ミルヴィナ・ディーン

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ミルヴィナ(右)と兄・バートラム(左)。1913年撮影。

エリザベス・グラディス “ミルヴィナ” ディーン(Elizabeth Gladys “Millvina” Dean、1912年2月2日 - 2009年5月31日)はイギリス在住の女性である。タイタニック号の最年少乗客で最後の生存者だった。

生い立ち[編集]

1912年に農業を営む父・フランクと母・エヴァの長女として誕生。1歳年上の兄・バートラムがいる。その後タバコ店を開くためアメリカへ移住する両親に伴われ、タイタニック号の3等船室に乗船。当時生後9週間で、タイタニック号の乗船者の中でもっとも若く、また唯一の1912年生まれであった。同年4月15日の沈没事故でミルヴィナとエヴァ、バートラムは救命ボートに避難し生還するが父フランクを失う。生還した母子はその後イギリスに帰り政府系機関や工業系商社で働き生涯結婚することはなかった。

晩年イギリスのサウサンプトンで暮らしていた彼女は、同じくタイタニック号生存者であるリリアン・アスプランドバーバラ・ウェスト・ダニントンとは異なり公の場に比較的よく出ている。もっとも事故当時は生後9週間で、7歳のとき母親に聞かされるまで自身がタイタニック号の乗船者であることは知らされていなかった。

ディーン親子が避難した救命ボートは10号ボートで左舷のやや船尾に設置されており、約40名の人がこのボートに避難し救出されている。これ以前におろされたボートは基本的に1等船客しか乗っていないため、ディーン親子は約300名の2等船客及び3等船客生還者の中でも1番早く船から脱出した部類に入る。なお、2007年に亡くなったダニントンや唯一の日本人乗船者である細野正文もこのボートに乗り込み生還している。

2006年に腰の骨を折ってからは、サウサンプトンの老人ホームで暮らしていたが、滞在費用の工面に困り、2008年10月にはタイタニック号の思い出の品を競売にかけるなどしていた。 2009年、この窮状を見かねたレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット(共に1997年の映画『タイタニック』に主演)が、彼女の老人ホーム費用を援助した。2人は声明の中で、ディーン氏が将来の安全を感じてゆっくりと休養できることを希望する、と述べている[1]

2009年5月31日、サウサンプトンの老人ホームにて97歳で死去。これによりタイタニック号の生存者は全て死亡した事になる[2]

脚注[編集]

  1. ^ http://www.varietyjapan.com/news/showbiz/2k1u7d00000nh66b.html
  2. ^ “「タイタニック号」最後の生存者が死去…当時生後9週間”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2009年6月1日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090601-OYT1T00304.htm 2009年6月1日閲覧。