ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー

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ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
ビートルズ楽曲
収録アルバム アビイ・ロード
リリース 1969年9月26日
録音 オリンピック・スタジオ
1969年5月6日
アビー・ロード・スタジオ
1969年7月1日 - 8月5日
ジャンル ロック
時間 4分02秒
レーベル アップル・レコードEMI
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

アビイ・ロード 収録曲
A面
  1. カム・トゥゲザー
  2. サムシング
  3. マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
  4. オー!ダーリン
  5. オクトパスズ・ガーデン
  6. アイ・ウォント・ユー
B面
  1. ヒア・カムズ・ザ・サン
  2. ビコーズ
  3. ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
  4. サン・キング
  5. ミーン・ミスター・マスタード
  6. ポリシーン・パン
  7. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
  8. ゴールデン・スランバーズ
  9. キャリー・ザット・ウェイト
  10. ジ・エンド
  11. ハー・マジェスティー

ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー(You Never Give Me Your Money)は、1969年に発表されたビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録されたポール・マッカートニー作の曲でここから同アルバムのB面の特徴であるメドレーに入る。

概要[編集]

この曲は、1969年3月にポールが妻であるリンダ・マッカートニーニューヨークに滞在していた時に書かれた楽曲で[1]、直後に行われたゲット・バック・セッションでも取り上げられている[2]ジョン・レノンとポールがレノン=マッカートニー名義で制作した楽曲はノーザン・ソングスが管理権を持っていたが、経営不振となったころに過半数の株式がソニーATVミュージックパブリッシングによって買収された。ポールは、マネージャーのブライアン・エプスタインの死去以降、グループをまとめる立場にあった。それにより自身の会社「アップル・コア」を立ち上げ、財政面の整理をポール以外の3人のマネージャーとなったアラン・クレインが担当していたが、会社は財政難に陥いり、会社内では亀裂が生じていた[3]。この曲は、この出来事がモチーフとなっており、冒頭のくだりには、

  1. 「You never give me your money(お前さんはお金がないという)」
  2. 「You only give me your funny paper(お前さんはへんてこな紙ばかり持ってくる)」
  3. 「And in the middle of negotiations(お前さんは下手な交渉をする)」
  4. 「You break down(そしてお前さんは泣き崩れる)」という切実な場面が登場する。

当時のアップルは、理想からかけ離れたただの会社になり、しかも財政難に喘ぐなど八方塞がりだったことから、ポールも頭を抱えたであろうその気持ちが綴られた曲といえる。

このように重たい内容の曲であるが、冒頭のピアノ・バラード→中程のロッカ・バラード→終間際のオールド・ロックと展開していく[4][5]。最後にメンバー全員が「1-2-3-4-5-6-7 all good children go to heaven(いい子はみんな天国行き)」と連呼して終わる。このエンディング部分の歌詞は英語圏に広く伝わる童謡からの引用である。

曲の流れが完全にできていなかったために途中で音が途切れていたのだが、カウベルとコオロギの鳴き声のサウンドエフェクトが入り、次曲「サン・キング」へのつなぎとなっている[注 1]。音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版は、終盤のギターのアルペジオは「アイ・ウォント・ユー」や「ヒア・カムズ・ザ・サン」の中間のセクション、関連性のない曲の断片をつなぎ合わせたような構成は「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」の影響を受けていると推測している[4]

ポールとプロデューサーのジョージ・マーティンは、『アビー・ロード』がバンドとして最後のアルバムとなる可能性を考え、未完成となっている多数の楽曲をメドレーとしてまとめることに決めた[3]。のちにポールは、キース・ウェスト英語版の「Excerpt from A Teenage Opera」に影響を受けたと語っている。オープニングのフレーズやギターのアルペジオを含むメロディー部分は「キャリー・ザット・ウェイト」に再利用されている[6]

日本では日産・サニーコマーシャルソング(B12型後期)に使用されたことがある。

演奏[編集]

クレジットはイアン・マクドナルドによるもの[2]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ この音は、ポールが自宅で録音したもの。

出典[編集]

  1. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney : Many Years From Now. Seeker & Warburg. p. 556. ISBN 978-0-436-28022-1. 
  2. ^ a b MacDonald, Ian (1997). Revolution in the Head : The Beatles' Records and the Sixties. Pimlico / Random House. p. 308. ISBN 978-0-7126-6697-8. 
  3. ^ a b MacDonald, Ian (1997). Revolution in the Head : The Beatles' Records and the Sixties. Pimlico / Random House. p. 309. ISBN 978-0-7126-6697-8. 
  4. ^ a b MacDonald, Ian (1997). Revolution in the Head : The Beatles' Records and the Sixties. Pimlico / Random House. p. 310. ISBN 978-0-7126-6697-8. 
  5. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Complete Beatles Recording Sessions. Hamlyn / EMI. p. 176. ISBN 978-0-600-55784-5. 
  6. ^ MacDonald, Ian (1997). Revolution in the Head : The Beatles' Records and the Sixties. Pimlico / Random House. p. 312. ISBN 978-0-7126-6697-8.