メルセデス・ベンツ ゼトロス

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メルセデス・ベンツ ゼトロス
メルセデス・ベンツ ゼトロス

メルセデス・ベンツ ゼトロスMercedes-Benz Zetros)は、過酷な環境下での使用を意図したメルセデス・ベンツにより開発された路外走行が可能なトラックである。

概要[編集]

ゼトロスは、パリで開催された2008年ユーロサトリ(防衛機器展示会)で初めて発表された。生産はドイツヴェルト・アム・マインにあるメルセデス・ベンツのトラック工場で行われている[1]。このトラックは、C-130 ハーキュリーズ輸送機とドイツ鉄道の標準貨車に積載できるように設計されている[2]。 キャビン側面にシュノーケルを備え、水深1.2mまでの渡渉能力がある。

ブルガリア陸軍は、2009年にゼトロスを発注した[3]

モデル[編集]

ゼトロスは、出力326馬力 (243 kW)のエンジンと全輪駆動の組み合わせのみである。

  • ゼトロス 1833 (4x4)
  • ゼトロス 2733 (6x6)

日本への寄贈車両[編集]

日本に寄贈されたゼトロス。車体に手書きの応援メッセージが多数書かれている

ゼトロスは基本的には軍用使用を前提としており、日本の保安基準等に適合しないため発売以来日本とは無縁の車両であったが、2011年東北地方太平洋沖地震の発生を受け、メルセデス・ベンツの親会社・ダイムラーAGより復興支援として日本に8台(1833が7台、2733が1台)のゼトロスが日本財団を通じて寄贈された[4]。このうち2台の1833はクレーン付き三転ダンプ、残りは通常の荷台となっている。

これらの車両はもともと見本車としてヨーロッパ各地の販売店に配置されていたものを緊急にかき集め、ダイムラー本社で日本で使用するための最低限の改造を施され急遽空輸されたもので、各車とも塗装や細部仕様が異なり、一部の車両には車体の周囲にダイムラー社員からの応援メッセージが無数に書き込まれている。この改造を施しても日本の保安基準に適合しないことに変わりはないが、緊急事態であることを鑑みて2年間限定で公道走行を特別に許可され、一般車両の進入が不可能な、特に被害状況のひどい地域での土砂搬出に使用された。

なお、これ以外にもウニモグ4台、軍用型Gクラス8台、傘下の三菱ふそうトラック・バスキャンター30台が寄贈された。

2013年8月、被災地の道路の応急整備がほぼ済み、ゼトロスの公道走行認可も切れたことから、日本財団はキャンターを除くダイムラー寄贈車両の使用を終了した。これに伴い、復興作業に使用されたゼトロス1833のうちの1台が、ウニモグ・Gクラス各1台と合わせて日本自動車博物館に寄贈・展示されることになり、残りの車両は三菱ふそうが引き取って保管することになった[5]。三菱ふそうが引き取った車両は、後に同社主催の試乗会で試乗が行われた[6]

出典[編集]

  1. ^ http://www.daimler.com/dccom/0-5-8792-49-36829-1-0-0-0-0-0-91-7145-0-0-0-0-0-0-0.html
  2. ^ http://www.special-trucks.eu/webspecial_zetros/
  3. ^ http://www.logistika.bg/adetails/2/1/85/95
  4. ^ http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20110422_441392.html
  5. ^ http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130826_612613.html
  6. ^ http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131023_620457.html

外部リンク[編集]