リオハサウルス

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リオハサウルス
生息年代: 中生代後期三畳紀,
~227–213 Ma
四足歩行で復元された生体復元図
二足歩行で復元された生体復元図
地質時代
後期三畳紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 竜脚形亜目 Sauropoda
: リオハサウルス科 Riojasauridae
: リオハサウルス属 Riojasaurus
学名
Riojasaurus
Bonaparte1969

リオハサウルス学名 Riojasaurus 「ラ・リオハのトカゲ」の意味)は、草食原竜脚類恐竜の属の一つである。属名はホセ・ボナパルテ英語版により化石が発見されたアルゼンチンのラ・リオハ州にちなんでいる。後期三畳紀に生息し、全長は10メートルに達したとされたが、[1]2010年にはグレゴリー・ポールにより全長6.6メートルの見積もりが出された[2]。現在知られている唯一の南アメリカに生息したリオハサウルス科英語版である。

特徴[編集]

頭骨のレプリカ

リオハサウルスは重々しい胴体、太い脚、長い首と尾を持っていた。脚の骨は原竜脚類のものらしく緻密で重厚であった[1]。対照的に椎骨は多くの原竜脚類とは異なり中空の腔があり、仙椎が3つではなく4つあった。[1]

リオハサウルスの姿勢に関しては四足歩行という説と二足歩行という説がある。四足歩行とする説においては、リオハサウルスは四つんばいでゆっくりと移動し、後肢のみで立ち上がることは不可能であったとされる[1][3]。前肢と後肢はほぼ同じ長さであるとされた。[1]一方、Scott Hartmanは2016年にリオハサウルスが二足歩行であったという説を公開した[4]。論文上では、2018年の研究でリオハサウルスは四足歩行として扱われている[5]

最初の骨格では頭骨は発見されなかったが[6]、後に保存状態の良いリオハサウルスのものとされる頭骨が発見されている[7]。歯は木の葉状で鋸歯がある。上顎には前面に5本の歯があり、後方には24本以上の歯の列が目の下まで並んでいる。

現代の鳥類や爬虫類との強膜輪の比較から周日行性英語版つまり短い間隔で終日活動したことが示唆される[8]

分類[編集]

多くの研究者からはメラノロサウルスに近縁であると考えられており[1]、三畳紀からジュラ紀前期に生息した既知では最大の原竜脚類である。しかし、イギリス、ブリストル大学の研究では首の長い骨などいくつかの重要な点で独特であることが示唆されている。アルゼンチン、ロスコロラド層英語版で発見された他の原竜脚類とは確実に異なっている[9]

ヒトとの大きさ比較

大きさ、肢の構造およびおそらくメラノロサウルスに近縁であることから最初期の竜脚類に近縁であるとみなされている[1]しかし、ピーター・ガルトンおよびポール・セレノの仮説が正しいとして、 つまり、竜脚類が原竜脚類から生じたのではなく両者は共通の祖先を持つとしても、リオハサウルスと真の竜脚類が共通の特徴をもつのは収斂進化である可能性が高い[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h "Riojasaurus." In: Dodson, Peter & Britt, Brooks & Carpenter, Kenneth & Forster, Catherine A. & Gillette, David D. & Norell, Mark A. & Olshevsky, George & Parrish, J. Michael & Weishampel, David B. The Age of Dinosaurs. Publications International, LTD. p. 41. ISBN 0-7853-0443-6.
  2. ^ Paul, Gregory S. (2010). The Princeton Field Guide to Dinosaurs. New Jersey: Princeton University Press. pp. 170 
  3. ^ Van Heerden, J. and Galton, P.M. (1997). "The affinities of Melanorosaurus a Late Triassic prosauropod dinosaur from South Africa". Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie Monatshefte. (1):39-55
  4. ^ La Rioja's ponderous biped by DrScottHartman on DeviantArt” (英語). www.deviantart.com. 2021年9月4日閲覧。
  5. ^ McPhee, Blair W.; Benson, Roger B. J.; Botha-Brink, Jennifer; Bordy, Emese M.; Choiniere, Jonah N. (2018-10-08). “A Giant Dinosaur from the Earliest Jurassic of South Africa and the Transition to Quadrupedality in Early Sauropodomorphs” (English). Current Biology 28 (19): 3143–3151.e7. doi:10.1016/j.cub.2018.07.063. ISSN 0960-9822. PMID 30270189. https://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(18)30993-X. 
  6. ^ Bonaparte, J. F. (1967). “Dos Nuevas 'faunas' de reptiles triásicos de Argentina” (Spanish). First Gondwana Symposium 2: 283–306. http://unesdoc.unesco.org/images/0001/000196/019644mb.pdf#19929. 
  7. ^ Bonaparte, J.F. & Pumares, J.A. (1995). Notas sobre el primer craneo de Riojasaurus incertus (Dinosauria, Prosauropoda, Melanorosauridae) del Triasico Superios de La Rioja, Argentina. Ameghiniana 32(4): 341-349.
  8. ^ Schmitz, L.; Motani, R. (2011). “Nocturnality in Dinosaurs Inferred from Scleral Ring and Orbit Morphology”. Science 332 (6030): 705–8. Bibcode2011Sci...332..705S. doi:10.1126/science.1200043. PMID 21493820. 
  9. ^ Moody, Richard. Dinofile. pg 20. Octopus Publishing Group Ltd., 2006