リカバリー領域

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リカバリー領域(リカバリーりょういき)とは、オペレーティングシステム(以降OS)がプリインストールされたパーソナルコンピュータ(以降PC)において、内蔵ハードディスクドライブ(以降HDD)に設けられた、OSのリカバリー(再インストール)のための領域を言う。本項では本領域を用いたリカバリー方法についても言及する。

目的と利点[編集]

付属OSとその他の付属ソフトのために、複数枚のCDを添付することが避けられ、製造コストを下げることができる。2000年前後に、リカバリーCDを省略する目的でコストを削減し、購入者が初回起動時に内蔵CD-R/RWドライブユニット(最近の場合では主に内蔵DVDマルチライティングドライブユニットが中心)を利用して、新しいCD-RメディアにリカバリーCDを作成する仕組みのPCが出てきたが、この仕組みの不合理性を受けて、2001年頃から、HDDにリカバリー領域が設けられるようになって来た。リカバリーCDやリカバリーDVDのように紛失することは無く、中古市場においても利点となり得る。リカバリーCDやリカバリーDVDと比較して、(理論上)短時間でリカバリー作業が終了する。

モバイル用ノートPCやネットブックには基本的にCD/DVDドライブが内蔵、付属されていないため、リカバリーCD/DVDを使用することができない。よってHDD内にリカバリー領域を用意する必要がある。

基本的な仕組み[編集]

2001年頃のパソコンから採用されるようになった仕組みで、2008年以降に市販されるようになったパソコンでは一般的になっている[1]。 PCの内蔵HDDは、通常一つないし二つのパーティションに分割して出荷されるが、リカバリー領域は更にもう一つのパーティション(いわゆる隠しパーティション)として用意される。一般的にはWindowsからは通常見えないようになっている[1]。リカバリーが必要になった場合のみ、電源投入直後に特定のキーの組合せでリカバリー機能を呼び出す(例としてNEC製のWindowsプリインストールPCの場合、電源投入直後にF11キーを数回または数秒間押す)ことによって、リカバリー領域からリカバリーシステムを起動できる。 一部リカバリーを起動する為の専用のディスクを必要とする機種もある。

弊害(デメリット)[編集]

Windows利用者にとっての問題[編集]

