ラディアン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
ラディアン(Radiant)
ジャンル 少年漫画バンド・デシネ
冒険ファンタジー
漫画
作者 トニー・ヴァレント
出版社 フランスの旗Ankama Éditions
日本の旗ユーロマンガ合同会社/飛鳥新社
レーベル 日本の旗ユーロマンガコレクション
発行日 日本の旗2015年8月7日
発売日 日本の旗2015年8月6日[1]
巻数 フランスの旗既9巻[2]
日本の旗既8巻
話数 60話
アニメ
原作 トニー・ヴァレント
監督 岸誠二
シリーズディレクター 福岡大生
シリーズ構成 上江洲誠
キャラクターデザイン 河野のぞみ
音楽 甲田雅人
アニメーション制作 Lerche
製作 NHK
放送局 NHK Eテレ
放送期間 2018年10月6日 -
話数 全21話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

ラディアン』(原題:Radiant)は、トニー・ヴァレントによるフランス漫画作品(バンド・デシネ)。本国では2013年[3]より単行本が発売されており、日本では2015年[4]より邦訳版が刊行されている。

概要[編集]

2013年に作者のヴァレントが他作品での作画作業と並行する形で企画していたオリジナル作品であり[5][6]、日本漫画のテイストで描いた作品である。一般的にカラーページで描かれることの多いバンド・デシネでは珍しい白黒のページで描かれており、コマ割りからキャラクター造形、書き文字や効果線の使用に至るまで、随所に少年漫画のスタイルが取り入れられている。

ストーリーは、主人公が一人前の魔法使いを目指すべく旅に出る冒険ファンタジーもので、基本的にはコミカルに描かれているものの、異なる者に対する「差別」や「排斥」といったシリアスなテーマが込められている。また、題名の「ラディアン」(RADIANT)は、単語自体はフランス語の動詞radier(消す、削除する、取り消すなどの意)の現在形であるが、本作においては主人公の旅の目的地である伝説上の場所の名前となっている。

日本では2015年にユーロマンガ合同会社および飛鳥新社より邦訳版が刊行され、第1巻および第2巻の刊行時には、漫画家の村田雄介真島ヒロが帯に推薦コメントを寄せている[4][7]。また、2018年10月6日よりテレビアニメが放送中[8][9][10]

制作背景[編集]

作者のヴァレントは元々日本風の漫画を描くことを目標としていたが、それだけでは飽き足らなくなり、少年漫画のフォーマットを用いて深いテーマを描いてみたいと思ったのが、本作を誕生させるきっかけとなった[11]。本作のテーマの一つである「排斥」は、ヴァレントが過去に単独で発表した作品『アナ・アトリ』(Hana Attori)から引き継いだものであり[12][13]、ヴァレントはストーリーの開発にあたり、中世に行われた魔女狩り関連の資料や小説[注釈 1]RPGなどから着想を得ている他、キャラクターの一部は歴史上の人物をモデルにしている[11][12][14][15]

また、描き始めた当初ヴァレントは原稿を見た友人から『FAIRY TAIL』(真島ヒロの漫画)に似ていると言われたことがあり、同作を読んで似ていると思った要素をストーリーから省いたことを明かしている[11]

世界観[編集]

本作の舞台はファレノスと呼ばれる、空中にいくつもの大陸や島がある世界である。大陸や島の多くは雲海に囲まれており、島々の行き来には飛行船が用いられているが、多くの人々は大抵一つの島に留まって生活している。この世界にはネメシスという怪物が存在しており、どこからともなく現れては村や町を襲っている。このネメシスに唯一対抗できるのは魔法使いであり、彼らは魔法を駆使してそれらを駆除する役目を負っているが、同時に人々からはネメシス同様に恐れられ、忌み嫌われている。

また、ファレノスでは異端審問所が治安維持の役割を果たしており、魔法に関する事件の処理や土地の警備、島によっては政府の代わりとして権力を発揮しており、魔法使いに対しては弾圧を行うこともある。

あらすじ[編集]

第1部(第1巻)[編集]

