モーリス・ウィリアムソン

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オナラブル
The Honourable

モーリス・ウィリアムソン
Maurice Williamson
Maurice Williamson at the NZ Open Source Awards, 2007.jpg
2007年、NZオープン・アワード(英: the NZ Open Source Awards)にて
税関大臣英語版
Minister of Customs
任期
2008年11月19日 – 2014年5月1日
首相 ジョン・キー
前任者 ナナイア・マフータ英語版
後任者 ニッキー・ワグナー英語版
建設大臣英語版
Minister for Building and Construction
任期
2008年11月19日 – 2014年5月1日
首相 ジョン・キー
前任者 シェーン・ジョーンズ英語版
後任者 ニック・スミス英語版
統計大臣英語版
Minister of Statistics
任期
2008年11月19日 – 2014年5月1日
首相 ジョン・キー
前任者 ダレン・ヒューズ英語版
後任者 ニッキー・ワグナー
小企業大臣
Minister for Small Business
任期
2008年11月19日 – 2011年12月12日
首相 ジョン・キー
前任者 クレイトン・コスグローヴ英語版
後任者 ジョン・バンクス英語版
ニュージーランド議員
パクランガ選挙区英語版選出
任期
1987年8月15日英語版 – 2017年9月23日
前任者 ニール・モリソン英語版
後任者 シメオン・ブラウン英語版
個人情報
生誕 (1951-03-06) 1951年3月6日(69歳)
 ニュージーランド オークランド
政党 ニュージーランド国民党
配偶者 レイウィン (Raewyn)
子供 3人
出身校 オークランド大学
専業 コンピューター・プログラマー

モーリス・ドナルド・ウィリアムソン: Maurice Donald Williamson1951年3月6日 - )は、ニュージーランド国民党に所属する元政治家で、パクランガ英語版選挙区選出の代議院議員を務めていた。彼は閣内外英語版で、交通、通信、放送、地方自治、科学技術研究、建設、税関、小企業、統計、国土情報[注釈 1]など、複数の大臣職を歴任した[1]。現在はロサンゼルス郡サンタモニカでニュージーランド総領事を務めている[2][3]

政治家になるまで[編集]

ウィリアムソンはオークランドで生まれたが、隣接するワイカト地方マタマタ英語版で学生生活のほとんどを送った[4][5]。彼はマタマタ・カレッジ英語版出身である[4]オークランド大学計算機科学応用数学の学位を取って卒業した後、12年間汎用コンピュータで定期航空路のダイヤ作成を行うソフトウェア開発に携わっていた。

彼は妻レイウィン(英: Raewyn)と結婚し、3人の養子がいる[6]。またインスティテュート・オブ・ITプロフェッショナルズ英語版(旧ニュージーランド・コンピュータ・ソサエティ[注釈 2])の名誉フェローである[7]

国会議員として[編集]

ニュージーランド議会
在任期間 任期 選挙区 名簿順位 政党
1987年英語版–1990 42nden パクランガ英語版 国民党
1990年英語版–1993 43rden パクランガ 国民党
1993年英語版–1996 44then パクランガ 国民党
1996年英語版–1999 45then パクランガ 20 国民党
1999年英語版–2002 46then パクランガ 13 国民党
2002年英語版–2005 47then パクランガ none 国民党
2005年英語版–2008 48then パクランガ 17 国民党
2008年英語版–2011 49then パクランガ 8 国民党
2011年英語版–2014 50then パクランガ 19 国民党
2014年英語版–2017 51sten パクランガ 35 国民党

ウィリアムソンは、中道右派の政党・ニュージーランド国民党所属で、1987年ニュージーランド総選挙英語版以来2017年までパクランガ選挙区英語版の選出の国会議員だった[5][8]。通信、放送、交通、科学技術研究などの各大臣を歴任し、1990年から1996年には厚生副大臣も務めた[8]。また売買春法律の改正英語版に強く賛成している[9][10]

一時停職[編集]

