ユリア・エフィモワ

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ユリア・エフィモワ Swimming pictogram white.svg
Yulia Efimova MoscowTass 08-2016cr.jpg
エフィモワ(2016年)
選手情報
フルネーム Yuliya Andreyevna Yefimova
泳法 平泳ぎ
所属 Volgodonsk Swim Club
生年月日 (1992-04-03) 1992年4月3日(29歳)
生誕地 ロシア、グロズヌイ[1]
身長 1.78 m[2]
体重 64 kg[2]
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ユリア・アンドレエヴナ・エフィモワロシア語: Юлия Андреевна Ефимоваラテン文字表記 Efimova1992年4月3日 -)はロシアの競泳選手。2008年にオリンピックに初参加し、2012年には200m平泳ぎで銅メダル、2016年では100m平泳ぎと200m平泳ぎで銀メダルを獲得した。世界水泳選手権では、50m平泳ぎ(2009年、2013年)、100m平泳ぎ(2015年)、200m平泳ぎ(2013年、2017年、2019年)の計6度勝利している。50m平泳ぎの元世界記録保持者でもある。

2014年1月に、2013年10月の競技外薬物検査に不合格であったことが発表された[3]。陽性反応はプロスポーツで禁止されている内因性ステロイドホルモンであるDHEAに対してであった[4]。2014年5月13日、2013年10月31日から2015年2月28日までの16か月間出場停止となった[5]

人物[編集]

グロズヌイで生まれたが、第一次チェチェン紛争のため家族でヴォルゴドンスクへ移った。そこで6歳のときに父親のアンドレイ・エフィモフ英語版の指導をうけて水泳を始めた[6]。2011年までタガンログに住み、Irina Vyatchaninaの指導を受け、南部連邦大学で学んだ[6]。その年の3月にアメリカ合衆国カリフォルニア州に移り、南カリフォルニア大学水泳チームのヘッドコーチであるDave Saloに指導を受けた[7]

水泳選手として[編集]

エフィモワ(2010年)

最初の顕著な功績は、2007年のEuropean Short Course Swimming Championshipsにおいて50m, 100m, 200m平泳ぎのタイトルを獲得したことである。2008年のヨーロッパ水泳選手権では200m平泳ぎで金メダル、50m平泳ぎで銀メダルを獲得した。北京で開催された夏季オリンピックに参加し、100m平泳ぎで4位、200m平泳ぎで5位となった[1]

2010年、ヨーロッパ水泳選手権の50m平泳ぎと100m平泳ぎで金メダルを獲得した。2012年、夏季オリンピックの200m平泳ぎで2:20.92のタイムで銅メダルを獲得した。1年後にバルセロナで開催された世界水泳選手権では、200m平泳ぎで2:19.41のタイムで金メダルを獲得した。50mの予選では29.78の世界記録を出すが、この記録は準決勝でルータ・メイルティーテに破られた。エフィモワは決勝を29.52のタイムで優勝した[8]

2015年世界水泳選手権の100m平泳ぎにおけるエフィモワ

薬物検査が陽性であったことからうけた16か月の出場停止の後、2015年8月の世界水泳選手権で、1:05.66のタイムで100m平泳ぎで初めて金メダルを獲得した。50mでは3位であったが、200mでは準決勝敗退であり17位であった[要出典]

2016年6月、ロサンゼルスInvitationalに戻り、200mを2:22.77のタイムで勝利した[9]2016年リオデジャネイロオリンピックでは100mと200m平泳ぎで銀メダルを獲得した[10][11]

2017年[編集]

2017年3月のニューサウスウェールズ州Open Championshipsでは200m平泳ぎを2:28.80のタイムで勝利し[12]、100m平泳ぎを1:06.55のタイムで勝利した[13]。1か月後、2017年ロシア選手権では50m平泳ぎを29.88のタイムで勝利した[14]

2017年7月、ブダペストで行われた世界水泳選手権で、100m平泳ぎで1:05.04のタイムで銅メダルを獲得した。3日後、200m平泳ぎに2:19.64のタイムで勝利し、5度目の世界選手権タイトルを獲得した[15]

ドーピングスキャンダル[編集]

2014年1月、エフィモワが2013年10月の競技外薬物検査に不合格であったことが発表された[3]。陽性反応はプロスポーツで禁止されている内因性ステロイドホルモンであるDHEAに対してであった[4]。2014年5月13日、2013年10月31日から2015年2月28日までの16か月間出場停止となった[5]。2013年のEuropean Short Course Swimming Championshipの結果とメダルも剥奪された。4つの短水路の世界記録(2013年11月/12月に達成された2つのリレーと50m平泳ぎと200m平泳ぎ)も無効になった[3][16][17][18]

