ヤマハ・ジール

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ヤマハ・ジール(ZeaL)は、かつてヤマハ発動機が製造販売していた250ccのオートバイである。

概要[編集]

FZX250 ZeaL
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 3YX
エンジン 3YX型 249.592 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 48.0 mm × 34.5 mm / 12.0:1
最高出力 40ps/12,000rpm
最大トルク 2.7kgf・m/9,500rpm
車両重量 164 kg
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1991年2月より販売が開始され、1992年3月のマイナーチェンジを経て1999年に製造を終了した。型式は3YX。車体種別はネイキッド。「ジャンプするイルカ」をイメージした斬新かつ個性的なフォルムが特徴。

低重心エンジンと絞り込まれた735mmの低く足付き性の非常に良いシートにより取り回しが楽なため、主に女性ライダーやビギナーから高い支持を集めた。

欠点としてサイレンサーが錆びやすいこと、キャブレターの中のゴムパーツ劣化に他のバイクより敏感なことなどがあげられる。[要出典]タンク周りの外観は1989年第28回東京モーターショー出展のコンセプトモデル「モルフォ(MORPHO I)」の影響を大きく受けている。(外観以外モルフォとの共通点はない)[要出典]キャブレターの型番はFZR250Rと共通のBDST28であるが中の構造が大幅に違う。サービスマニュアルのボディーカラーがダブルグリニッシュブルーメタリック1になっているのは誤字。[要出典]

車両解説[編集]

エンジンは「FZ250フェーザー」から派生した同社のレーサーレプリカ「FZR250R」ベースの250cc直列4気筒でシリンダー45度前傾のジェネシス(GENESIS)エンジンを、中低速重視の40ps(同年に施行された自動二輪車の新馬力自主規制に対応させたもの)にセッティング変更して搭載。

高回転重視のFZR250Rとは異なり、排気デバイスEXUPは採用されず4-2-2レイアウトのマフラーで右2本出しサイレンサーを採用。

快適装備としては同時期の同クラスバイクと違い、フューエルタンク前方部分ハンドルとタンクキャップの間にある、小銭入れや高速道路チケットが入る小物入れや、タンデムシート下にタンデムシートに固定可能なビニール製でA4サイズの雑誌が入る大きさの専用バッグ(通称ジールバック)がある。など、街乗りでの使いやすさを追求した装備が特徴である。またシートキーで開くのは収納のあるタンデムシートのみ(一般的なネイキッドはシート全体が開く)であり、普段使いで不要な部分に触る心配を減らしている。

ヘルメットホルダはシートキーと一体型になっており(ヘルメットホルダのキーを閉まる方向に半回転多く回すとシートが開く)軽量化に貢献している。取り付け位置はサイレンサーと反対の左側。

ミッションの6速を「オーバードライブ」とし、6速で走行しているとタコメーターパネルのオーバードライブランプが点灯する。(ランプの色がニュートラルランプと同じ緑色である)

VMAXおよびその国内イメージモデルであるFZX750同様、タンク横にダミーのエアスクープ状の飾りがある。これはプラグ部分およびラジエターをカバーしておりいたずら防止に効果がある。

モデル一覧[編集]

1992年3月にマイナーチェンジを行っており、塗色や一部パーツの違いがある。

マイナーチェンジ前(3YX1) マイナーチェンジ後(3YX2)
製造年 1991年 1992年~1999年
トップブリッジ
  • ハンドルホルダーの上部が一体成型
  • ハンドルホルダーの上部がツーピース構造
ボディーカラー
  • ダルグリニッシュブルーメタリック1
  • アップルレッド
  • ブラック2
  • フロストシルバー
    (この色のみフレームなどがブラック塗装)
  • メイプルレッド
  • ソフィアブルー
サイレンサー
  • 耐熱シルバー塗装
  • メッキ
ヘッドライトケース
  • メタリックグレー塗装
  • メッキ
FZX250・ZEAL

輸出専用モデルとして発売された。日本国内モデルをベースにデュアルヘッドライトのビキニカウルを採用している。逆輸入車としての国内デリバリーはされなかったため、輸入中古車としても市場での存在は確認されていない。

参考画像[編集]

外部リンク[編集]