  • リカバリーディスク添付のような、目に見える形で提供されていないため、その存在を認識できない利用者もいる。10年以上を経て、実際に正常動作しなくなったWindowsのリカバリーを行おうとして、はじめてディスクが無いことに気づくという事例が多々報じられている。
  • リカバリーシステムの発展とは裏腹に、Windowsのクリーンインストールは煩雑な作業が必要なため、リカバリーディスクが無いからと現行のOSを購入し、導入過程で行き詰まる例も多い。(たとえばグラフィックドライバーが自動導入されないため、「文字が大きくなった」,「インターネットに繋がらなくなった」といった相談例がある)
  • 本体のHDDの中にリカバリーに必要なデータを収納しているため、HDDが故障した場合に、消費者側で市販のHDDを購入し交換するといった方法では復旧が行なえない。故障に限らずHDDの交換には注意する必要がある。
  • HDD内のリカバリーに必要なデータが、消失又は誤って消去した場合に、復旧が行なえなくなる。
  • CD-RやDVD-RはプレスCD/DVDに比べて紫外線等の影響を受けやすく、作成したリカバリーディスクが読み出せなくなってリカバリーできなくなる場合がある。そのため出来るだけ安心できる光学メディアを利用することが望ましい。
  • 不注意な消費者にとっては、内蔵のHDDが機械的に故障した時点で、そのパソコンの寿命が終わってしまうに等しい。Windowsのライセンスは通常、ソフトウェアを供給するディスクとプロダクトキーは二つで一対として機能するように定められている。正規Windows搭載製品を購入しても、HDD上からWindowsブートパーティションとリカバリー領域がなくなり、リカバリーディスクが用意されていない場合、プロダクトキーが残っていても、これは無効なものとなるよう定められている。ゆえに、同型機からリカバリーディスクやリカバリー領域のイメージファイルを調達したとしても、これはライセンス違反であり、Windowsを盗んできて使うのと等価と考えられる。同型機を複数購入した事業所なども、厳密には各機別途リカバリーディスクの作成が必須となる。このためビジネスモデルではリカバリーディスク添付の場合がある。
  • リカバリー領域を失った場合に備えて、メーカーがリカバリーディスクをメーカーオプションとして用意しているものの、生産枚数や出荷からの経過年数によって、いずれ供給が停止されることになる。2012年現在、WindowsXP,Vista世代のPCのリカバリーディスクは供給停止となっている場合が多く、HDD故障などの致命的な問題から、リカバリー不能となり、別途OSを調達する必要が生じる。(こういった被害者はネットオークションなどの不確かな経路から同OSの入手を試み、結果的に海賊版などのライセンス違反や、単純に商品が送付されないといった悪質なネットオークション詐欺の被害者になる場合もある)
  • リカバリー領域仕様だからといってリカバリーディスク作成機能が必ずしもパソコンにインストールされている訳では無い。近年ではCD-ROMドライブ搭載のパソコンやネットブックパソコンなどがそういう仕様な場合が多い。メーカーによってはディスク注文が可能な場合もあるが、サポートされていない場合は研究家のブログを参考にし海外のサポートホームページにてドライバーなどを入手して作成機能をインストール出来る場合もある。ただし、こうした行為は改造にあたるので自己責任で行うことになる。一番安全な方法としてはHDDからHDDへコピー出来るツールを利用するとよい。
  • ごく一部の付属リカバリーディスク作成ソフトウェアにはリカバリー領域が壊れていても残ってはいることを前提にしCドライブ・Dドライブ・リカバリー領域と分けられるが、HDDそのものの故障のためHDDを新品と交換しその作成したディスクからリカバリーを行いDドライブを作成し後日もう一回表示どおりCドライブのみをリカバリーした場合Dドライブが消滅している場合があり注意が必要である。

Windows以外のOSを使う人にとっての迷惑[編集]

  • OS導入に伴うパーティション構成の変更によってリカバリー領域を破壊すると、付属OSを再度利用することができなくなる場合がある。特に、Linux/FreeBSDなどの付属OS以外のOSを利用・併用している人が、購入直後にこの失敗をすることがある。これを防ぐ為に購入直後にメーカーから用意された専用のソフトでリカバリーディスクの作成等を促しているPCもある。
  • 一般的に付属OSが欠品のPCは、中古市場では一万円前後の評価低下が与えられる。そのため中古PC市場では付属OSが無いことを理由に安価に入手できる商品も少なくなかった。これはリカバリー領域の普及によって、結果的に少なくなり、秋葉原などの限られた場所でしか入手できなくなった。また中古品に篤い保証を提供する業者では、OSなし中古PCの扱いは少なくなり、Windowsを使わない人にとっては、新品購入についで、中古購入でもWindows代を支払うことを避けがたくなった。

その他[編集]

  • リカバリー領域の仕様、リカバリーシステムの仕様はメーカーごとに異なる。実際の運用では、付属の説明書やメーカーウェブサイト上の案内(説明書がPDFで提供されていることもある)を参照して確認する必要がある。やはり長年この仕様を続けているメーカーの場合、初期の頃と現在では、仕様がかなり変更されている場合が多い。

確認方法と各メーカーでの呼称[編集]

基本的にはウェブサイトの各機種仕様のページで、リカバリといった単語で検索すれば調べやすい。 メーカーごとのリカバリー操作がわかっていれば操作してみるのが確実。

(121ware.comは記事直接リンクを拒否するため。面倒でも各自調べる必要がある。たとえば、あるモデルではHDDに再セットアップ領域があっても、OSが起動できない場合は別途起動CD-ROMが無いと再セットアップができない。マニュアルPDFを読むかぎり。なお、当時のマニュアルPDF参照は、必ずしも最新最良の情報を提供しているとは限らない。)

脚注[編集]

  1. ^ a b 日経パソコン2013年6月10日号「特集2・OSリカバリー再入門」(日経BP

関連項目[編集]