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モンスターボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

モンスターボール[注釈 1](英名:Poké Ball[注釈 2])は任天堂から発売されたロールプレイングゲーム、『ポケットモンスター』シリーズに登場する架空のアイテムである。ゲームを元にした関連作品にも登場する。

概要

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モンスターボール
バーガーキングのセットメニューのおまけとして提供された、モンスターボールをモチーフとした玩具

野生のポケットモンスター(以下ポケモン)を捕まえたり、移動の際にポケモンを収納する道具である。「ポケットサイズにモンスターを持ち運べる」という作品世界の根幹を成すアイテムであり、ゲームシリーズの原案者である田尻智は『ウルトラセブン』のカプセル怪獣がモチーフと明言している。

初期に手に入る安価なボール「モンスターボール」のみを表す場合と「スーパーボール」「マスターボール」「ゴージャスボール」などその手の道具全般を表す場合がある。『LEGENDS アルセウス』では、ポケモンが入っていない空のボールを「モンスターボール」、ポケモンが入った状態のボールを「ポケモンボール」と呼び分けている。

形状は球体で、狭義のモンスターボールでは球体の上半分が赤色で、下半分が白色である。また境目の部分に丸いボタンが付いている。このデザインは作品世界の中でポケモンに携わる人々のシンボルのように扱われており、ゲームやアニメの中でもこれを元にした意匠がしばしば使われている。特に『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズで、ポケモンシリーズから参戦しているキャラクター達のシンボルマークになっている。

ポケモンを扱う者(ポケモントレーナー)は、通常ボールは腰のベルトにある専用のホルダーに収納している。ゲームでは一度に持ち歩けるポケモンは6体までという制限があるが、これはボール収納の限界として表現されている[注釈 3]

種類

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以下の種類がある[1]

基本的なモンスターボール
  • モンスターボール
  • スーパーボール
  • ハイパーボール
  • マスターボール
特殊な性質を持つモンスターボール
  • ヒールボール
  • ネットボール
  • ネストボール
  • クイックボール
  • ダークボール
  • タイマーボール
  • リピートボール
  • ダイブボール
  • ゴージャスボール
職人が作ったモンスターボール
  • スピードボール
  • レベルボール
  • ルアーボール
  • ヘビーボール
  • ラブラブボール
  • フレンドボール
  • ムーンボール
記念品モンスターボール
  • プレミアボール
  • プレシャスボール
特定の場所で使われるモンスターボール
  • サファリボール
  • コンペボール
  • パークボール
  • ドリームボール


ゲーム内での設定

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使用方法・性能

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空のボールを野生のポケモンに向かって投げ、体に当たるとボールが開き、ポケモンはボールから出る光線状の物質に包まれ、体を縮小させてそのボールの中に入る。体力があると自力で出てきてしまう可能性が高い為、バトルでHPを削ったり、状態異常にしたりして、ある程度弱らせてから捕まえるのが良い方法である(ポケットモンスター (ゲーム)#捕獲を参照)。また、ポケモンの種類によっても捕まえられる確率が異なる。たとえば伝説のポケモンなどは通常のポケモンよりも大幅に捕まえづらく設定されている。捕まえ損ねて野生ポケモンが中から飛び出してしまったり、投げるのに失敗して落とすと壊れるのか、そのボールは失われてしまう。

すでに他のトレーナーの手持ちとなっているポケモンにボールを投げると「ひとのものを とったら どろぼう!」とメッセージが出て弾かれてしまう。弾かれたボールは、どんなボールでも失われる(『ダイヤモンド・パール』で初めて失われなくなった)。しかし外伝作品『ポケモンコロシアム』や『ポケモンXD』では他のトレーナーのポケモン奪取を可能にさせる「スナッチマシン」および「スナッチボール」が登場する。電波によって捕獲機能を妨げることも可能らしく、『ブラック2・ホワイト2』のゲーチスや『サン・ムーン』のエーテル財団が妨害電波を使用している。

なおビリリダマタマゲタケマッギョ(リージョンフォーム)など、モンスターボールに擬態して人間をおびきよせるポケモンも存在する[注釈 4]