2003年7月22日、ウィリアムソンは選挙での敗戦について国民党党首ビル・イングリッシュを責め立て、制止に従わなかったとして、党員集会で停職処分を受けた[11]。イングリッシュからドン・ブラッシュに党首交代した後、ウィリアムソンの停職処分は解かれた。この後、ウィリアムソンは国民党で積極的に活動し、2008年には党の名簿順位第8位にまで上り詰めた。

第49代・第50代ニュージーランド議会[編集]

2008年ニュージーランド総選挙英語版後、国会はハング・パーラメントとなり、コンフィデンス・アンド・サプライ英語版を行う3人の協力者を得て、国民党は少数与党内閣を結成した。ウィリアムソンは党の高位に就いていたが、道路通行料に関する党の政策で、選挙運動中に失策を重ねていたため、内閣の一員には選ばれなかった[12]。彼は、税関、建設、統計、小企業に関する閣外大臣を務めることになった[13]。在任中の大仕事としては、進行していたリーキー・ホームズ・クライシス英語版があり、問題の膨大さから政府も「途方に暮れている」と認めた[14]

2009年7月には、性的不祥事を起こしたとして、ジョン・キー首相が、リチャード・ワース英語版の大臣職を解き、その後ワースが議員職を辞するという事件があった[15][16]。ウィリアムソンはネイサン・ガイ英語版が正式に引き継ぐまで、ワースが務めていた内政・国立図書館・ニュージーランド公文書館英語版担当の各大臣職を代理で務めた。

第50代ニュージーランド議会英語版の選挙後、ウィリアムソンは再び議席を獲得し、国民党による2期目の内閣で大臣職を得た。ウィリアムソンは2008年以来の税関・国土情報・建設の各大臣職を維持したが、ACTニュージーランド英語版との連立を行うため、小企業担当大臣の職はジョン・バンクス英語版に引き継いだ。ジョー・グッドヒュー英語版チェスター・バロウズ英語版クリス・トレメイン英語版と共に閣外大臣の職も務め、2014年5月の全閣僚職辞任まで継続した[17]

2014年5月1日、ウィリアムソンは閣僚職を辞任し、当時の首相だったジョン・キーは「捜査について警察と議論するというのは、ウィリアムソン氏の大きな判断ミスだった」と述べた[17][18]。ウィリアムソンの辞任は、国民党へ寄付を行っていたビジネスマンのドングヮ・リウ(英: Donghua Liu)が、国内で傷害事件を起こしたとして取り調べを受け、取り調べについて彼が警察へ問い合わせをしたとして、引責したものである[17]。ウィリアムソンはこの件について、捜査の進行に干渉するつもりはなく、リウがニュージーランドに多額を投資していることから捜査が行われているという話が本当か確かめたかっただけだったとしている[19]

2016年7月、ウィリアムソンは2017年の選挙には出馬しないことを表明した[10]。ほぼ同時期にロサンゼルス郡サンタモニカでのニュージーランド総領事職に任命されたが、補欠選挙を避けるため、自身の任期満了を待って赴任した[2][3]

「ビッグ・ゲイ・レインボー」演説[編集]

映像外部リンク
Maurice Williamson's 'big gay rainbow' speech - 1 NEWS - YouTube
LGBTの象徴であるレインボーフラッグ。ウィリアムソンは地元での虹を、法案通過の吉兆ととらえて演説を行った

2013年4月、ウィリアムソンは同性婚を認める2013年結婚(結婚の定義)改正法案英語版に賛成票を投じ、第三読会の投票に先立ち演説を行った[20]。この演説の中で、ウィリアムソンは法案反対者からの意見や不安を引用し、法案が通過しても非当事者には日常が巡るだけだとしたほか、地元で大きながかかったことは何かのお告げ(sign)ではないかと述べた(レインボーフラッグLGBT当事者のシンボル的存在であり、また虹はキリスト教では誓いや契約のしるし(sign)である)[21]。演説はすぐに世界中で話題となった[22]。ウィリアムソンの皮肉的で正直なアプローチも相まって、演説はその後数日で数十万回も視聴され、『ハフィントン・ポスト』や『ゴーカー英語版』(ゴーカー・メディア)など有名ニュースサイトに取り上げられた[23][24][25][26]。ウィリアムソンは『エレンの部屋』への出演オファーを受けたが、スケジュールと大臣への賞与規定から断ったと明かしている[27][28]。ウィリアムソンは後に、首相から出演料を慈善事業へ寄付するなら出演してもよいとの許可を得た[29][30]。ウィリアムソンのスピーチは、反対票を投じた政治家や、左派的なコメンテーターからも賞賛された[31]

