メルセデス・ベンツ・OM642エンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
OM642

メルセデス・ベンツ OM642エンジンとは、メルセデス・ベンツV型6気筒ディーゼルエンジンの系列である。 従来の直列5気筒および直列6気筒ディーゼルエンジンの後継として開発2005年に発表された。「ダイムラー・クライスラー」時代のエンジンであり、クライスラー車にも搭載された[1]北米で販売された車種に搭載されたため、2007年2008年Ward's テン・ベスト・エンジンに選ばれている。

補機類を含めたエンジン全体の形状を立方体に近づけて車体パッケージ効率を向上させる「ワンボックスコンセプト」に基づいて設計されている[1]クランクシャフトは4ベアリング構成でバンク角は72度になっており、左右バンクの間に吸気系やターボチャージャーなど補機類を配置している。また、動弁系はDOHC4バルブでローラーロッカーフォロワーで作動され、カムシャフトは排気側をチェーンで駆動、そこからギアを介して吸気側を駆動するなど、コンパクトな設計になっている。

燃料噴射は最大噴射圧力1,600 barボッシュ第3世代のピエゾ式インジェクターを使用するコモンレール直噴仕様である[1]。ピエゾ式インジェクターを使用することで1燃焼あたり5回の噴射が可能になっている。 排出ガスの後処理には、重量車用は尿素SCRシステムであるブルーテック(BlueTech)が、軽量車用はNOx吸蔵還元触媒が、それぞれ採用されている。

このエンジンは平成14年自動車排出ガス規制(新短期規制)自動車NOx・PM法をクリアしており、2007年平成19年)12月に発売された2008年(平成20年)モデルから平成17年規制(新長期規制)へ適合した。

CクラスからSクラスにまで搭載され、最も高出力のものは最大出力195 kW、最大トルク620 Nmとなっている(欧州モデルのC350 CDI BlueEFFICIENCY、他)[1][2]ドイツベルリンの工場で生産されている。

バリエーション[編集]

エンジン型式 総排気量
cc
ボア×ストローク
mm
圧縮比 最高出力
kW(PS)/rpm
最大トルク
Nm(kgm)/rpm
搭載モデル 販売期間
642 2,986 83.0×92.0 17.7 155 (211)/
3,400
540 (55.1)/
1,600-2,400
E320 CDI アバンギャルド (W211) 2006年8月-2010年1月
E320 CDI ステーションワゴン アバンギャルド (S211) 2006年8月-2010年1月
E350 ブルーテック アバンギャルド (W212) 2010年2月-2013年4月
E350 ブルーテック ステーションワゴン アバンギャルド (S212) 2010年2月-2013年4月
ML 350 ブルーテック 4マチック (W164) 2010年5月-2012年5月
G 350 BlueTEC (W463) 2013年9月-
15.5 185 (252)/
3,600
620 (63.2)/
1,600-2,400
E 350 ブルーテック アバンギャルド (W 212) 2013年5月-
E 350 ブルーテック ステーションワゴン アバンギャルド (S 212) 2013年5月-
190 (258)/
3,600
620 (63.2)/
1,600-2,400
ML 350 ブルーテック 4マチック (W166) 2012年6月-
GL 350 BlueTEC (X166) 2015年1月-

関連項目[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d 「World Engine Databook 2011-2012」『Motor Fan illustrated 特別編集 ワールド・エンジン・データブック 2011-2012』、三栄書房、2011年、58-59頁。ISBN 978-4-7796-1336-4
  2. ^ Mercedes-Benz UK -Model information- C-Class Saloon technical data Mercedes-Benz UK(2012年1月14日閲覧)