ポケモンとそれ以外の存在を見分ける機能があるらしく、『サン・ムーン』ではエーテル財団のビッケが「ウルトラビーストのような異世界のポケモンに対しては、ポケモンと認識され辛いため捕獲が難しい」と述べている。『ソード・シールド』では巨大化したダイマックスポケモンを捕まえる、あるいはダイマックス使用時にはダイマックスバンドからボールにガラル粒子を注ぎ、ボール自体も巨大化させる必要がある。ダイマックスポケモンを捕まえる際は基本的にポケモン、ボールの種類に関わらず100%捕まえられるが、期間限定のポケモンは捕獲に失敗する場合もある。

ルビー・サファイア』以降では、捕獲に使用したボールの種類がポケモンごとに記録される。バトルに出たときの画面効果もボールによって異なるので、プレイヤーによってはボール自体の性能を度外視し、自らのこだわりでボールを選ぶ者も多い。タマゴから生まれたポケモンは、モンスターボールに入っているが、『X・Y』からは♀の親と同じボールに入るようになった。『サン・ムーン』ではランダムに両親のどちらかと同じボールに入っている。

捕獲後

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捕獲されたポケモンは原則的にトレーナーの手持ち(仲間)として指示に従うようになり[注釈 5]、他のポケモンとのバトル等で随時ボールから出し入れできる他、パソコン通信を通じボックスに保管することができる。またポケモンセンターに預けての体力回復や、トレーナー同士の交換[注釈 6]も可能。捕獲されたポケモンには、そのトレーナーの名前とIDナンバーが「おや」情報として記録され、以後は通信交換などで人の手に渡ってもその情報が失われる事はない。ゲームシステム上はボールに入れたまま半永久的に保管できるが、作品世界の設定としてボールの中のポケモンはどのような状態になるのか(意識や生命現象の有無など)は不明。

捕まえても、ポケモンを意のままに操れるわけではなく、『プラチナ』のギンガ団のボス・アカギの手記には、伝説のポケモンをボールで捕らえても神話に伝わる真の力を発揮させることはできないと記載されており、『ブラック・ホワイト』では、プラズマ団のシャガがポケモンの気持ちまでは縛る事は出来ず、ポケモンが人との関係を望まなければ自ら去る事も出来ると述べている。

『ブラック2・ホワイト2』では「ポケモンと人間はモンスターボールで結ばれている」事が主軸の一つになっている。ライバルは作中から5年前にプラズマ団にボールごと誘拐された妹のチョロネコを取り戻す為に旅立った。ストーリー終盤にプラズマ団配下のダークトリニティと対峙する中でそのチョロネコと再会するものの、すでにレパルダスに進化した上、ライバルの事をすっかり忘れ彼を威嚇する。その際、ダークトリニティは「だが、今は私の言う事しか聞かない……。それがモンスターボールに囚われたポケモンの運命だ! そのレパルダスはボールから解き放たれればお前の元に戻っていたかもな」と言い切っている。その後、ダークトリニティは用済みだと言ってレパルダスを手放したが、レパルダスはライバルを威嚇し続けるのだった。

この一連のイベントは「ポケモンはモンスターボールに縛られている事」「ボールの持ち主の人間には逆らえない事」などのポケモンやモンスターボールの効果の一面に触れており、モンスターボールには一種の洗脳のような効果がある事が見受けられる。その後ライバルは「モンスターボールによる制御だけが、ポケモンと人間の繋がりでは無い事」を信じ、妹にレパルダスを返す。殿堂入り後、ライバルの家を訪れると妹のレパルダスがボールから出ていて、頭を撫でられて嬉しそうにしているシーンを見る事が出来る。同作では登場人物のNが「いつかモンスターボールなんか無くても、ポケモンと人間が結び付き、助け合う……。そんな世界にするんだ」と夢を語っている。

スカーレット・バイオレット』の追加DLC『ゼロの秘宝』では、スグリが捕獲に使用したマスターボールが(暴走状態だったとはいえ)ボールに入れたはずのテラパゴスに破壊されるシーンがあり、ポケモンの前では人間の作り出した技術のかたまりであるマスターボールすらも絶対的なものではない事が示唆されている。

