メガロドン

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メガロドン
Megalodon shark jaws museum of natural history 068.jpg
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
中新世 - 鮮新世
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
亜綱 : 板鰓亜綱 Elasmobranchii
: ネズミザメ目 Lamniformes
: Otodontidae またはネズミザメ科 Lamnidae
: カルカロクレス、またはホホジロザメ属 Carcharodon
Smith, 1838
: ムカシオオホホジロザメ
C. megalodon
学名
Disputed; Carcharodon megalodon or Carcharocles megalodon
和名
ムカシオオホホジロザメ
英名
Megalodon

メガロドンは、約1,800万年前から約150万年前[注釈 1]新生代第三紀中新世半ばから鮮新世)にかけての、海が比較的暖かった時代に生息していたサメの一種である。

正式にはメガロドンこと カルカロクレース・メガロドーンCarcharocles megalodon)という。なお、カルカロドーン・メガロドーンCarcharodon megalodon)の方は、本種を現生のホホジロザメ(Carcharodon carcharias)の同属とする説に基づく学名である。和名としてはムカシオオホホジロザメ(昔大頬白鮫)の名がつけられているが、前者のカルカロクレス・メガロドンに対応する標準和名は特に合意されていない為、どちらにせよ和名では「ムカシオオホホジロザメ」と呼ばれる。

特徴[編集]

Carcharodon megalodonメガロドン 19m:灰~ 15m:赤紫)、Rhincodon typusジンベエザメ 11m:紫)、Carcharodon carchariusホホジロザメ 6m:緑)、Homo sapiens(人:青)。この比較図では、メガロドンの値を大きくとり、ジンベエザメの値を小さくとっている。
メガロドンの歯(左)とホホジロザメの歯(右の2つ)

全長は最大個体の推定値で約13メートル[1][2]または約20メートルといったものまで[3]幅が広い。サメは軟骨魚類であり、化石には通常は歯しか残らない。そのため、化石のみで正確な生前の姿を復元することは困難であり、現行の生態復元図は全て想像によるものである。いずれにしても、現生のホホジロザメ(最大個体の推定値約6.0メートル)よりはるかに大きく、現世魚類では最も大きいジンベエザメ(最大個体で約13.7メートル)とほぼ同大である。さらに巨大な40メートル説はすべての歯が最大化石で構成されているとして復元したもので、現在では否定されている。


学名と分類[編集]

メガロドン(megalodon) という名は、古代ギリシア語: μέγας (megas; 語幹: megal-) 「大きい」 + ὀδούς (odous; 語幹: odont-) 「歯」の合成語である。 古生物は一般に、学名の「属名」部分で呼ばれる事が多いが、メガロドンの場合は「種小名」であって属名ではない。

現生のホホジロザメと近縁という考えから、カルカロドン(=ホホジロザメ属の)・メガロドンCarcharodon megalodon)という学名が主流であったが、近年では、完全には置き換わっていないものの、カルカロクレス・メガロドンCarcharocles megalodon)の方が、学術レベルにおいては広く受け入れられている[4]

本種が後者のカルカロクレスであるとする学説では、その系統はホホジロザメの属するネズミザメ科ではなく、(ネズミザメ目には含まれるが)メガロドンを最後に絶滅した otodus という古代ザメの系統に属するとする。シノニム(異名)には他に、 Procarcharodon megalodonCasier, 1960)もある。

生息した時代[編集]

巨大な牙で二頭のクジラを捕食するメガロドンの想像図

新生代第三紀始新世(約5,500万-約3,800万年前)に登場したクジラの仲間は、中新世(約2,300万-約500万年前)にはさまざまな種類に進化し生息数も増加した。現在のハクジラヒゲクジラの仲間のほとんどは中新世末期に登場している。こうした中新世から鮮新世にかけての脊椎動物が豊富にいたと思われる温暖な海域の地層から、クジラとともにメガロドンの化石が大量に見つかっており、大型のクジラの背骨やヒレの骨格の化石には、ノコギリ状の縁が特徴的なメガロドンの歯による噛みあとが見られることから、メガロドンはクジラ類などを捕食していたことがわかる。