田舎の小さな村に暮らす主人公の少年セトは、師匠である女魔法使いアルマの下で見習いとして修業をしながら、いつか一人前の魔法使いとなることを夢見ていた。しかし実際は行く先々でトラブルを起こして回り、村人たちからは厄介者扱いされていた。

ある日、ネメシスの卵が空から落ちてきたのを見たセトは、自分の手柄を立てるために自ら卵を割り、ネメシスを目覚めさせてしまう。初めて対峙するネメシスに一度は打ち負かされるが、彼は渾身の力を振り絞り、何とかネメシスを倒すことに成功。初めて村人たちから信頼を得られるようになった。

しかしこの戦いで、ただネメシスが現れるたびに戦うだけでは人々を救えないと知った彼は、ネメシスの巣があるとされる伝説の地ラディアンを探し当て、ネメシスの巣を破壊することを決意する。

かくしてアルマの下を離れたセトは、ネメシスの死骸の回収に来た魔法使いの研究者ドクに同行し、ラディアン探しの旅に出る。その道中、通りかかった異端審問官に捕らえられていた魔法使いの少女メリを助けたセトは、ドクと共に魔法使いが身を寄せ合って暮らすアルテミス魔法学院に向かい、アルマの知り合いである老魔法使いヤガの下で修業に取り組むのだった。

第2部(第2巻 - 第4巻)[編集]

アルテミス魔法学院でヤガと魔法の修業に明け暮れる日々を送っていたセトだったが、金欠になってしまった彼は宿に泊まれないばかりか、日々の食べ物にすら困るという状態に陥っていた。それだけでなく、学院からの莫大な借金を抱える羽目になったセトは、ネメシスの生け捕りによる賞金を手に入れるべく、メリとドクの二人と共にネメシス狩りの依頼があった工場都市ランブル・タウンに向かう。

そこで彼らは、この町の行政を司る異端審問官による移民排斥計画、さらにはネメシスを操る女魔法使いハーメリーヌによる町の壊滅計画に巻き込まれてしまう。彼女はかつてランブル・タウンで起きた崩落事故の生き残りであると同時に、町の住民から迫害されていた魔法使いの一人でもあった。

セトたちはハーメリーヌを追っていた謎の魔法使いグリムと協力して、住民への復讐を目論む彼女の計画を止めるべく奮闘する。

第3部(第5巻 - )[編集]

ランブル・タウンでの戦いの後、魔法使い騎士団がラディアンを探しているという話を聞いたセトは、ラディアンに関する手掛かりを求めて、騎士団の居城カスラーン・マーリンがあるシファンディール大陸へと向かう。その道中、同じようにシファンディール大陸に立ち寄っていた商人男爵たちと遭遇したセトはスパイと勘違いされ、攻撃されるも、間一髪のところでグリムに助けられる。

グリムと別れ、カスラーン・マーリンにたどり着いたセトは、城下町で出会った不思議な老人ミルの手助けにより城に潜り込み、そこで出会った騎士志願者の少女オコホと共に、「スペクトル・ネメシス」という新種のネメシスを相手にした戦闘に参加する。その後別件でカスラーン・マーリンを訪れていたメリ、ドクと再会したセトは、自らを森の妖精だと明かしたミルから、魔法を生み出す源であるファンタジアについて教わり、理解を深めると同時に、自分を制御する術を学んでいく。

やがてスペクトル・ネメシスの出現は「世捨て人の信者たち」なる一団によるものであること、彼らの拠点がカスラーン・マーリンに存在していることが判明し、オコホは騎士叙任式の日にそれらを告発する。だがその時、異端審問所の軍隊がシファンディール大陸に攻め入り、カスラーン・マーリンは予期せぬ戦乱に包まれてしまう。セトはメリやドクとそれぞれ別行動をとり、戦いの終結に向けて動き出すが、この戦いの裏には異端審問所と結託し、シファンディール大陸をわがものにしようと企む商人男爵たちの思惑が潜んでいた。

登場人物[編集]