開発

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設定資料集などによると、ポケモン学の祖とされるタマムシ大学のニシノモリ教授が、1925年頃にオコリザルへ投薬実験を行っていたところ、弱らせてしまい教授の老眼鏡ケースの中に入り込んでしまったことから、弱ったポケモンが身体を縮めて狭い場所に入ろうとする習性が発見されたことで、モンスターボールが開発されたとされる[1][2]

生産会社・生産者

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赤・緑』の舞台であるカントー地方および『金・銀』の主な舞台であるジョウト地方では、ヤマブキシティに本社を構えるシルフカンパニーというポケモン関係のアイテムを扱う会社が、『ルビー・サファイア』の舞台であるホウエン地方では、カナズミシティに本社を構えるデボンコーポレーション(業務内容はシルフカンパニーとほぼ同一)が、『X・Y』の舞台であるカロス地方では、クノエシティにあるボール工場がそれぞれ生産している。シンオウ地方イッシュ地方アローラ地方ガラル地方パルデア地方での生産会社は不明。量産品以外にもカスタムメイドで作られるモンスターボールも存在する。例えば『金・銀』では、ヒワダタウンにいるガンテツという人物が材料となる「ぼんぐり」という木の実を使って特製のボールを作っている。

入手方法

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主人公は、フレンドリィショップなどで購入する、他人から譲り受ける、落ちているボールを拾う(ポケモンが「とくせい」で拾う事もある)といった手段で手に入れる。シリーズを通し、どんなポケモンも捕獲できるマスターボールは原則的には1個しか入手できない。

ちなみにオーレ地方とヒスイ地方は特例で、『ポケモンコロシアム』では舞台であるオーレ地方に野生ポケモンが発見されていない為、モンスターボールをフレンドリィショップで購入出来ない。主人公は「町外れのスタンド」と呼ばれる施設でのみ購入できる。同じオーレ地方が舞台である『ポケモンXD』では特定のスポットでのみ野生のポケモンが出現する事が発見され、ボールを販売する店も増えている。『LEGENDS アルセウス』ではポケモンセンターをはじめ現代のポケモン関係のアイテムを扱う会社および施設が存在しないが、代わりに雑貨屋で購入出来る。ただし、いくつかのボールは集めた素材でクラフトをする必要がある。

関連アイテム

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外伝作品『ポケモンレンジャー』シリーズでは、主人公をはじめレンジャーはポケモンの環境を極力維持する観点から、モンスターボールの代わりに「スタイラー」という道具で野生ポケモンと心を通わせ(キャプチャ)、一度だけレンジャーに従って力を貸したポケモンは野生に戻る。

アニメ版での設定

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アニメ版も基本的には上記のゲーム版に準ずるが、ポケモンの捕獲(ゲット[注釈 7])および出し入れには、縮小状態のボールのボタンを一度押すことで拡大させてから使用する描写が頻繁に見られる。初期には主人公のサトシが7体目をゲットしたとき図鑑を介して自動で研究所に転送されるという描写があったが、その後は自分で手持ちが6体以内になるように研究所に送っている。また場合によってはバトルでなくトレーナーと心を通わせる事で、ポケモンが自らボールに入って仲間となったり、トレーナーの指示に関わらず自らボールから出てくる描写もある。

捕獲に失敗したボールも失われず、手元に戻ってくる描写も見られる。ただしゲーム版『赤・緑』に準じたストーリーの『THE ORIGIN』ではミュウツーを捕獲しようとした際にボールが破壊される描写がある。

また、すでに誰かが捕獲済みのポケモンは、投げたボールがぶつかっても機能しないという描写があり、ポケモン自体に何かしらの処置がかかっている様子が伺える。『ダイヤモンド&パール』においてヒカリがサトシのピカチュウと初対面の際、野生個体と勘違いしてボールを投げるが捕獲機能が発動せず、誰かのトレーナーが捕獲済みだと知る描写がある。また、『ベストウイッシュ』ではアララギ博士の元から脱走しサトシの後を追ってきたミジュマルはすで捕獲済み扱いだった為新たなボールで捕獲出来ず、アララギ博士から元々使っていたボールを転送してもらった。『THE ORIGIN』ではレッドが短パン小僧のニドラン♀を捕獲しようとした際にバリアが発生する描写がある。