このスピーチは、2017年11月下旬に竹下亘が同性愛カップルの宮中晩餐会参加へ批判的発言をしたことを機に、Twitterを中心に拡散して日本で大きな話題となった[32][33][34][35]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ Transport, Communications, Broadcasting, Local Government, Research Science and Technology, Building and Construction, Customs, Small Business, Statistics and Land Information
  2. ^ 英: New Zealand Computer Society; HFNZCS

出典[編集]

  1. ^ New Zealand Member of Parliament Page: Maurice Williamson”. New Zealand Government英語版 (2011年12月27日). 2011年12月27日閲覧。
  2. ^ a b National MP Maurice Williamson gets diplomatic posting to Los Angeles”. ニュージーランド・ヘラルド (2016年8月31日). 2017年11月26日閲覧。
  3. ^ a b KIRK, STACEY (2016年8月31日). “Outgoing National MP Maurice Williamson picks up plum LA diplomatic posting”. Stuff.co.nz英語版. 2017年11月26日閲覧。
  4. ^ a b Maurice Williamson”. マタマタ・カレッジ英語版. 2017年11月26日閲覧。
  5. ^ a b Maurice Williamson, MP - Maiden Speech - 1 October 1987 - williamson-maurice-maiden-speech-1-october-1987.pdf (PDF)”. ニュージーランド議会. p. 310 (1987年10月1日). 2017年11月27日閲覧。 “I grew up in Matamata and have relatives throughout the Rangitikei and Taranaki regions.”
  6. ^ Maurice Williamson's 'big gay rainbow' speech(1m29s〜) - YouTube
  7. ^ ITP Fellows and Honorary Fellows”. インスティテュート・オブ・ITプロフェッショナルズ英語版. 2017年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月26日閲覧。
  8. ^ a b Maurice Williamson”. ニュージーランド議会. 2017年11月26日閲覧。
  9. ^ Williamson, Maurice: Prostitution Reform Bill — Instruction to CommitteeCWH, In Committee”. ニュージーランド議会 (2003年5月26日). 2017年11月26日閲覧。
  10. ^ a b National and Pakuranga MP Maurice Williamson to leave Parliament”. ニュージーランド・ヘラルド (2016年7月26日). 2017年11月26日閲覧。
  11. ^ “National caucus suspends Williamson”. New Zealand Herald. (2003年7月22日). http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=3513980 2008年10月20日閲覧。 
  12. ^ “Williamson's political career on the skids after snub”. ニュージーランド・ヘラルド. (2008年11月17日). http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10543513 2010年10月8日閲覧。 
  13. ^ Maurice-Williamson-Customs-body-scanner-22-March-2011.pdf (PDF)” (2011年5月22日). 2017年11月26日閲覧。
  14. ^ Laxon, Andrew (2010年2月27日). “Govt stumped as leaky home bill skyrockets”. ニュージーランド・ヘラルド. http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10628835 2010年3月20日閲覧。 
  15. ^ PM's Statement on Richard Worth’s resignation | Scoop News”. Scoop.co.nz (2009年6月3日). 2013年8月25日閲覧。
  16. ^ Statement by Dr Richard Worth | Scoop News”. Scoop.co.nz (2009年6月12日). 2013年8月25日閲覧。
  17. ^ a b c Maurice Williamson resigns as a minister”. ニュージーランド・ヘラルド (2014年5月1日). 2017年11月26日閲覧。 “However, Mr Williamson's decision to discuss the investigation with Police was a significant error of judgement.”
  18. ^ Maurice Williamson resigns over police call”. Stuff.co.nz英語版 (2014年5月1日). 2017年11月26日閲覧。
