ムナジロカワガラス

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ムナジロカワガラス
ムナジロカワガラス
ムナジロカワガラス Cinclus cinclus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: カワガラス科 Cinclidae
: カワガラス属 Cinclus
: ムナジロカワガラス
C. cinclus
学名
Cinclus cinclus (Linnaeus, 1758)[1][2]
和名
ムナジロカワガラス[3]
英名
Dipper[1][3]
White breasted dipper[1][2][4]

ムナジロカワガラス (Cinclus cinclus) は、鳥綱スズメ目カワガラス科カワガラス属に分類される鳥類。

分布[編集]

アイルランドアゼルバイジャンアフガニスタンアルジェリアアンドライギリスイタリアイラクイランインドウクライナウズベキスタンエストニアオーストリアカザフスタン北マケドニアギリシャキルギスクロアチアジョージアスイススウェーデンスペインスロバキアスロベニアセルビアタジキスタンチェコ中華人民共和国デンマークドイツトルクメニスタントルコネパールノルウェーパキスタンハンガリーフィンランドブータンフランスブルガリアベルギーポーランドボスニア・ヘルツェゴビナポルトガルミャンマーモロッコモンゴル国モンテネグロラトビアリヒテンシュタインルーマニアルクセンブルクレバノンロシア[1]キプロスでは絶滅[1][4]

形態[編集]

体長は17~20cm[5]。和名の名の通り喉から胸にかけて白い羽毛が生えている。胸から足の付け根部分と頭頂部には赤褐色の羽毛が生えており、それ以外は黒色の羽毛である。と尾の根元にある尾腺から脂のような分泌物によって羽毛は撥水性に優れている[6]。羽毛の下には厚い綿毛が生えており、寒さや冷たい水から体を守っている。翼は短いが水かきのような働きを持ち、水中で前に進んだり、方向転換するときに役立つ。

分類[編集]

以下の亜種の分類・分布は、IOC World Bird List (v10.2)に従う[2]

Cinclus cinclus cinclus (Linnaeus, 1758)
ヨーロッパ北部、スペイン北部、フランス中部および西部(コルシカ島含む)、サルデーニャ
Cinclus cinclus aquaticus (Bechstein, 1797)
ヨーロッパ中部および南部
Cinclus cinclus baicalensis Dresser, 1892
シベリア中南部および南東部
Cinclus cinclus cashmeriensis Gould, 1860
ヒマラヤ中部および西部
Cinclus cinclus caucasicus Madarász, 1903
トルコからコーカサス地方、イラク北部、イラン北部
Cinclus cinclus gularis (Latham, 1801)
イングランド北部・西部および中部、ウェールズ、スコットランド(西部を除く)
Cinclus cinclus hibernicus Hartert, 1910
アイルランド、スコットランド西部
Cinclus cinclus leucogaster Bonaparte, 1850
アフガニスタン・パキスタン北部から中華人民共和国北西部、ロシア中南部
Cinclus cinclus minor Tristram, 1870
アフリカ北西部
Cinclus cinclus olympicus Madarász, 1903 (絶滅亜種)
キプロス
Cinclus cinclus persicus Witherby, 1906
イラン南西部
Cinclus cinclus przewalskii Bianchi, 1905
中華人民共和国西部、チベット南部、ヒマラヤ東部
Cinclus cinclus rufiventris Tristram, 1885
シリア西部、レバノン
Cinclus cinclus uralensis Serebrovski, 1927
ウラル山脈

生態[編集]

温帯域や亜寒帯域にある、流れの速い河川や渓流の周辺に生息する[4]。餌は主に水性の無脊椎動物や小さな川魚を食べる[5]。川底まで泳いで歩きながらくちばしで水草を探ったり、石をひっくり返したりして餌を探すこともある。

繁殖期は春のはじめに訪れる。交尾後にムナジロカワガラスのつがいは協力して橋の下や滝の奥、岩壁にドーム状の巣を作り始める[7]。主に4月に、4 - 5個に産む[4]。卵は15 - 16日で孵化する[4]。それから14~18日間にわたり、メスが卵を抱いて雛を孵化させる[5]。早ければ孵化してから9日半、遅くても孵化してから15日で独立する[4]

人間との関係[編集]

分布が非常に広く生息数も多いと考えられており、2018年の時点では種として絶滅のおそれは低いと考えられている[1]。一方で水質汚染やダム建設・灌漑事業などにより、生息数は減少している[1]

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h BirdLife International. 2018. Cinclus cinclus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22708156A131946814. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22708156A131946814.en. Downloaded on 24 October 2020.
  2. ^ a b c Dippers, leafbirds, flowerpeckers, sunbirds, Gill, F & D Donsker (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.2). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.2. (Downloaded 24 October 2020)
  3. ^ a b 山階芳麿 「ムナジロカワガラス」『世界鳥類和名辞典』、大学書林、1986年、472頁。
  4. ^ a b c d e f Aqua Nara Dakota, 2009. "Cinclus cinclus" (On-line), Animal Diversity Web. Accessed October 24, 2020 at https://animaldiversity.org/accounts/Cinclus_cinclus/
  5. ^ a b c Dipper, Cinclus cinclus”. NatureGate. 2018年6月25日閲覧。
  6. ^ 鼻歌で滝の中を潜り抜ける鳥、ムナジロカワガラスSWI swissinfo.ch.2018年6月25日閲覧。
  7. ^ ムナジロカワガラスのメディア - ARKive英語版

関連項目[編集]