2016年2月25日から3月30日の間に、計6回メルドニウムに対して陽性であった[19]。3月14日に国際水泳連盟(FINA)により国際競技に一時的に出場停止にされた[20]。薬物が人体内に留まる期間についての研究がなかったため、追放されたり出場停止されたりしていなかった[21][22][23]

2016年のオリンピックにおける論争[編集]

2016年リオデジャネイロオリンピックへのエフィモワの参加は、ロシアオリンピック選手団内で行われたドーピングのスキャンダルが続いていたことから物議を醸した[22]。エフィモワは当初は以前のドーピングによる出場停止により参加を禁止されたが[24]、この参加禁止はスポーツ仲裁裁判所により否決され[25]、出場が許可された。大会期間中、各レースで観客からブーイングをうけた。100m平泳ぎで金メダルを獲得したリリー・キング含む他の選手からもパフォーマンスを向上させる薬物を服用したことで批判をうけた。エフィモワは銀メダルを獲得し、その後の記者会見で「うけたブーイングについての冒頭の質問から泣き出しそうであった」[26][27]

表彰[編集]

オリンピックと世界選手権の結果[編集]

大会 会場 結果 種目 補足
ロシアの旗 ロシア代表
2008 オリンピック 中国、北京 4th 100m平泳ぎ 1:07.43
5th 200m平泳ぎ 2:23.76
5th 4 × 100mメドレーリレー 3:57.84
2009 世界水泳選手権 イタリア、ローマ 1st 50m平泳ぎ 30.09
2nd 100m平泳ぎ 1:05.41
14th (sf) 200m平泳ぎ 2:26.39
2011 世界水泳選手権 中国、上海 2nd 50m平泳ぎ 30.49
4th 100m平泳ぎ 1:06.56
2nd 200m平泳ぎ 2:22.22
4th 4 × 100mメドレーリレー 3:57.38
2012 オリンピック イギリス、ロンドン 7th 100m平泳ぎ 1:06.98
3rd 200m平泳ぎ 2:20.92
4th 4 × 100mメドレーリレー 3:56.03
2013 世界水泳選手権 スペイン、バルセロナ 1st 50m平泳ぎ 29.52
2nd 100m平泳ぎ 1:05.02
1st 200m平泳ぎ 2:19.41
3rd 4 × 100mメドレーリレー 3:56.47
2015 世界水泳選手権 ロシア、カザン 3rd 50m平泳ぎ 30.13
1st 100m平泳ぎ 1:05.66
17th (h) 200m平泳ぎ 2:26.11
5th 4 × 100m混合メドレーリレー 3:44.83
2016 オリンピック ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ 2nd 100m平泳ぎ 1:05.50
2nd 200m平泳ぎ 2:21.97
6th 4 × 100mメドレーリレー 3:55.66
2017 世界水泳選手権 ハンガリー、ブダペスト 2nd 50m平泳ぎ 29.57
3rd 100m平泳ぎ 1:05.05
1st 200m平泳ぎ 2:19.64
14th (sf) 200m個人メドレー 2:12.88
2nd 4 × 100mメドレーリレー 3:53.38
2019 世界水泳選手権 韓国、光州 3rd 50m平泳ぎ 30.15
2nd 100m平泳ぎ 1:05.49
1st 200m平泳ぎ 2:20.17
(#) 予選(h)または準決勝(sf)における総合順位を示す。

脚注[編集]