  19. ^ Audrey Young: Williamson's 'significant error of judgment”. ニュージーランド・ヘラルド (2014年5月1日). 2017年11月26日閲覧。 “He [Williamson] started by saying that in no way was he looking to interfere with the process - he just wanted to make sure somebody had reviewed the matter to ensure we were on solid ground as Mr Liu is investing a lot of money in New Zealand.”
  20. ^ “Williamson jovial in marriage equality speech”. 3 News NZ. (2013年4月17日). http://www.3news.co.nz/Williamson-jovial-in-marriage-equality-speech/tabid/370/articleID/294664/Default.aspx?ref=video_2012-11-22 
  21. ^ 'The sun will still rise tomorrow': NZ MP hits out at anti-gay marriage 'bullies'”. シドニー・モーニング・ヘラルド (2013年4月18日). 2017年11月26日閲覧。
  22. ^ “Williamson's 'big, gay rainbow' speech makes world headlines”. TVNZ OneNews. (2013年4月18日). http://tvnz.co.nz/national-news/williamson-s-big-gay-rainbow-speech-makes-world-headlines-5410324 2013年4月18日閲覧。 
  23. ^ Maurice Williamson: An unlikely gay icon”. NewsHub (2013年4月18日). 2017年11月26日閲覧。
  24. ^ Zimmerman, Neetzan (2013年4月17日). “This Incredible Marriage Equality Speech by a New Zealand Member of Parliament Is a Must-Watch”. ゴーカー英語版. 2017年11月26日閲覧。
  25. ^ Maurice Williamson, New Zealand MP, Delivers Incredible Gay Marriage Speech”. ハフィントン・ポスト (2013年4月17日). 2017年11月26日閲覧。
  26. ^ 渡辺一樹 (2017年11月26日). “同性婚を認めたらどうなる? 世界で賞賛された国会議員のスピーチ”. ハフポスト日本版. 2017年11月26日閲覧。
  27. ^ New Zealand MP made famous by gay marriage speech to parliament to appear on Ellen”. news.com.au英語版 (2013年4月22日). 2017年11月26日閲覧。
  28. ^ Chapman, Kate (2013年5月15日). “No Ellen appearance for Maurice Williamson”. Stuff.co.nz英語版. 2017年11月26日閲覧。
  29. ^ “MP becomes unlikely gay icon”. 3 News NZ. (2013年4月19日). http://www.3news.co.nz/Maurice-Williamson-An-unlikely-gay-icon/tabid/1607/articleID/294855/Default.aspx 
  30. ^ “Williamson allowed to appear on Ellen”. 3 News NZ. (2013年4月22日). http://www.3news.co.nz/Williamson-allowed-to-appear-on-Ellen/tabid/1607/articleID/295104/Default.aspx 
  31. ^ “NZ Power scheme a 'masterstroke'”. 3 News NZ. (2013年4月22日). http://www.3news.co.nz/NZ-Power-scheme-a-masterstroke/tabid/1607/articleID/295122/Default.aspx 
  32. ^ ロジーナ・シニ (2017年11月30日). “日本の同性婚議論 NZ元議員がゲイの英雄になった理由”. BBCニュース. 英国放送協会. 2017年11月30日閲覧。(日本語)
  33. ^ Maurice Williamson's 'gay rainbow' speech goes big in Japan”. NewsHub.com (2017年11月27日). 2017年11月30日閲覧。
  34. ^ Maurice Williamson is now a gay icon in Japan, and he's a bit bemused”. stuff.co,nz (2017年11月29日). 2017年11月30日閲覧。
  35. ^ From Pakuranga to Tokyo: Maurice's 'big gay rainbow' reaches Japan”. ニュージーランド・ヘラルド (2017年11月27日). 2017年11月30日閲覧。

外部リンク[編集]

ニュージーランド議会
先代:
ニール・モリソン英語版
パクランガ選挙区英語版選出の国会議員
1987年 – 2017年
次代:
シメオン・ブラウン英語版