  • 1996年(平成8年)11月10日:「ノスタルジックビュートレイン」運転終了。
初代「青池」編成(4両時代)
  • 1997年(平成9年)4月1日秋田新幹線開業に伴い、眺望気動車による「リゾートしらかみ」に変更。当時は「青池」編成(愛称はCRUISING TRAIN Resort SHIRAKAMI) のみで、前面のロゴも「CRUISING TRAIN Shirakami」となっていた。
    「リゾートしらかみ」に変更したことにより、全席座席指定席化。
  • 1999年(平成11年)4月1日:蜃気楼ダイヤ開始。秋田駅10:00発、弘前駅14:23着(冬季)、15:52着(夏季・蜃気楼ダイヤ)。折り返しの上りが、弘前駅16:07発、秋田駅19:59着。
  • 2001年(平成13年)12月1日:ウェスパ椿山駅の開業により艫作駅から同駅に停車駅を変更。
初代「橅」編成(2010年10月6日 秋田駅)
  • 2003年(平成15年)4月1日:東北新幹線八戸駅開業に伴い、運行本数を2往復に増やすため、「橅(ブナ)」編成が登場。
  • 2003年・2004年の冬期は、12月から翌年2月までの土曜・休日は「1・2号」のみ、増発日のみ「1 - 4号」で運転していたが、2005年冬期は再び1往復での運転となる。
  • 2004年(平成16年)
  • 2005年(平成17年)
    • 6月12日横手駅開業100周年を記念して、横手駅発着の運転が行われる(9:25発)。
    • 11月30日:「くまげら」編成の導入決定に伴い、「リゾートしらかみ3号」が「さようなら蜃気楼ダイヤ」号として運転。当初は29日も運転予定であったが、強風で五能線内が全線バス代行となったため運転されなかった。
  • 2006年(平成18年)
    初代「青池」編成(3両時代)
    • 3月18日:「青池」「橅」に続く第3編成「くまげら」が運転開始(「青池」編成が4両→3両化され、減車されたキハ48形1521号は「くまげら」編成に転用)。
    • 10月24日NHKラジオ第1放送音の風景』で、当列車内の様子が放送される。
  • 2007年(平成19年)4月1日:岩館駅を停車駅に追加。
  • 2010年(平成22年)
    • 月日不詳:既存の編成に自動放送装置設置、使用開始。アナウンスは、新幹線同様に日本語を堺正幸が担当[要出典]
    • 11月28日:1・4号の運用をもって、初代「青池」編成の営業運転を終了。
    • 12月4日:東北新幹線が新青森駅まで開業したことに伴い、新青森駅に新規停車。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日東日本大震災発生により、この時点で運行を終了した1号と2号を除く列車と3月12日から4月22日までの全列車が運休[注 7]
    • 4月23日:JR各社と青森県が共同で展開する「青森デスティネーションキャンペーン」が始まったことを受け、全列車で運行再開。
  • 2012年(平成24年):運行開始から15年を迎えたことから、各車両の先頭部と最後部に「リゾートしらかみ 15th」のステッカーが貼られていた。
  • 2014年(平成26年)3月15日:この日実施のダイヤ改正[1]で、上り2号の「千畳敷駅」への季節停車が開始。下り1・3号」の能代駅停車時間を拡大。快速「深浦」廃止に伴い、五能線から青森駅に直通する唯一の列車となった。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:北海道新幹線開業に伴い、車内チャイムをオリジナルのチャイムに変更。
    • 7月15日:1・4号の運用をもって、初代「橅」編成の営業運転を終了。翌16日より、2代目「橅」編成が運用を開始。

蜃気楼ダイヤ[編集]

蜃気楼ダイヤとは、1999年(平成11年)から2005年(平成17年)までの夏季限定で運行されたダイヤの愛称。観光駅に当たる、あきた白神駅・十二湖駅・ウェスパ椿山駅・深浦駅の4駅の中から好きな駅でいったん下車し、観光の後、再び同じ列車で目的駅へと向かう。あきた白神駅については運転上、岩館駅まで無料送迎車で向かっていた。