声はテレビアニメにおける声優。

セト
声 - 花守ゆみり[16][17]
本作の主人公。見習い魔法使いの少年。大魔法使いに憧れている。
ネメシスに触れた結果、頭部に2本の角が生えた。
メリ
声 - 悠木碧[16]
本作のヒロイン。アルテミス学院に通っており、防御魔法を得意とする。
ドク
声 - 大畑伸太郎[16]
一人称は「ワシ」
アルマ
声 - 朴璐美[16]
セトの育ての親。ネメシスの観測拠点としての機能を持つ飛行船で生活している。
ミスター・ボブリー
声 - 小市眞琴[18]
メリの相棒。
ドラグノフ
声 - 遊佐浩二[18]
異端審問官隊長。けだるげに見えるが、異端審問官としては優秀であり、正義感を胸に魔法使いを討伐している。
グリム
声 - 子安武人[18]
全身を包帯に覆われた魔法使い。
マスター・ロード・マジェスティ
声 - 山口勝平[18]
アルテミス学院を創設した人物で、黄色い猫の姿をしている。
気ままで狡猾なところもあり、アルテミスの住民を振り回すこともある。
ヤガ
声 - 吉野裕行[18]
アルマの知人である、老魔法使い。
ミス・メルバ
声 - 東山奈央[18]
トルク
声 - 三宅健太[18]
フォン・ツェペシュ
声 - 寺島拓篤[18]
ウルミナ・バグリオーレ
声 - 早見沙織[18]
リゼロッテ
声 - 佐倉綾音[18]
サントーリ
声 - 緒方賢一[18]
ピオドン
声 - 木村良平[18]
ボス
声 - 稲田徹[18]

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2018年10月6日より、NHK Eテレにて毎週土曜17時35分 - 18時に放送中[16][9]。ナレーションは速水奨が担当[18]。放送時は字幕放送連動データ放送を実施。

プロモーション[編集]

2018年3月22日に本作のメインキャスト発表と共にティザービジュアルが発表され、同時にプロモーションビデオが公開された。プロモーションビデオは通常版、英語字幕付き、フランス語字幕付きの3パターンにそれぞれ30秒、1分、3分と再生時間の違うバージョンが製作され、全部で9パターンが用意された[17][19]。その後、同年8月31日に放送開始日時・追加キャスト・メインビジュアルなどが発表された[18]。放送開始前週の9月29日には特別番組『空前絶後の冒険アニメ「ラディアン」』が放送された[20]

スタッフ[編集]

  • 原作 - トニー・ヴァレント[16]
  • 監督 - 岸誠二[16]
  • シリーズディレクター - 福岡大生
  • シリーズ構成 - 上江洲誠[16]
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 河野のぞみ
  • プロップデザイン - 沙倉拓実
  • モンスターデザイン - 廣瀬智仁
  • アクション作画監督 - アミサキリョウコ
  • 美術監督 - 鈴木友成
  • 色彩設計 - 竹川美緒
  • 撮影監督 - 中川せな
  • 編集 - 及川雪江
  • 音響演出 - 高寺たけし
  • 音楽 - 甲田雅人[16]
  • プロデューサー - 藤田裕介
  • アニメーションプロデューサー - 宮﨑裕司、比嘉勇二
  • アニメーション制作 - Lerche[16]
  • 制作 - NHKエンタープライズ[16]
  • 制作・著作 - NHK

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Utopia[21](第1話 - )
作詞 - GEN / 作曲・歌 - 04 Limited Sazabys / 編曲 - akkin
エンディングテーマ「ラディアン」[22](第1話 - )
作詞・作曲 - 雫 / 編曲・歌 - ポルカドットスティングレイ

各話リスト[編集]

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督放送日
第1話魔法使いの少年
-Seth-
上江洲誠福岡大生濱崎徹
  • 川口弘明
  • 樋上あや
2018年
10月6日
第2話本当の勇気
-Bravery-
重信康福井洋平
  • 川口弘明
  • 柳瀬譲二
10月13日
NHK Eテレ 土曜17:35 - 18:00枠
前番組 番組名 次番組
メジャーセカンド
(2018年4月7日 - 9月22日)
ラディアン
(2018年10月6日 - )
-