絶滅[編集]

メガロドンの顎歯の復元模型(京急油壺マリンパークに展示)

メガロドンは鮮新世(約600万-約200万年前)中期に絶滅したと考えられている。これは、大陸棚の海水温低下と、クジラが寒冷な海域に逃げ込んだことによって、その生態的地位が存在しえなくなったためとされる。変温動物であるサメは恒温動物であるクジラのようには低温の環境に適応できない。

ただし『アニマルプラネット[5]で放映された異説には、

  • メガロドンが属するとされるネズミザメ科は一般に奇網と呼ばれる体温維持システムを備えている。
  • ある程度寒冷化が進んだ後の高緯度地方からも本種の歯牙化石が発見されている。

ゆえに寒冷化が主因という見方はおかしく、

  • 同じくクジラを捕食するシャチがクジラ類から出現するのとほぼ同時に本種が絶滅している。
  • サメ類は浮袋を備えないため巨大化するほど遅くなる傾向がある。奇網がなかったのならウバザメジンベエザメより著しく素早く機敏であったと考える合理的根拠は無い。奇網があったにせよ速度などでは、遊泳能力が高いとはいえないホホジロザメより劣るはずである。
  • 現生ナガスクジラと同大の鯨類を捕食していたように語られるが、外洋に適応したばかりの4m程度の原始的なクジラ類ケトテリウムなどが主食だったはずであり、彼らも現生のクジラ類に淘汰されメガロドンにやや遅れて絶滅している。

つまりメガロドンにとって餌も対抗種も急激に強力になり、進化について行けず淘汰されたという異説もある。

生存説[編集]

海中の大型捕食動物は、陸上よりも気候の変化等に影響されにくいと考えられており、1918年オーストラリアの巨大ザメ目撃談や1954年に船に突き刺さった“ホホジロザメの物と同様の形状を持つ巨大なサメの歯(長さ10センチメートル)”などから、今でも未確認動物学者などが生存説を主張している。約6,000年前のものと思われる歯の化石も発見したと主張されている[要出典]が、学問的には捏造とされている。またその個体数を維持するための獲物として不可欠であろう小型の鯨類がほぼ存在しないため、生存していたとしても生息数は非常に少ないとみられる。

日本とのかかわり[編集]

日本においてメガロドンの歯の化石は長らく「天狗の爪」とされていた。

完全に近いと思われるメガロドンの歯が1989年、埼玉県で出土している。サメの歯の化石は一本一本バラバラに発見されることが多いが、この化石には1個体の上下の歯が73本含まれていた。埼玉県自然史博物館(平成18年4月から埼玉県立自然の博物館)では、このセットを用いたメガロドンの顎の復元が展示されている。この復元はカルカロドン(ホホジロザメ属)説に基づき復元され、全長12メートルの個体であったと考えられている[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 生息年代については諸説あり、2800万年-150万年前とされることもある(英語版Wilipediaより)。

出典[編集]

  1. ^ Helfman, Gene; Collette, Bruce; Facey, Douglas (1997). The diversity of fishes. Wiley Blackwell. ISBN 978-0-8654-2256-8.
  2. ^ Randall, John (July 1973). "Size of the Great White Shark (Carcharodon)". Science Magazine: 169–170.
  3. ^ Klimley, Peter; Ainley, David (1996). Great White Sharks: The Biology of Carcharodon carcharias. Academic Press. ISBN 0124150314.
    (20メートル説は、「この位の大きさの歯があるかもしれない。それ位の歯が存在したとすれば、全長はこれぐらいになるだろう」という想像によるもの。だが同著自体が、ホホジロザメの成長カーブをそのまま適用してこれらのサイズを算出する手法を、「空想的で恐らくやり過ぎ」と書いている。)
  4. ^ http://www.fossilguy.com/topics/megshark/megshark.htm
  5. ^ http://animal.discovery.com/
  6. ^ http://www.kumagaya.or.jp/~sizensi/exhibit/shark/sharktop.html

関連項目[編集]

外部リンク[編集]