ヤンググランプリ
概要 | |
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開催時期 | 12月28日 |
開催地域 | 持ち回り |
分野 | 競輪 |
カテゴリー | GII |
形態 | 一発勝負 |
主催者 | 持ち回り |
歴史 | |
初回開催年 | 2001年 |
開催回数 | 22回(2022年) |
初代優勝者 | 荒井崇博 |
直近優勝者 | 菊池岳仁(117期) |
ヤンググランプリは、毎年12月末のKEIRINグランプリシリーズの初日に実施される、競輪のGII競走である。
概要[編集]
1995年12月29日、立川競輪場でのKEIRINグランプリシリーズ[注 1]2日目最終レース(第11レース)において、同年1月に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の復興支援競輪(被災地支援競走)という位置付けで、企画レースとして実施された。そのため、「ヤンググランプリ」は当時としてはこの年限りで、以降暫く開催は途絶えた。
- この時の出場選手は、当時活躍していた若手選手の代表として、稲村成浩・伊藤保文・高谷雅彦・横田努・加倉正義・澤田義和・本田博・金古将人・金山栄治が選出された。レースは先行した高谷雅彦をマークした金古将人が抜け出して優勝し、賞金1500万円を獲得した[1]。
現在行われている当大会のルーツは、競輪祭の一環として行われた「浜田賞・全日本競輪新人王決定戦」(GI相当)であり、通常の競輪レースと同じくトーナメント形式として開催され、初期では優勝者に特典として全日本競輪王決定戦の決勝レース出場資格が与えられていたこともあった。
1999年度からの競輪の番組改正により競輪祭は6日間制から4日間制に短縮された(2018年より再度6日間化)関係で、新人王決定戦はトーナメント方式での開催は取りやめとなり、過去1年半以内のデビュー選手で競走成績が最優秀の選手9人により競輪祭最終日(4日目)に一発勝負で新人レーサー日本一を決定することとなった。しかし、2001年度からの競輪の番組制度改革に伴い競輪祭の開催が1月に変更されたため[注 2]新人王レースは廃止され、それに代わる新人レーサー実力日本一決定戦として、1995年に行ったヤンググランプリの名称を復活させ、それまでの新人王レースに替わる位置づけとしたのがこの大会であり、開催時期も1995年の時と同じく12月のKEIRINグランプリ開催前日(グランプリシリーズ開催2日目、基本的には12月29日)となった。なお、選手の選抜方法は競輪祭・新人王決定戦が単発レースとして行われた時代と同じである。なお、当レースではS級・A級混合で行われるが、通常はS級からのみで9名が選出されるためA級から選出されることは稀である。
2008年より12月29日には新設GIのSSカップみのりが行われることになったため、ヤンググランプリはその前日の12月28日に開催されることになったが、特別競輪の開催見直しにより2012年から再び開催日が12月29日に戻されることになった。
2016年の第16回からは、冠競走として行われている(2016年と2019年は楽天・Kドリームス協賛、2017年と2018年はチャリロト協賛、2020年以降はWINTICKET協賛)。
2020年の第20回はCOVID-19流行と感染拡大を防止する観点から入場は事前申込制とした上で、神奈川県在住のみで最大2000名[注 3]と制限した上での開催となった[2]。また、翌2021年の第21回は、一般入場については事前申込は不要ながら静岡本場の場内滞留が5,000名[注 4]を超えた場合は入場制限を実施するとした上で開催された。
2022年の第22回から、それまでKEIRINグランプリシリーズ初日に行われていたガールズグランプリと日程を入れ替え、2011年以来11年ぶりに再度12月28日の開催となった[3]。なお、開催当日は平塚本場の入場者数が先着20,000名を超えた場合は入場制限を実施するとしていたが、実施しなかった[注 5]。
賞金[編集]
各着順における賞金額は、以下の通り。( )内は副賞(1着に授与)を含んだ金額。
大会 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | 8着 | 9着 |
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第19回(2019年)[4] | 328万円(508万円[5][6]) | 152.2万円 | 112万円 | 78.8万円 | 69.7万円 | 60.6万円 | 51.5万円 | 42.4万円 | 33.3万円 |
第20回(2020年)[7] | |||||||||
第21回(2021年)[8] | 344万円(524万円[9]) | 159.8万円 | 117.6万円 | 82.7万円 | 73.1万円 | 63.5万円 | 54万円 | 44.5万円 | 35万円 |
第22回(2022年)[8] | 396万円(576万円[10]) | 184万円 | 135万円 | 95.1万円 | 840万円 | 730万円 | 62.1万円 | 51.2万円 | 40.3万円 |
第23回(2023年)[8] | 470万円 | 234万円 | 142万円 | 94.8万円 | 75.2万円 | 65.4万円 | 56.9万円 | 51.7万円 | 47.0万円 |
出場選手選抜方法[編集]
ヤンググランプリの出場選手は、KEIRINグランプリ出場者を除く若手選手の中から、以下の優先順位に従って正選手9名・補欠1名が選抜される。
- 出場資格…開催当年から数えて2年以内[注 6]にデビューした男子選手。開催当年と、開催前年、開催前々年にデビューした計3期の男子選手が対象となる。
- 選考期間…当年1月 - 9月(9ヶ月間)※ただし、当年デビューの場合は7月 - 9月(3ヶ月間)のみ
- 選考月…10月
- 最低出走回数…36出走※ただし、当年7月デビューの場合は12出走[注 7]
