ヨーロッパカヤクグリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ヨーロッパカヤクグリ
ヨーロッパカヤクグリ
ヨーロッパカヤクグリ Prunella modularis
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: イワヒバリ科 Prunellidae
: カヤクグリ属 Prunella
: ヨーロッパカヤクグリ
P. modularis
学名
Prunella modularis
(Linnaeus, 1758)
和名
ヨーロッパカヤクグリ
英名
Dunnock

ヨーロッパカヤクグリ(ヨーロッパ茅潜、ヨーロッパ萱潜、Prunella modulars)は、小型のスズメ目鳥類。他に山岳種から構成されるイワヒバリ科のうち最も広範囲におよぶ一種である。英名は Dunnock であるが、ときに Hedge Accentor、Hedge Sparrow、Hedge Warbler とも呼ばれる。

分布[編集]

温帯ヨーロッパアジア 西部に分布する。温暖な西部や南部に留鳥として生息するが、食虫類として、寒冷地のものは南に渡る。少数はアフリカ北部で越冬する[1]

1867-1882年にはニュージーランドに移入され、現在、チャタム諸島アンティポデス諸島オークランド諸島キャンベル島などを含む全土にわたり繁殖する[2]

亜種[編集]

8亜種に分類される[1][3]

  • P. modularis modularis - ヨーロッパ東・中部。冬は地中海西部の島々およびアフリカ北部まで[3]

形態[編集]

全長約14cm[1] (13-14.5cm[4]) 。ヨーロッパコマドリ大の鳥で、外観はほとんど淡褐色であり、縞模様の背や全体の形は小型のイエスズメに少し似る。また褐色を帯びた下面と、先のよく尖ったくちばしをもつ。成鳥の頭部は灰色。雌雄同色。

属名の Prunellaラテン語で「褐色の」を意味する。また、英名のDunnock も「褐色」の意のケルト語による[1]

生態[編集]

ヨーロッパカヤクグリの巣と卵。

疎林、低木地および公園に生息する。雌が低木や針葉樹の低くに整った椀型の巣をつくる。ツバメクロウタドリの古巣を利用することもある[1]。約2.0×1.5cmの斑のない青緑色の卵を3-5個産み、抱卵も雌のみが行う[1]。14-15日で孵化し、幼鳥は12-15日で飛べるようになる[5]

この種は繁殖行動において、淡褐色で特徴のない外観を補っている。雌は多くの場合一妻多夫であり、一度に2羽の雄と繁殖行動をとり、そうして精子競争を生じさせる。雄は雌への交配接近を争うが、DNA型鑑定では、繁殖力のある雌への独占接近の成功に応じて、一孵りの雛の中にしばしば異なった雄親があることを示している。雄は求愛中、最近雌と交尾した他の雄の精液を外に出すために、雌の総排出腔を突ついて刺激することにより、自身の雄性を確実なものにしようとする[6]。雄は交尾の成功に比例して育雛するため、2羽の雄を認めることは珍しくなく、雌1羽が1巣の雛に給餌する。一妻多夫は鳥類ではまれで、種の約2%のみがそのような交配系を示し、大多数は1羽の雄と1羽の雌が一緒に繁殖する一夫一婦である。

ヨーロッパカヤクグリはカッコウの仮親でもある。この関係は、最近、他のカッコウの仮親が卵を区別することを学んで以来、カッコウがそのため仮親に合う卵に進展させたことにありそうである。ヨーロッパカヤクグリの場合、類似しないにもかかわらず、カッコウの卵を受け入れている。

主な地鳴きは、甲高くて、持続する“tseep”と、高く震わせる声で[7]、しばしば鳥の声がなければ目立たない場所を示す。さえずりは、速くて、細く鈴の音ように鳴き、ミソサザイと混同されるが、より短くて弱い、優しいさえずりである[7]。種小名の modularisラテン語で「調子よく歌う」という意味で、雄の快いさえずりに由来する[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 三省堂編修所・吉井正 『三省堂 世界鳥名事典』、三省堂、2005年、529頁。ISBN 4-385-15378-7
  2. ^ Heather, Barrie; Rogertson, Hugh (2005), The Field Guide to the Birds of New Zealand (Revised ed.), Viking Press 
  3. ^ a b c d e f g h i Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. p. 400. ISBN 978-0-8014-4501-9. 
  4. ^ Lars Svensson, Killian Mullarney, Dan Zetterstrom, Collins Bird Guide 2nd Edition (Paperback, 2010) p. 274. ISBN 978-0-00-726814-6.
  5. ^ Peter Holden, Tim Cleeves, RSPB Handbook of British Birds 3rd Edition (Paperback, 2010) p. 215. ISBN 978-1-4081-2735-3.
  6. ^ Davies, N. B. (March 1983), “Polyandry, cloaca-pecking and sperm competition in dunnocks”, Nature (Nature Publishing Group) 302 (5906): 334–336, doi:10.1038/302334a0, http://www.nature.com/nature/journal/v302/n5906/abs/302334a0.html 
  7. ^ a b Peterson, Roger; Mountfort, Guy; Hollom, P.A.D. (1954), A Field Guide to the Birds of Britain and Europe, London: Collins 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]