モネの池

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モネの池(通称)
桜散るモネの池と鯉.jpg
周辺に咲く桜の花びらが水面に浮かぶモネの池(通称)
所在地 日本の旗 日本
岐阜県関市板取
位置
面積 約0.4 km2
周囲長 約0.04 km
最大水深 約0.5 m
成因 灌漑
淡水・汽水 淡水
Project.svg プロジェクト 地形
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モネの池(モネのいけ)は岐阜県関市板取の根道神社参道脇にある貯水池[1]高賀山の伏流水を利用して[2]1980年頃に灌漑用に整備された。モネの池は通称であり正式な池の名称ではない[3]。地元では根道神社の池もしくは単にと呼んでいる。

概要[編集]

1999年、雑草が生い茂っていたが近くで花苗の生産販売をする「フラワーパーク板取」を経営する小林佐富朗が除草を行い、スイレンコウホネを植えた。また、池で泳ぐコイは地元住民が自宅で飼えなくなって持ち込んだものであり、観光目的で作られた池では無く、偶然が積み重なってクロード・モネの後期の睡蓮連作群と似た池となった[4][3]

池の大きさはテニスコートよりも少し大きい程度である[1]。また、常に湧き水が流れ込み、湧水池となっている[3][1]。このため年間水温がおよそ14°Cで一定となっており、冬に咲いた花は枯れにくくコウホネが冬に咲くと、黄色→オレンジ色→赤色と色が変化する。また、日差しの傾き、池の水量によって池の水の色も変化する[3]

池の透明度が高い理由は、高賀山の山体が流紋岩類で構成されており、そこからの湧き水には養分が含まれず、微生物が育たないことが原因である[5]

2015年6月頃、ブログTwitterInstagramなどのSNSでこの池が話題に上り始め、同年秋頃に新聞・情報番組で取り上げられたことで情報が一気に拡散、観光客が激増する要因になった[6][3][7][8][9]。 このため、岐阜県および関市では公式ホームページにて「名もなき池」「モネの池(通称)」として観光案内を掲載している[10][11]。2015年11月の報道によれば、休日には3000人ほどが訪れる観光地である[1]

また、2016年には東海地方の観光地を紹介する情報誌にも掲載されるとともに、新聞、テレビニュースでも取り上げられた[5][12][13][14]。また2016年5月には板取地区の愛好家で作る板取錦鯉振興会が稚魚から育てたニシキゴイを提供した[14]。この年の5月のゴールデンウィーク中には1日平均約3000人の観光客が訪れ、国道256号線が15kmにわたり渋滞し、警察が出動して交通整理を行った[15]

その後も観光客が増加するとともに、NHK全国放送等多くのマスコミにも取り上げられている[15][16][17][18][19][20][21][22][23] [24][25][26][27][28][29][30][31][32]

命名の経緯[編集]

モネの池はあくまでも通称である。

2012年写真雑誌「風景写真 2012年7-8月号[33]」(創刊1989年)に栄馬智太郎[34]が投稿し最優秀作品賞(審査員:前田博史[35])及び2012年度フォトコンテストグランプリ受賞を受賞[36]したのをきっかけにテレビ放映やインターネットの会員制交流サイト(SNS) を通じて有名になり、モネの池と呼ばれるようになった。インターネット上にはモネの池に関する写真が大量にアップされている[37]

課題[編集]

モネの池の立て看板
撮影会ツアーバス

観光地ではないため駐車場が少なく、休日には満車状態になることが多い。また、大型バスを収容するスペースが限られている[38]。当初は交通整理に地元警察の手助けを得ていた[2]

観光客の増加で池の周りの砂利道が固められたことにより、2015年11月8日の大雨で砂利と砂利との間から土が池に流れ込み、池の水を濁らせた。これを受け同月9日、地元の有志が集まり池の水の入れ替えの作業を行い池の水の透明度は以前に近いくらいまで回復した。この水質汚濁を受け自治会はこれ以上土が池に流れ込まないようにするため、砂利を増やすなどの対策を行った[39]

これをうけ、関市では「地域の宝磨け上げ事業」の一環として平成28年度に事業費を新規で計上した[40][41]

また、観光客が鯉にえさを与えることで水が濁ってしまう事態も発生しており、立て看板で「えさやり禁止」を観光客に注意喚起している。

モネの池の撮影会のためのバスツアーもいくつか企画・開催[42][43]されており、撮影会のツアー客が訪れている。

ハートの鯉[編集]

2016年5月に板取地区の愛好家で作る板取錦鯉振興会が稚魚から育てたニシキゴイを提供した中に[14]、頭にハートマークがついている鯉がいたことから、『"みたら恋が成就する"とネットでうわさ』(中日新聞 中部おでかけワイド 岐阜県関市 ネットが育てた観光地「久保田麻利衣 署名記事」縦書き4段目7〜8行目より引用[15])といった新しい話題も生まれている。

