ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で
レオン・ラッセルスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック、トラディショナル・ポップ
時間
レーベル パルメット・レコード英語版
プロデュース レオン・ラッセル、マーク・ランバート
専門評論家によるレビュー
レオン・ラッセル アルバム 年表
ライフ・ジャーニー
(2014年)
ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で
(2017年)
テンプレートを表示

ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』(原題:On a Distant Shore)は、2017年に発表されたレオン・ラッセルスタジオ・アルバム。ラッセルは2016年11月13日に74歳で死去しており、遺作として発表された[1]

背景[編集]

収録曲の大部分はオリジナルの新曲で、フランク・シナトラメル・トーメ等のクルーナー歌手からの影響が反映されており、ラリー・ホールのアレンジによるオーケストラがフィーチャーされた[2]

マスカレード」、「ハミングバード」、「ア・ソング・フォー・ユー」はラッセルが過去に発表した曲のリメイクである。ラッセルは本作の制作と並行して、これらの曲をトミー・リピューマ(前作『ライフ・ジャーニー』のプロデューサー)の誕生日パーティーで演奏するために、バンドの練習用として新アレンジで簡単な録音をしたところ、本作と相性が良いと判断されて、最新ヴァージョンのレコーディングに至った[3]

レコーディングは2016年5月末に完了し、ラッセルが死去する2か月前の2016年9月には、最終ミックスの完成に至った[4]

アメリカ通常盤は12曲入りだが[5]、デラックス・エディション盤では「ザ・ナイト・ウィ・フェル・イン・ラヴ」、「インサイド・ザ・ナイト」、「スイート・ヴァレンタイン」、「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」が追加されて16曲入りとなっており、日本盤CD (SICX-93)の内容はデラックス・エディション盤に準じている。

評価[編集]

Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「『ライフ・ジャーニー』ほどキャリアの総括に相応しい作品ではないが、最終章としては悪くない。何曲かの価値ある曲がある一方、全体的な構成が不格好という、ラッセルの大部分の作品に見られた奇妙さが、ここでも貫かれているから」と評している[6]。また、Hal Horowitzは『アメリカン・ソングライター英語版』誌のレビューで5点満点中3.5点を付け「このロマンティックで思慮深い様式美的な作品でなく、ラッセルの全作品を音楽的に俯瞰した作品を求める向きは、がっかりするかもしれないが、これこそ彼が遺したかったアルバムなのだ」と評している[2]

収録曲[編集]

特記なき楽曲はレオン・ラッセル作。

  1. オン・ア・ディスタント・ショア - "On a Distant Shore" - 3:14
  2. ザ・ナイト・ウィ・フェル・イン・ラヴ - "The Night We Fell in Love" - 3:41
  3. ラヴ・ディス・ウェイ - "Love This Way" - 3:49
  4. ヒア・ウィズアウト・ユー - "Here Without You" (Leon Russell, Matt Harris) - 3:51
  5. インサイド・ザ・ナイト - "Inside the Night" - 3:46
  6. マスカレード - "This Masquerade" - 4:41
  7. ブラック・アンド・ブルー - "Black and Blue" - 3:17
  8. スイート・ヴァレンタイン - "Sweet Valentine" - 5:20
  9. ジャスト・リーヴズ・アンド・グラス - "Just Leaves and Grass" - 5:01
  10. ラヴ・オブ・マイ・ライフ - "Love of My Life" - 3:15
  11. オン・ザ・ウォーターフロント - "On the Waterfront" - 3:55
  12. イージー・トゥ・ラヴ - "Easy to Love" - 3:31
  13. ハミングバード - "Hummingbird" - 4:06
  14. ザ・ワン・アイ・ラヴ・イズ・ロング - "The One I Love Is Wrong" - 3:10
  15. ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア - "Where Do We Go from Here" - 3:27
  16. ア・ソング・フォー・ユー - "A Song for You" - 3:36

参加ミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ レオン・ラッセル、生前最後のレコーディング音源が9月にリリース”. BARKS. Japan Music Network (2017年8月26日). 2019年8月15日閲覧。
  2. ^ a b Horowitz, Hal (2017年9月20日). “Leon Russell: On a Distant Shore”. American Songwriter. ForASong Media. 2019年8月15日閲覧。
  3. ^ 『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』Leon Russell (レオン・ラッセル)”. otonano. Sony Music Direct (Japan). 2019年8月15日閲覧。
  4. ^ 日本盤CD (SICX-93)に封入されたカラー・ブックレットのp.14参照
  5. ^ レオン・ラッセルのラスト・レコーディング・アルバム『On a Distant Shore』がSpotifyで全曲リスニング可”. amass.jp (2017年9月27日). 2019年8月15日閲覧。
  6. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “On a Distant Shore - Leon Russell”. AllMusic. 2019年8月15日閲覧。