モアサナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モアッサン石から転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動
モアサナイト Moissanite
moissanite loose
分類 元素鉱物
化学式 SiC
結晶系 六方晶系
へき開 なし
断口 貝殻状
モース硬度 9.5
光沢 金属光沢
黒色緑色黄色
条痕 灰緑色
比重 3.218 - 3.22
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
テンプレートを表示

モアサナイト(Moissanite)は、鉱物の一種である。別称モアッサナイト、モアッサン石

性質[編集]

組成炭化ケイ素であり、化学式はSiCで表される。結晶系六方晶系であり、色は黒色から緑色。比重は3.21。純粋な炭化ケイ素は無色透明と言われており、モアサナイトの色は窒素アルミニウムなどIII族V族元素の原子が結晶格子に入り込んで作る不純物準位による。

ダイヤモンド型の骨組みの中に炭素ケイ素が交互に積み重なっており、ダイヤモンドケイ素の間を取ったような性質を示す。

硬さ(モース硬度)において、モアサナイトの硬度は9.25 - 9.5と、宝石の中ではダイヤモンドの10に次ぐ値を持ち、工業用の研磨剤としても活用されている。 また、大きな力が加えられた際の割れにくさを表す指標では、ダイヤモンドよりも高く評価されている[1]

宝石としての価値を左右する輝きにおいては、モアサナイトはダイヤモンドを上回る。輝きの強さを表す光の屈折率では、ダイヤモンドの2.42に対し2.65 - 2.69、きらめきを作り出す光の分散度では、ダイヤモンド0.044に対し、モアサナイトは0.104 と、ダイヤモンドのほぼ2.5倍の値を示す[1]

ダイヤモンドには油脂に対する親和性があるため、皮脂などを吸着しやすいが、モアサナイトは油脂に対する親和性が低い[1]

近年、炭化ケイ素は半導体としての需要が増しており、高純度で大型の結晶が工業的に大量に合成されるようになった。このため、ジュエリー用途の合成も盛んに行われている。

モアッサン石 Moissanite
モアサナイト Moissanite

産出[編集]

モアサナイトは地球上で天然に産出するのはまれで、ほとんどは隕石中に産出する。初めて発見されたモアサナイトはアメリカ・アリゾナ州のキャニオン・ディアブロ隕石からである(1893年)[2]。また、アエンデ隕石に含まれるモアサナイトは、超新星爆発の際に吹き飛ばされた粒子が由来とされている。


人工宝石としての利用[編集]

宝石としてのモアサナイトを初めて人工的に製造したのは、アメリカのチャールズ&コルバード社である。同社は、人工宝石としての炭化ケイ素の製造工程における特許を取得し、1998年に世界で初のモアサナイトジュエリーの販売を開始した[1]。なお、この製造特許はアメリカでは2015年に有効期限を迎えたのを皮切りに、2016年には世界25か国、2018年にメキシコでも有効期限を迎えており[3]、現在ではアメリカをはじめとする各国で質の高い人工モアサナイトの製造が行われている。

一部のジュエリー業者などでは、「モアッサナイト ダイヤモンド」と呼称して販売している場合もあるが、キュービックジルコニアをモアッサナイトとして販売している詐欺業者も多いので、販売業者に確認すべきである。合成宝石の中では高価な部類であり、ダイヤモンドとは異なる石であるが、価値や希少性を除けば、硬度はさほど劣らず、ダイヤモンドに劣らない輝きや透明度があってコストパフォーマンスに優れているため、選択肢として選ぶ価値のあるジュエリーであると言える。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d Our Moissanite & Socially Responsible Jewelry | Charles & Colvard”. www.charlesandcolvard.com. 2019年1月17日閲覧。
  2. ^ texte, Académie des sciences (France) Auteur du (1904年7月). “Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des sciences / publiés... par MM. les secrétaires perpétuels” (フランス語). Gallica. 2019年1月17日閲覧。
  3. ^ Moissanite Gem Patent restrictions by country and year of expiration”. betterthandiamond.com. 2019年9月7日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]