2017年以降[編集]

関市市議会の一般質問の中で「モネの池(通称)」の効果で、観光客数が2014年が266万人だったのに対して、2015年には286万人、2016年には339万人隣、モネ効果で73万人の観光客数の増加につながったと関市経済部長が回答している [44]

また、春になり観光雑誌等でモネの池が引き続き取り扱われている[45] [46]

動物・植物[編集]

生息する魚類
生息する植物

新聞記事にはヒメコウホネ、ヒメスイレンとの記述があるが小林によると、コウホネスイレンとのことである。

ギャラリー[編集]

周辺施設[編集]

公共交通機関[編集]

  • 岐阜バス岐阜板取線[47] または関シティバス関板取線[48]「洞戸栗原車庫(終点)」下車、板取地域バス(別名:板取ふれあいバス)に乗り換え[49][50]、「あじさい園前」から徒歩150m。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d まるでモネの絵画! 見物客で大にぎわい 岐阜の「名もなき池」”. 産経新聞 (2015年11月23日). 2016年5月7日閲覧。
  2. ^ a b 岐阜「モネの池」「五郎丸ポーズの仏像」はなぜ話題に?”. THE PAGE (2016年5月1日). 2016年5月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e ネット人気で突然の全国区 岐阜県関市“モネの池” (写真報道局 古厩正樹 署名記事)”. 産経フォト (2016年5月8日). 2016年5月8日閲覧。
  4. ^ “まるで絵画”モネの池””. 岐阜新聞中濃地域版 (青山和史 署名記事). (2015年9月12日) 
  5. ^ a b 「絵画のように美しい名もなき池が話題!!」、『日帰りドライブぴあ 東海版 2016-2017』、ぴあ株式会社、2016-04-20日、 69頁、 ISBN 978-4-8356-2763-2
  6. ^ まるでモネの「睡蓮」 岐阜の名もなき池に見物客”. 日本経済新聞社 (2015年11月24日). 2016年12月7日閲覧。
  7. ^ ウイークエンド中部”. NHK名古屋放送局 (2015年12月12日). 2016年5月9日閲覧。
  8. ^ 羽鳥慎一 モーニングショー『ショーアップ “名画そっくり”と評判に! 岐阜県で話題の“モネの池”』”. テレビ朝日 (2015年11月9日). 2016年6月7日閲覧。
  9. ^ 関市の話題のスポットを紹介”. 関市経済部観光交流課 (2016年1月19日). 2016年5月9日閲覧。
  10. ^ 名もなき池”. 岐阜県観光連盟. 2016年5月19日閲覧。
  11. ^ 名もなき池”. 関市公式ホームページ. 2016年5月19日閲覧。
  12. ^ 「神秘の水とやさしい微笑みに癒やされる。」、『ぶらり、大人旅【東海版】』、ぴあ株式会社、 40頁、 ISBN 978-4-8356-2767-0
  13. ^ “ネット人気で突然の全国区(写真報道局 古厩正樹 署名記事)”. 産経新聞日曜版. (2016年5月8日) 
  14. ^ a b c “華やぎ増す新しいコイ 板取の「モネの池」( 織田龍穂 署名記事)”. 中日新聞岐阜県版. (2016年5月4日) 
  15. ^ a b c “中部おでかけワイド 岐阜県関市 ネットが育てた観光地( 久保田麻利衣 署名記事)”. 中日新聞. (2016年11月24日) 
  16. ^ デルサタ”. デルサタツアーズ「おかずクラブ in 岐阜・関市」. 名古屋テレビ (2016年5月28日). 2016年6月9日閲覧。
  17. ^ 「今だけの絶景を求めて出かけよう!ホタル&花さんぽ」、『東海ウォーカー2016年6月号』、株式会社KADOKAWA、2016年5月26日発行、 57頁、2016年5月28日閲覧。
  18. ^ “『日本夏の絶景 死ぬまでに行きたい16ページ感動特集』” (日本語). 女性セブン (株式会社 小学館) 2016年6月9・16日合併号: 106-107頁. (2016年5月26日発行). http://www.shogakukan.co.jp/magazines/2092306116 2016年6月9日閲覧。. 
  19. ^ Station!”. ▽関市板取「モネの池」~その美しさの秘密に迫る!. 岐阜放送 (2016年6月1日). 2016年6月1日閲覧。
  20. ^ スイッチ!”. 初夏の絶景旅SP. 東海テレビ (2016年6月7日). 2016年6月11日閲覧。