  1. ^ a b "ユリア・エフィモワ". Sports-Reference.com. Sports Reference LLC. Cite webテンプレートでは|accessdate=引数が必須です。 (説明)
  2. ^ a b Iuliia Efimova, オリジナルの26 April 2013時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130426062447/http://www.london2012.com/athlete/efimova-iuliia-1016284/ 2016年9月8日閲覧。 
  3. ^ a b c “Yuliya Efimova Banned for 16 Months; Stripped of World Records”. Swimming World. (2014年5月13日). https://www.swimmingworldmagazine.com/news/yuliya-efimova-banned-for-16-months-stripped-of-world-records/ 2016年8月12日閲覧。 
  4. ^ a b Russian Olympic Medal-Winning Swimmer Efimova Fails Doping Test – Report. En.ria.ru (17 January 2014). Retrieved 8 September 2016.
  5. ^ a b “Russian swimmer Yulia Yefimova disqualified for 1 year and 4 months for doping”. イタルタス通信. (2014年5月13日). オリジナルの2014年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140518024841/http://en.itar-tass.com/sports/731362 2014年5月13日閲覧。 
  6. ^ a b c d Yulia Efimova Archived 11 October 2016 at the Wayback Machine.. nbcolympics.com/
  7. ^ Ефимова уехала тренироваться в США” [Yefimova moved to USA for training] (Russian). Sport-Express (2011年3月6日). 2016年8月9日閲覧。
  8. ^ Women's 50m Breaststroke Final. 5th FINA WORLD CHAMPIONSHIPS Barcelona (ESP) 19 July – 4 August 2013. omegatiming.com
  9. ^ Yuliya Efimova Returns to Competition in Los Angeles”. swimmingworldmagazine.com. 2016年7月17日閲覧。
  10. ^ Yeveny Slyusarenko (2016年8月9日). “Одна капля сочувствия. Почему Юля Ефимова – повод для гордости” [A Mite of Consolation. Why Yuliya Yefimova is a Ground for Pride] (Russian). Championat.com. 2016年8月9日閲覧。
  11. ^ “Rie Kaneto wins gold in women's 200m breaststroke”. NBC Olympics. (2016年8月11日). http://www.nbcolympics.com/video/rie-kaneto-wins-gold-womens-200m-breaststroke 2016年8月12日閲覧。 
  12. ^ “Emily Seebohm, Yulia Efimova Strong on Second Day of NSW Open”. Swimming World News. (2017年3月4日). https://www.swimmingworldmagazine.com/news/emily-seebohm-yulia-efimova-strong-on-second-day-of-nsw-open-championships/ 2017年4月10日閲覧。 
  13. ^ 2017 SNSW State Open Championships – Day 1”. nsw.swimming.org.au. 2018年8月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月10日閲覧。
  14. ^ Yuliya Efimova* Guns For More Honours: 29.88 Dash Books Ticket To World Titles”. SwimVortex. 2017年4月10日閲覧。
  15. ^ 17th FINA World Championships”. 2017 World Aquatics Championships Official site. 2017年7月28日閲覧。
  16. ^ Omega Timing – Results – FINA Swimming World Cup 2013 Tokyo 7/8 Tokyo Japan 11/9/2013 – 11/10/2013”. OMEGA Timing. 2013年11月10日閲覧。
  17. ^ 2013 European Short Course Swimming Championships. Results Day 2”. LEN. 2015年12月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年12月13日閲覧。
  18. ^ "Yuliya Efimova Banned for 16 Months; Stripped of World Records". swimmingworldmagazine.com. 13 May 2014. Retrieved 13 August 2016.
  19. ^ FINA, Communications Department (2016年7月15日). “July 15, 2016 FINA Statement on Yulia Efimova”. FINA. http://www.fina.org/news/statement-yulia-efimova-rus 2016年8月16日閲覧。 
  20. ^ FINA, Communications Department (2016年7月16日). “May 15, 2016, PR 46 – FINA statement on Ms Yulia Efimova”. FINA. http://www.fina.org/news/pr-46-fina-statement-ms-yulia-efimova-rus 2016年8月16日閲覧。 
  21. ^ U.S. swimmer Lilly King calls out Russian drug cheat with strong words, finger wag”. USA Today (2016年8月8日). 2016年8月9日閲覧。
  22. ^ a b Press, Associated (2016年8月6日). “Russian swimmer Yulia Efimova on 100m breaststroke start list”. NBC. http://www.nbcolympics.com/news/russian-swimmer-yulia-efimova-100m-breaststroke-start-list 2016年8月7日閲覧。 
  23. ^ FINA, Communications Department (2016年7月15日). “July 15, 1016 FINA Statement on Yulia Efimova”. FINA. http://www.fina.org/news/statement-yulia-efimova-rus 2016年8月16日閲覧。 
  24. ^ Baldwin, Alan (2016年7月25日). “Efimova, six other Russians ruled out of Rio”. Reuters. https://www.reuters.com/article/us-olympics-rio-swimming-russia-idUSKCN1051RU 2016年8月7日閲覧。 
  25. ^ “Rio 2016 Olympics: Yulia Efimova cleared to compete after appeal”. BBC Sport. (2016年8月6日). https://www.bbc.com/sport/olympics/36998249 2016年8月12日閲覧。 
  26. ^ Clarey, Christopher and Crouse, Karen (9 August 2016) "In the Olympic Pool, Contempt for Drug Cheats Rises to the Surface". The New York Times.
  27. ^ “American Beats Russian Swimming Star Yefimova Amid Snipes Over Doping”. Radio Free Europe/Radio Liberty. (2016年8月11日). http://www.rferl.org/content/american-lilly-king-beats-russian-swimming-star-yefimova-amid-snipes-over-doping/27909945.html 2016年8月11日閲覧。 
  28. ^ РЕШЕНИЕ № 84 от 4 июня 2008 года. gorduma.org (4 June 2008)
  29. ^ Указ Президента Российской Федерации от 25 August 2016 № 429 «О награждении государственными наградами Российской Федерации». pravo.gov.ru (25 August 2016)