リオプレウロドン

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リオプレウロドン
リオプレウロドン
リオプレウロドン(手前)。奥はリードシクティス
地質時代
ジュラ紀中期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
上目 : 鰭竜類 Sauropterygia
: 首長竜目 Plesiosauria
亜目 : プリオサウルス亜目 Pliosauroidea
: プリオサウルス科 Pliosauridae
: リオプレウロドン属 Liopleurodon
学名
Liopleurodon
Sauvage1873
  • L. ferox (模式種)
  • L. pachydeirus
  • L. rossicus
  • L. macromerus

リオプレウロドン (Liopleurodon) は、中生代ジュラ紀中期カロビアンからジュラ紀後期のヨーロッパに生息していた首長竜。当時の海域において、食物連鎖の頂点(頂点捕食者)にいたとされる。

発見と種[編集]

  • リオプレウロドンという属名は、H. E. Sauvageによって、たった3つの7センチメートル程の歯の化石から名づけられたものであり、「なだらかな側面の歯」意味する。1つは、フランスブローニュ=シュル=メール付近にあるカロビアン時代の地層から発見され、L. feroxと名付けられた。他の2つの歯もフランスから見つかり、シャーリーからのものはL. grossouvreiカーンからのものはL. bucklandi(最初はPoikilopleuron bucklandiとして記載された)と命名された。Sauvageは当初、リオプレウロドンを特定のグループとは見なさなかった。
  • リオプレウロドンの化石の大部分はイングランドとフランスから発見される。ドイツやロシアからも、同属とみられる化石が発見された。
  • 現在のところ、リオプレウロドンと認められているのは3種で、特にカロビアン時代のL. feroxはよく知られる。同じくカロビアン時代のより稀少なL. pachydeirusは、Seelyによってプリオサウルスとされた。ロシア産のL. rossicusも当初、Novozhilovによりプリオサウルスに属するとされていた。また、L. feroxだけはほぼ全身骨格が知られている。

形態[編集]

頭部は大きく重厚な作りであり、逆に頸部は短かった。円錐形の鋭い歯が並ぶは頑丈で、咬筋は強力であった事が伺える。大半の海生爬虫類は水中では鼻孔を閉じているが、リオプレウロドンは水中でも臭いを感知出来る構造である事が判明し、かれらが鼻孔で正確な匂いの根源を調べていた可能性が示唆された。また眼窩も大きく、視力も優れていたと推定されている。[1]

胴体の可動性が乏しく尾に鰭は持たないものの、4つの櫂のようなひれ足によって、かなり力強く泳いでいたと考えられている。前方の鰭脚は上下に動かし、後方のものは舵取りや水を後方へ蹴り出しての加速に使われたと推定されている[2]。その推進方法は首長竜多くの中でもリオプレウロドン特有のものである。ロボットを使った実験では、特別大きな推進力の効果は得られなかったが、奇襲に有効な加速力はかなりのものであると実証された。

全長[編集]

リオプレウロドンの最大全長は長年議論の主題とされてきた。

  • 古生物学者L. B. Tarloは、リオプレウロドンを含むプリオサウルス科は、頭骨が全体長のおよそ7分の1であることから、頭骨により全長を見積もれると見出した。彼の説によればL. feroxの中で最大とされる1.5メートルの頭骨をもつ個体は、全長約11メートルと推測できる。
  • 最近の研究ではTarloの理論には疑問符がつけられてきている。プリオサウルスの頭骨は、全長の約5分の1であると示されたからで、HenceはL. feroxの平均体長は7~10メートル程度だろうと指摘した。

しかし、発見された個体数が極めて少ないため、これらのいずれの最大全長も正確かどうかは不明である。

脚注[編集]

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  1. ^ 『よみがえる恐竜・古生物』 87頁
  2. ^ 『恐竜博物図鑑』 94頁

関連項目[編集]

  • リードシクティス - 同時代の魚類で、史上最大の魚とされる。リオプレウロドンはかれらも襲ったと言われている。
  • メトリオリンクス - 同時代の海生ワニ類。捕食者であるが、リオプレウロドンの狩りの対象であった可能性もあるとされる。

参考文献[編集]

  • ティム・ヘインズ・ポール・チェンバーズ 『よみがえる恐竜・古生物』 群馬県立自然史博物館、椿正晴訳、ソフトバンククリエイティブ、2006年、86 - 87頁。ISBN 4-7973-3547-5
  • ヘーゼル・リチャードソン 『恐竜博物図鑑』 ディビット・ノーマン、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年、94 - 95頁。ISBN 4-7875-8534-7