ライラック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ムラサキハシドイから転送)
ライラック(ムラサキハシドイ)
ライラック
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: モクセイ目 Oleales
: モクセイ科 Oleaceae
: ハシドイ属 Syringa
: ライラック S. vulgaris
学名
Syringa vulgaris L. (1753)[1]
和名
ムラサキハシドイ(紫丁香花)[1]
英名
Lilac

ライラック(紫丁香花[注釈 1]英語: Lilac学名: Syringa vulgaris)はモクセイ科ハシドイ属落葉低木フランス語からリラ (Lilas) とも呼ばれる[3]。標準和名ムラサキハシドイ(紫丁香花[3]・洋丁香[3])。ヨーロッパ南部原産[3]中国名は歐丁香[1]街路樹などによく植えられる[3]

特徴[編集]

落葉広葉樹低木[3]樹皮は淡灰色で縦に裂けて剥がれる[3]。一年枝はやや細く、灰褐色で無毛[3]

花期は春(日本では4 - 5月)[3]紫色白色などの花を咲かせ[3]、香りがよく、香水の原料ともされる。香気成分の中からライラックアルコールという新化合物が発見された[4]。耐寒性が強く花期が長いため、冷涼な地域の代表的な庭園木である[5]。花冠の先は普通4つに裂けているが、まれに5つに裂けているものがあり、これは「ラッキーライラック」と呼ばれ、恋のまじないに使われる[5]。冬でも種子を飛ばした後の果実が残る[3]

冬芽は卵形で稜があり、紫色で光沢があり、芽鱗6 - 8枚に包まれている[3]。枝先の仮頂芽は大きく、ふつう花芽であることが多く、枝には小さい側芽(葉芽)が対生する[3]。葉痕は小さな三日月形や半円形で、維管束痕が多数並ぶ[3]

日本には近縁種ハシドイ Syringa reticulata が野生する。開花はライラックより遅く、6-7月に花が咲く。ハシドイは、俗称としてドスナラ(癩楢、材としてはナラより役に立ちにくい意味)とも呼ばれることがある。

ハシドイの名は、木曽方言に由来する[要出典]。属の学名 Syringa は笛の意で、この木の材でを作ったことによるという。

象徴[編集]

  • ライラックまたはハシドイを象徴とする日本の地方公共団体の一覧。
  • 欧州民間伝承では白い花のライラックを家に持ち込むと不吉なことが起こるとされている。

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「ムラサキハシドイ」とも読むが、慣例的に「ライラック」とも読む[2][出典無効][独自研究?]

出典[編集]

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Syringa vulgaris L. ムラサキハシドイ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月9日閲覧。
  2. ^ 難読漢字 .jp”. 2020年3月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 46
  4. ^ 若山誠治,南波哲,大野雅二「ライラック花の香気成分」『日本化學雜誌』第92巻第3号、The Chemical Society of Japan、1971年、256-259頁、doi:10.1246/nikkashi1948.92.256 
  5. ^ a b ライラックとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版”. みんなの趣味の園芸. 2020年6月19日閲覧。

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、46頁。ISBN 978-4-416-61438-9