- 当年に夏季オリンピックが開催された場合は、そのオリンピックにおけるトラックレース競技の代表選手
- 平均競走得点上位者を、S級在籍者から順次選抜し、9名に達しない場合はA級在籍者からも選抜する
- 選考期間における平均競走得点が同点だった場合は、選考期間における選考用賞 金獲得額上位者を上位とする
なお、補欠選手は正選手を除く平均競走得点上位者からさらに順次選抜される。
ヤンググランプリに選ばれた選手においては、のち当年のKEIRINグランプリに選ばれた場合、KEIRINグランプリの出場資格を付与し、ヤンググランプリについては補欠選手を繰り上げることになっている[12]。
過去の優勝者[編集]
回 | 開催日 | 開催場 | 出場資格 | 優勝者 |
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第1回 | 2001年12月29日 | 平塚競輪場 | 82期- | 荒井崇博(82期) |
第2回 | 2002年12月29日 | 立川競輪場 | 84期- | 渡部哲男(84期) |
第3回 | 2003年12月29日 | 京王閣競輪場 | 85期- | 岡田征陽(85期) |
第4回 | 2004年12月29日 | 立川競輪場 | 86期- | 海老根恵太(86期) |
第5回 | 2005年12月29日 | 平塚競輪場 | 87期- | 山崎芳仁(88期) |
第6回 | 2006年12月29日 | 京王閣競輪場 | 88期- | 金成和幸(88期) |
第7回 | 2007年12月29日 | 立川競輪場 | 89期- | 菊地圭尚(89期) |
第8回 | 2008年12月28日 | 平塚競輪場 | 90期- | 飯野祐太(90期) |
第9回 | 2009年12月28日 | 京王閣競輪場 | 91期- | 神山拓弥(91期) |
第10回 | 2010年12月28日 | 立川競輪場 | 92期- | 深谷知広(96期) |
第11回 | 2011年12月28日 | 平塚競輪場 | 95期- | 柴田竜史(96期) |
第12回 | 2012年12月29日 | 京王閣競輪場 | 97期- | 松岡篤哉(97期) |
第13回 | 2013年12月29日 | 立川競輪場 | 99期- | 猪俣康一(99期) |
第14回 | 2014年12月29日 | 岸和田競輪場 | 101期- | 近藤龍徳(101期) |
第15回 | 2015年12月29日 | 京王閣競輪場 | 103期- | 野口大誠(105期) |
第16回 | 2016年12月29日 | 立川競輪場 | 105期- | 渡邉雄太(105期) |
第17回 | 2017年12月29日 | 平塚競輪場 | 107期- | 鈴木竜士(107期) |
第18回 | 2018年12月29日 | 静岡競輪場 | 109期- | 太田竜馬(109期) |
第19回 | 2019年12月29日 | 立川競輪場 | 111期- | 松本貴治(111期) |
第20回 | 2020年12月29日 | 平塚競輪場 | 113期- | 松井宏佑(113期) |
第21回 | 2021年12月29日 | 静岡競輪場 | 115期- | 小原佑太(115期) |
第22回 | 2022年12月28日 | 平塚競輪場 | 117期- | 菊池岳仁(117期) |
テレビ中継[編集]
2015年までは地上波・BSでも放送されていたが、2016年[注 8] - 2021年はSPEEDチャンネルのみの中継になっていた。
2022年は、7年ぶりにBS日テレでも『坂上忍の勝たせてあげたいTV』として放送され、レース中継としては世界初となる「自由視点映像」も導入された[13][14]。
今後の開催予定[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ GP・YGP・GGPとは
- ^ グランプリ2020 事前抽選による有観客開催について - 2020年10月8日
- ^ “ガールズケイリン〝3つの進化〟発表 ガールズGPは12月29日に開催”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2022年9月6日) 2022年9月6日閲覧。
- ^ ヤンググランプリ(GⅡ)(M1Y) (PDF) 副賞を含まない金額
- ^ 日刊スポーツ大阪本社版、2019年12月30日付13面
- ^ “松井宏佑が地元V!8番手から豪快まくり/平塚G2”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年12月29日) 2021年1月3日閲覧。
- ^ ヤンググランプリ(GⅡ)(M1Y) (PDF) 副賞を含まない金額
- ^ a b c ヤンググランプリ(GⅡ)(M1Y) (PDF) 副賞を含まない金額
- ^ 日刊スポーツ大阪本社版、2021年12月29日付10面
- ^ 日刊スポーツ大阪本社版、2022年12月28日付9面
- ^ 【競輪偏差値70の男】年末特別企画 中川誠一郎が選ぶ「2021年・極私的10大ニュース」♯8 - 中川誠一郎 - netkeirin、2021年12月29日
- ^ “年末のヤンググランプリに山口拳矢、寺崎浩平ら9選手が出場/JKAが発表”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年10月27日) 2021年10月27日閲覧。
- ^ 日本テレビ (2022年12月28日). “【競輪】レース中継世界初!自由視点映像で"シン・ケイリン"を体感せよ!KEIRINグランプリ2022”. 日テレNEWS. 2022年12月29日閲覧。
- ^ “坂上忍の勝たせてあげたいTV|日テレ@kataseteagetaiのツイート”. Twitter (2022年12月28日). 2022年12月29日閲覧。
関連大会[編集]
- ルーキーチャンピオンレース(通称・若鷲賞)
外部リンク[編集]
- 競輪資料室 ヤンググランプリ - KEIRIN.JP