メチルエルゴメトリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
メチルエルゴメトリン
Methylergometrin.svg
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 メテルギン、パルタンM、Methergine
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
MedlinePlus a601077
胎児危険度分類
  • Contraindicated
法的規制
  • JP: 劇薬、処方箋医薬品
  • (Prescription only)
投与方法 経口、経静脈、皮下、筋肉内
薬物動態データ
代謝 肝臓
半減期 30–120 min
排泄 Mostly bile
識別
CAS番号
113-42-8 チェック
ATCコード G02AB01 (WHO)
PubChem CID: 8226
IUPHAR/BPS 150
ChemSpider 7933 ×
UNII W53L6FE61V ×
ChEMBL CHEMBL1201356 ×
別名 Methylergobasine
Methylergobrevin
Methylergonovine
化学的データ
化学式 C20H25N3O2
分子量 339.432 g/mol
物理的データ
融点 172 °C (342 °F)
水への溶解量 insoluble mg/mL (20 °C)
テンプレートを表示

メチルエルゴメトリン (Methylergometrine, またはメチルエルゴノビン, methylergonovine、メチルエルゴバシン, methylergobasin、D-リゼルグ酸-1-ブタノールアミド) は、エルゴノビン(エルゴメトリン)や幻覚剤である麦角アルカロイド の合成アナログ。(麦角菌や、多くの種類の朝顔が含有する。 またこの エルゴリン(ergoline) 系化合物には、LSD、 エルジン(ergine)、 エルゴメトリン(ergometrine)リゼルグ酸などがある。 その 子宮収縮作用から産婦人科領域で用いられている。 ジョナサン-オットによると、メチルエルゴノビンは2mg以上で LSD様の作用を示す。メチルエルゴノビン[要出典]は 5HT2A-mGlu2 受容体のサブユニットに作用する。 臨床効果は200 µgで、10分の1以下の量で幻覚剤として作用する。

メチルエルゴメトリン・マレイン酸の製品名は「メテルギン 」(Methergine)(ノバルティス製造販売)、「パルタンM」(持田製薬製造販売)である。

適応症[編集]

子宮収縮の促進並びに子宮出血の予防及び治療の目的で次の場合に使用する。

胎盤娩出前後、弛緩出血子宮復古不全帝王切開術、流産人工妊娠中絶

用途[編集]

産科[編集]

メチルエルゴメトリンは平滑筋収縮薬であり、主に 子宮で作用する。 これは分娩時の過剰な出血を治療する、または予防するために用いられる。流産や人工妊娠中絶でも用いられる。胎盤娩出を促進するために用いられることもある。錠剤、水溶液、注射薬として用いられる[1][2][3]

片頭痛[編集]

メチルエルゴメトリンは片頭痛の予防[4]または急性期の治療に[5]用いられることがある。メチルエルゴメトリンは、メチセルジド methysergideの活性代謝物である。

禁忌[編集]

メチルエルゴメトリンは 高血圧症 、妊娠子癇には禁忌である[1]HIV 陽性患者で プロテアーゼ阻害剤であるデラヴィルジン delavirdine と エファビレンツefavirenz とも併用禁忌である。(これらは5HT2A-mGlu2受容体サブユニットのアゴニストであり、メチルエルゴメトリン投与時の幻覚を増強させる。)[6]

副作用[編集]

副作用:

過量投与では、メチルエルゴメトリンは筋攣縮、呼吸抑制 と昏睡を引き起こす。

相互作用[編集]

メチルエルゴメトリンは、肝臓CYP3A4を阻害する薬物と相互作用を示す。アゾール系抗真菌薬(azole antifungals)、マクロライド系抗生物質(macrolide)や多くのHIV治療薬などが該当する。 メチルエルゴメトリンは交感神経作動薬や麦角アルカロイドと同様に血管を収縮作用を増強させる。[1]

作用機序[編集]

メチルエルゴメトリンは セロトニンドーパミン および α-アドレナリン 受容体の部分的アゴニスト/アンタゴニストである。 その特異的なな結合・活性化のパターンにより、子宮平滑筋を 5-HT2A セロトニン受容体[7]を通じて収縮させる。全身の血管への影響は、その他の麦角アルカロイドに比べて少ない。

参照[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Jasek, W, ed (2007) (German). Austria-Codex (62nd ed.). Vienna: Österreichischer Apothekerverlag. pp. 5193–5. ISBN 978-3-85200-181-4. 
  2. ^ Mutschler, Ernst; Schäfer-Korting, Monika (2001) (German). Arzneimittelwirkungen (8 ed.). Stuttgart: Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft. p. 447. ISBN 3-8047-1763-2. 
  3. ^ Fachinformation des Arzneimittel-Kompendium der Schweiz: Methergin (ドイツ語)
  4. ^ Koehler, PJ; Tfelt-Hansen PC (Nov 2008). “History of methysergide in migraine.”. Cephalalgia 28 (11): 1126–35. doi:10.1111/j.1468-2982.2008.01648.x. PMID 18644039. 
  5. ^ Niño-Maldonado, Alfredo; Gary Caballero-García; Wilfrido Mercado-Bochero; Fernando Rico-Villademoros; Elena P Calandre (8 Nov 2009). “Efficacy and tolerability of intravenous methylergonovine in migraine female patients attending the emergency department: a pilot open-label study”. Head Face Med 5 (21). doi:10.1186/1746-160X-5-21. PMC: 2780385. PMID 19895705. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2780385/. 
  6. ^ http://www.drugs.com/monograph/methylergonovine-maleate.html
  7. ^ Heinz Pertz, Eckart Eich (1999). “Ergot alkaloids and their derivatives as ligands for serotoninergic, dopaminergic and adrenergic receptors”. In Vladimír Křen,Ladislav Cvak. Ergot: the genus Claviceps. CRC Press. pp. 411–440. ISBN 978-905702375-0.