新無印』では、敵役のロケット団がポケモンを使う際に、モンスターボールがカプセルトイのように入っておりポケモンがランダムで現れる『ロケット・ガチャット』が登場した。

『ポケットモンスターSPECIAL』での設定

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漫画作品『ポケットモンスターSPECIAL』では、アニメで見られるようなボールが拡大・縮小する機能はなく、常に同じ大きさのままで携帯・使用しているとみられ、ボールの上半分は透けていて中にいるポケモンが外の様子を見たり、外部から中のポケモンの様子を見る事が可能。捕獲の時は当てどころも重要とされており、ポケモンの体の中で生命エネルギーが集中しているツボを正確にとらえた時にボールは真の力を発揮するとされている。

製造方法に至ってはゲームでも登場する「ぼんぐり」といわれる木の実の中身をくりぬき、特殊な装置と「キャプチャーネット」といわれる捕獲網を仕込む事でモンスターボールが完成するという設定がなされている。このキャプチャーネットは虫ポケモンの糸や鳥ポケモンの羽を利用する物が大半を占めているが、中には「伝説のポケモン」の羽を使わなければ製造出来ない物も存在するという(時を捕らえるモンスターボール)。しかしその詳細は、全てのメーカーともに企業秘密とされている。同作中にはモンスターボール管理システムというものがあり、それがダウンするとボタンを押してもポケモンを出せなくなる[注釈 8]。さらにそれを逆手に取りスイッチを壊す事でポケモンの出し入れを封じるという卑怯な戦術を使うトレーナーや野生ポケモンもいる(スイッチが直ると出し入れが可能になる)。

カードゲームでの設定

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ポケモンカードゲームに野生ポケモンや捕獲という概念は存在しないが、主に「ポケモンのカードを探して手札に加える」ような効果を持つトレーナーカードとしてモンスターボール各種が登場する。

『大乱闘スマッシュブラザーズ』での設定

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大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズではモンスターボールが投擲・ヘルパーアイテムとして登場する。投げるとランダムでポケモン1種類(『SPECIAL』現在は55種類[注釈 9]から1種類)が出現し、投げたキャラクターに代わって相手キャラクターを攻撃する。それに加え、『for Nintendo 3DS / Wii U』以降では低確率で強化版として、伝説のポケモン幻のポケモンなど、モンスターボールでは出現率が低い珍しいポケモンだけが出現するマスターボールが登場する。

また、ファイターとして登場するポケモンのうち、ピカチュウ、プリン、ピチュー、『for Nintendo 3DS / Wii U』以降のリザードン、ゲッコウガ、ガオガエンは登場演出でモンスターボールから登場する。

脚注

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  1. ^ a b 衝撃の事実!『ポケモン』モンスターボールの誕生に隠された“ある教授の研究”とは…”. インサイド (2022年4月4日). 2025年3月27日閲覧。
  2. ^ 『ポケットモンスター図鑑』 出版社:アスペクト、発売日:1996/4/5、
  1. ^ ポケモンボールとも呼ばれる。
  2. ^ 正式名称の「Pokémon」である事に由来しており、「モンスター」の持つニュアンスも異なる。
  3. ^ バトルが参加できない「ライドポケモン」と「ロトム図鑑(スマホロトム)」は通常の手持ちポケモンとは別枠扱いなので、6体までの制限を受けない。
  4. ^ RPG定番のモンスターであるミミックに類似した存在といえる。
  5. ^ ただしジムバッジを集めるなどトレーナーが一定の基準に満たないと、レベルの高いポケモンは指示に従わない。
  6. ^ 設定上、交換にはボールごと専用の装置に置いて作動させる描写がある。
  7. ^ 捕獲に際し「ゲット」という表現を使うのはアニメ版のみ。
  8. ^ 中のポケモンに異常はない。なお、この設定は映画『裂空の訪問者 デオキシス』にもみられる事から、アニメ版にも存在する。
  9. ^ ラティアスラティオスはペアでの登場のため、1種類としてカウント。