コンテンツにスキップ

ユリア・ステパノワ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユリア・ステパノワ
選手情報
種目 800–1500 m
生年月日 (1986-07-03) 1986年7月3日(39歳)
生誕地 ロシアの旗 ロシア
自己ベスト 800 m – 1:56.99 (2011)
1000 m – 2:39.81 (2009)
1500 m – 4:06.08 (2009)[1]
編集 テンプレートのヘルプを表示する

ユリア・イゴレヴナ・ステパノワ(旧姓ルサノワ、ロシア語: Юлия Игоревна Степанова (Русанова)、1986年7月3日 - )は、ロシア陸上競技選手。専門は800m。

ドーピング問題と告発

[編集]

2013年2月26日、生体パスポートに異常値がみられたとして国際陸上競技連盟(IAAF)から2年間の出場停止処分を受けた。また2011年3月3日以降のステパノワの記録はすべて抹消された[2]

2014年、ステパノワはロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元職員である夫ビタリー・ステパノフと共に、ジャーナリストのハイオ・ゼッペルト (Hajo Seppelt) が制作したドイツのドキュメンタリー番組に出演した。ドイツの公共放送ARDが運営するテレビチャンネルDas Erste(ダス・エルステ)で放映された同番組は、ロシアスポーツ界の大規模ドーピング不正行為を告発するものであり、その内容は、ロシアスポーツ当局者が選手の収入の5%と引き換えに禁止薬物を選手に提供しており、ドーピング検査官とも共謀して偽テストを行っているというものであった[3][4]ウラジーミル・プーチン大統領の報道官は、ステパノワを「ユダ(裏切り者)」と呼んで非難した[5]

国際陸上競技連盟は、2016年7月、問題発覚の端緒になった証言に配慮し、ユリアがリオ五輪を含む国際大会に中立選手として参加できることを認めた。しかし、国際オリンピック委員会は過去にドーピングで陽性反応を示したユリアの五輪出場を認めず、ユリアは委員会に異議を申し立てた[6][7]

2016年10月24日、国際オリンピック委員会は、夫ビタリー・ステパノフを反ドーピングのコンサルタントとして雇用し、ユリアにもトレーニング費用などについて援助していると公表した[8]

私生活

[編集]

クルスク出身[9]。2009年にビタリー・ステパノフと結婚し、2013年11月に長男を出産している[10]。旧姓はルサノワ。2014年12月、夫と息子と共にロシアからドイツに永久移住したが[11]、2016年現在はアメリカ合衆国に居住している[12]。Das Ersteでドキュメンタリーが放映された後、ロシアのマスコミが「ステパノワの告発はカナダへの政治亡命を認められるための策略」だと報道した件についてはこれを否定している[13]

記録

[編集]
大会 会場 結果 種目 補足
ロシアの旗 ロシア代表
2011 ヨーロッパ室内陸上競技選手権大会 フランス パリ 無効 800 m 2:00.80
2011年世界陸上競技選手権大会 韓国大邱広域市 無効 800 m 1:59.74
2012 2012年世界室内陸上競技選手権大会 トルコ イスタンブール 無効 800 m 2:01.87

脚注

[編集]
  1. Turnbull, Simon (2013年2月26日). “Marilyn Okoro set for belated bronze”. The Independent
  2. “ARD-Dokumentation deckt Doping und Vertuschungsapparat in Russland auf [ARD documentary on doping in Russia] (German). Westdeutscher Rundfunk. (2014年12月3日)
  3. “Russian doping claims: 99% of athletes guilty, German TV alleges”. BBC News. (2014年12月4日) 2016年7月25日閲覧。
  4. “IAAF Taskforce: Interim report to IAAF Council, 17 June 2016”. IAAF. (2016年6月17日)
  5. “ステパノワ、IOCに異議 ドーピング問題を内部告発”. 朝日新聞. (2016年7月26日) 2016年10月30日閲覧。{{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  6. “ドーピング告発のステパノワ、中立選手として国際大会へ”. 朝日新聞. (2016年7月1日) 2016年10月30日閲覧。{{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  7. “IOC、ドーピング告発の露選手を援助”. AFPBB News. (2016年10月25日) 2016年10月30日閲覧。
  8. Brant, John (2016年6月22日). “The Marriage That Led to the Russian Track Team's Olympic Ban”. The New York Times
  9. Ford, Bonnie D. (2016年6月15日). “Athletes, others who raise doping concerns in sports often left whistling into the wind”. ESPN
  10. «Россия мне такого не простит». Продолжение перевода скандального фильма о допинге в России. sovsport.ru (4 December 2014)
  11. Ingle, Sean (2016年7月6日). “Yuliya Stepanova makes her return but injury could end her Rio hopes”. The Guardian
  12. Schwartz, Daniel (2016年1月13日). “Whistleblowers Yuliya and Vitaly Stepanov describe Russia's sports doping system”. CBC News