  21. ^ 花咲かタイムス”. この時期見頃のモネの池がある!岐阜県・関市を推しタビ!. CBCテレビ (2016年6月11日). 2016年6月11日閲覧。
  22. ^ ぐっさん家”. ぐっさん! 岐阜県関市で絶景を巡る旅!. 東海テレビ (2016年7月9日). 2016年7月10日閲覧。
  23. ^ あさイチ”. ぽちポチまつり 無料スポットへGO!. 日本放送協会 (2016年7月12日). 2016年7月13日閲覧。
  24. ^ 一生に一度は見たい 五感を揺さぶる絶景夏ドライブ」、『(東海)じゃらん2016年9月号』、リクルートホールディングス、2016年8月1日発行、 40-41頁、2016年8月10日閲覧。
  25. ^ スタイルプラス”. 東海地方 秋の絶景5連発. 東海テレビ (2016年10月16日). 2016年11月17日閲覧。
  26. ^ ぶらり・ぎふ散歩”. モネの池(関市板取) ブームで観光地活性化 /岐阜. 毎日新聞 (2016年11月8日). 2016年11月28日閲覧。
  27. ^ おはよう日本”. まちかど情報室. 日本放送協会 (2016年11月16日). 2016年11月17日閲覧。
  28. ^ ワールドビジネスサテライト”. THE行列. テレビ東京 (2016年11月18日). 2016年11月19日閲覧。
  29. ^ モネの池近くの橋にハチの巣 通行止め”. 岐阜新聞Web (2016年9月14日). 2016年11月30日閲覧。
  30. ^ 「モネの池ゼリー」市職員が考案 関市”. 岐阜新聞Web (2016年10月21日). 2016年11月30日閲覧。
  31. ^ モネの池観光、スムーズに 駐車場整備への協力金箱設置”. 岐阜新聞Web (2016年11月3日). 2016年11月30日閲覧。
  32. ^ 「モネの池」ネットで拡散 岐阜の山あい、観光客絶えず”. 吉住琢二署名記事. 朝日新聞DIGITAL (2016年11月6日). 2016年11月30日閲覧。
  33. ^ フォトコンテスト テーマ II 部門 テーマ(夏)」、『風景写真』2012年7-8月号、風景写真出版、 118–119頁、2018年5月20日閲覧。
  34. ^ 受賞者コメント(写真入り)」、『風景写真』2012年7-8月号、風景写真出版、 176頁、2018年5月20日閲覧。
  35. ^ 天然写真家 前田博史”. 前田博史写真室. 2016年5月20日閲覧。
  36. ^ 風景写真出版からのおしらせ「風景写真Award2012展」”. 風景写真出版. 2016年5月20日閲覧。
  37. ^ “”モネの池”板取潤す”. 岐阜新聞中濃地域版 (青山和史 署名記事). (2015年11月7日) 
  38. ^ “モネの池”板取活況 ネットで人気に、悩みは駐車場 (青山和史 署名記事)”. 岐阜新聞web (2015年11月7日). 2016年5月7日閲覧。
  39. ^ “関・板取の池 人気で?濁り 住民ら水入れ換え (織田龍穂 署名記事)”. 中日新聞岐阜版. (2015年11月12日) 
  40. ^ 平成28年 せきしのよさん 39頁 「地域の宝磨き上げ事業」”. 関市. 2016年5月18日閲覧。
  41. ^ 平成28年度関市予算案重点事業 5頁”. 関市. 2016年5月19日閲覧。
  42. ^ 『2016年春デビュー!観光列車「ながら」でランチと「モネの池」2日間』”. 2016年5月31日閲覧。
  43. ^ 『長良川鉄道・観光列車「ながら」乗車・ランチ付き!「名もなき池」と郡上八幡の街並み2日間』”. 2016年5月31日閲覧。
  44. ^ 観光客 モネ効果で73万人増”. 中日新聞中濃地域版. (2017年3月4日) 
  45. ^ 必見!!関市のそっくりspot」、『おでかけドライブ中部版 2017-2018』、株式会社 流行発信、2017年3月13日発行、 77頁、2017年4月4日閲覧。
  46. ^ “日本の絶景さんぽ旅”. ぴあMOOK (ぴあ株式会社): 74-75頁. (2017年4月30日). ISBN 978-4-8356-3235-3. 
  47. ^ 岐阜バス 時刻表(平日・土日祝日) (PDF)”. 岐阜バス. 2016年5月27日閲覧。
  48. ^ 関シティバス 関板取線時刻表 (PDF)”. 関市. 2016年5月27日閲覧。
  49. ^ 板取地域バス 時刻表(平日) (PDF)”. 関市. 2016年5月27日閲覧。
  50. ^ 板取地域バス 時刻表(土日祝日) (PDF)”. 関市. 2016年5月27日閲覧。

外部リンク[編集]