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ ヴァレントはストーリー制作に影響を与えた小説として、ジョゼフ・ディレイニーの『魔使いの弟子』、アレクサンドル・デュマの『三銃士』を挙げている。

出典[編集]

  1. ^ トニー・ヴァレント『ラディアン』、8月6日発売!!”. euromanga.jp (2015年8月5日). 2018年6月16日閲覧。
  2. ^ RadiantBD Gest、2018年7月15日閲覧。
  3. ^ Radiant Tome 1Ankama Éditions、2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  4. ^ a b フランス発! 日本マンガの影響下に生まれたユーロマンガ! トニー・ヴァレント『ラディアン』日本語版発売!”. PR TIMES (2015年8月7日). 2018年7月15日閲覧。
  5. ^ Tony ValenteAnkama Éditions、2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  6. ^ 『ラディアン』日本語版第1巻、175頁(作者紹介)
  7. ^ 日本マンガの影響下に生まれたフランス発の正統派少年マンガトニー・ヴァレント『ラディアン』日本語版第2巻早くも登場!”. PR TIMES (2015年11月6日). 2018年7月15日閲覧。
  8. ^ フランス発の冒険ファンタジー「ラディアン」がTVアニメ化、10月よりEテレで”. コミックナタリー (2018年1月31日). 2018年7月15日閲覧。
  9. ^ a b フランス発の少年漫画『ラディアン』が日本でアニメ化決定!”. ダ・ヴィンチニュース (2018年2月12日). 2018年7月15日閲覧。
  10. ^ La BD “Radiant” du Toulousain Tony Valente à la télé au Japon : une première pour un manga français”. France 3 Occitanie (2018年2月2日). 2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  11. ^ a b c 『ラディアン』日本語版第1巻、178頁-179頁(トニー・ヴァレント ロング・インタビュー Part.1)
  12. ^ a b Tony Valente se lance dans le manga avec « Radiant » — Interview”. madmoiZelle (2013年8月6日). 2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  13. ^ Interview : Tony Valente le papa du manga Radiant répond à nos questions”. Revue Multimédia (2016年1月9日). 2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  14. ^ Tony Valente (Radiant) : "Les histoires qui me touchent le plus sont celles enrobées d’un vernis de conneries"”. ActuaBD (2013年7月24日). 2018年7月15日閲覧。(フランス語)
  15. ^ 『ラディアン』第1巻 トニー・ヴァレント 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい! WEB (2015年9月5日). 2018年7月15日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g h i j k アニメ「ラディアン」2018年10月より放送決定!”. NHK アニメワールド. 日本放送協会 (2018年1月31日). 2018年5月2日閲覧。
  17. ^ a b 「ラディアン」主人公は花守ゆみり! 悠木碧、大畑伸太郎、朴ろ美も出演”. コミックナタリー (2018年3月22日). 2018年7月15日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o アニメ「ラディアン」初回放送日&メインビジュアル&キャスト第2弾発表!”. NHK アニメワールド. 日本放送協会 (2018年8月31日). 2018年8月31日閲覧。
  19. ^ フランスの少年マンガ原作、アニメ『ラディアン』キャスト発表”. ORICON NEWS (2018年3月22日). 2018年7月15日閲覧。
  20. ^ セト役・花守ゆみりさんがEテレにて10月6日スタートの「ラディアン」の魅力を語る!”. アニメイトタイムズ. アニメイトラボ (2018年9月28日). 2018年9月30日閲覧。
  21. ^ アニメ「ラディアン」オープニングテーマ決定!”. NHK アニメワールド. 日本放送協会 (2018年8月31日). 2018年8月31日閲覧。
  22. ^ アニメ「ラディアン」エンディングテーマ決定!”. NHK アニメワールド. 日本放送協会 (2018年9月4日). 2018年9月4日閲覧。

外部リンク[編集]