時刻表には、深浦駅で3時間停車の掲示か、列車の直通の記号を用いて表示されているが、深浦駅で数分止まった後、岩館駅まで引き返し、十二湖駅・ウェスパ椿山駅の乗客を乗せて、深浦駅に向かう。指定席券は、目的地までの乗車券・指定席券であれば、特例で途中下車できるようになっていた。

2006年(平成18年)春から「くまげら」編成投入により、「リゾートしらかみ」が3往復体制での運行になったために、この蜃気楼ダイヤでの運行はされなくなった。

西村京太郎推理小説『五能線の女』では、このダイヤをトリックとして使用した。2006年(平成18年)12月16日テレビ朝日の『西村京太郎トラベルミステリー』シリーズで映像化された。放送された時点ではすでに蜃気楼ダイヤでの運転はしていなかったので、番組の最後でその旨の字幕が表示された。

五能線全線開通80周年記念の一環として、2016年7月13・14日に「リゾートしらかみ蜃気楼号」を運転、蜃気楼ダイヤが復活する[9]

その他[編集]

  • 下り5号で新青森駅・青森駅に行く場合、川部駅で奥羽本線下り普通青森行きに乗り換えた方が早く到着する。
  • また、青森駅・新青森駅から上り4号を利用して板柳駅以遠に行く際、発車時間に間に合わない(乗り遅れた)場合でも直後の奥羽本線上り普通弘前行きに乗れば川部駅で追いつける。また、上り4号が「青森 - 新青森間」が区間運休した場合で板柳以遠の区間を利用する場合、(定刻で)直後の奥羽本線上り普通弘前行きに乗車し、川部駅で乗り換える様に案内される事もある。
  • 上り6号のみ、弘前 - 鰺ケ沢の区間内に限り、別途指定席券を購入すれば、定期券でも乗車できる。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2013年度は3号と6号。
  2. ^ 「青池」編成では、三味線演奏の模様が、他号車の車内モニターでも流される。
  3. ^ キハ48 1543は、秋田総合車両センターフェア2010において改造途中(仕上げの段階)が一般公開された。
  4. ^ 停車時間はホームページ、パンフレットならびに1車掌の放送で告知され、発車3分前に汽笛の合図がある。なお、2012年夏季の停車時間は所定15分となっている。きっぷについては、形式上駅から出る(途中下車する)ことになるが、体験イベントのひとつのため、乗車券、指定券はそのまま有効とされる。
  5. ^ シュート体験の模様は車内展望デッキ付近にある液晶モニターで流されているほか、NHKで放送された『にっぽん木造駅舎の旅』の能代駅の回でも放送されていた。
  6. ^ 運行ダイヤは「しらかみ」と同じ。運転日は要問合せ。
  7. ^ 運転再開の記述は4月6日午前のNHK仙台の震災関連ニュース、および川部駅の掲示物から。

出典[編集]

  1. ^ a b “2014年3月ダイヤ改正について” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道秋田支社, (2013年12月20日), http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20131220-5.pdf 2014年9月16日閲覧。 
  2. ^ “冬の増発列車のお知らせ” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2010年10月15日), http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101008.pdf 2014年9月16日閲覧。 
  3. ^ 「リゾートしらかみ/青池」先頭車が「クルージングトレイン」に - 交友社鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2011年2月7日
  4. ^ “夏の増発列車のお知らせ” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道秋田支社, (2012年6月8日), http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20120608.pdf 2014年9月16日閲覧。 
  5. ^ GAE. 「知識王」シリーズ トレインマスター. (GAE). ニンテンドーDS. シーン: クイズパート. レベル/エリア: 車両問題、内部レベル3. (2008-01-10)
  6. ^ JRがリゾート新型車両を公開 青森、秋田走るしらかみ」 『47NEWS』 2010年9月24日
  7. ^ リゾートしらかみ新型「青池編成」公開/JR東日本[リンク切れ]陸奥新報ウェブサイト 2010年9月25日
  8. ^ レイルマガジン』327号P.134 2010年10月22日、ネコ・パブリッシング
  9. ^ 夏の増発列車のお知らせ - JR東日本秋田支社(2016年5月20日/2016年6月29日閲覧)

関連項目[編集]


外部リンク[編集]