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バール (単位)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミリバールから転送)
バール
bar
記号 bar
度量衡 メートル法
非SI単位
圧力
SI 100 kPa[1]
定義 パスカル又はニュートン毎平方メートルの十万倍[2]
由来 106 dyn/cm2
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バール英語: bar)は、圧力単位である。105 Pa に等しい。メートル法系の単位であるが、MKS単位系CGS単位系のどちらにおいても一貫性のない単位である。また、メートル法から発展した国際単位系 (SI) にも含まれない非SI単位であり、SIの国際文書では、第8版(2006年)までは「その他の非SI単位」として記載されていた[1]が、現行の第9版(2019年)からは全く記載されていない。

かつて気象分野ではバールの 1/1000 であるミリバール(記号:mbar)が使われたが、ヘクトパスカル(記号:hPa)に置き換えられた。

日本では、計量法においてバールを基本的な計量単位として位置付けており[3]、使用分野を特に限定していない[2]。計量法の改正により圧力の単位は1992年12月からSIであるパスカル(記号:Pa)を使用することになった。

定義と大きさ

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元々のバールの定義は、106 ダイン(記号:dyn)(1メガダイン)の力が 1平方センチメートル (cm2) の面積に作用する時の圧力であった。これは 1 atm(1気圧)にできるだけ近い値として定められたものである。正確には 1 atm = 1.013 25 bar = 1013.25 mbar = 1013.25 hPa である。約 1.3 % の差があるが、気圧計の測定精度を考えると実用上はほぼ同じとみなせる。

これはCGS単位で表すと 1 bar = 106 b = 106 dyn/cm2、MKS単位 (SI) で表すと 1 bar = 105 Pa = 105 N/m2 である。

1気圧にほぼ等しい単位として定められたため、CGS単位系においてもSIにおいても、基本単位だけから組み立てることはできず、10のの係数が付く(一貫性がない)。このため非SI単位である。

単位記号

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バールの単位記号は、barである[4]

ミリバールの単位記号は mb とすることもあったが、バール単独、あるいは他の派生単位中のバールを b とすることはあまりなかった。なお b は本来、CGS単位系の圧力の単位であるバリ (barye) の記号である。

歴史

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1911年、気象学者ヴィルヘルム・ビヤークネスが提唱し、1914年から気象通報に使われ始めた[5]

バールの名は、重さを意味する ギリシア語: βάροςbáros)に由来する。同じ語源の単位にバリがあり、かつてはそれをバールと呼ぶこともあった[5]

日本の気象分野では、古くは水銀柱ミリメートル(記号:mmHg)が使われていたが、1945年からミリバールに切替えられ、さらに1992年12月にヘクトパスカルに切替えられた。

国際単位系の公式の国際文書では、1970年から1991年までは暫定的に使用できる単位、1998年には現今では使用できる単位、2006年にはその他の非SI単位と位置づけられていたが、2019年の第9版においては全く認められなくなった。

アメリカでは現在もミリバールが使われている[6]

ヘクトパスカルの採用理由

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ミリバールからの変更に際し、本来ならば他の単位と同じように、103 ごとのSI接頭語を用いて、キロパスカル (kPa) に移行し、たとえば 1000 ミリバール → 100 キロパスカルとすべきところである。しかし、通常はほとんど使われないSI接頭語であるヘクトを用いて、ヘクトパスカルが採用された。

1 bar = 105 Pa なので、1 mbar = 10−3 bar = 10−3 × 105 Pa = 102 Pa = 1 hPa となり、ヘクトパスカルはミリバールに等しい。したがってミリバールからヘクトパスカルへの移行の場合、数値がそのまま使える。一方でキロパスカルにすると従来と数値が変わってしまい、さらにこれまでの膨大な量のデータをすべて変換しなければならなくなる。当時は高性能なコンピュータがなく変換は手作業で行う必要があり、キロパスカルへの変換は現実的に困難であったため、やむを得ずヘクトパスカルを採用し従来のミリバールと数値を合わせた。これがキロパスカルが採用されず、ヘクトパスカルが採用された理由である。

派生単位

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かつては倍量単位としてはメガバール (Mbar) およびキロバール (kbar) が、分量単位としてはミリバールがよく使われた。絶対圧であることを明示した bara、ゲージ圧であることを明示した barg も使われた。

符号位置

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記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+3374 - ㍴
㍴
SQUARE BAR

脚注

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  1. ^ a b 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書 国際単位系 (SI)』(第 8 版日本語版)、2006年、40頁http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf 
  2. ^ a b 計量単位令 別表第一(第二条関係)”. e-Gov法令検索. 2025年8月30日閲覧。
  3. ^ 計量法 別表第一(第三条関係)”. e-Gov法令検索. 2025年8月30日閲覧。
  4. ^ 計量単位規則 別表第2(第2条関係)”. e-Gov法令検索. 2025年8月30日閲覧。
  5. ^ a b 『丸善単位の辞典』二村隆夫監修、丸善、2002年。ISBN 4-621-04989-5 
  6. ^ なぜ「ミリバール」が「ヘクトパスカル」に変わったのか?”. ウェザーニュース. 2024年10月10日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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圧力の単位
パスカルSI単位) バール 工学気圧 気圧 トル psi
1 Pa N/m2 = 10−5 bar 10.2×10−6 at 9.87×10−6 atm 7.5×10−3 Torr 145×10−6 psi
1 bar = 100000 Pa ≡ 106 dyn/cm2 ≈ 1.02 at ≈ 0.987 atm ≈ 750 Torr ≈ 14.504 psi
1 at = 98066.5 Pa = 0.980665 bar kgf/cm2 ≈ 0.968 atm ≈ 736 Torr ≈ 14.223 psi
1 atm = 101325 Pa = 1.01325 bar ≈ 1.033 at p0 = 760 Torr ≈ 14.696 psi
1 Torr ≈ 133.322 Pa ≈ 1.333×10−3 bar ≈ 1.360×10−3 at ≈ 1.316×10−3 atm ≡ 1 mmHg ≈ 19.337×10−3 psi
1 psi 6894.757 Pa 68.948×10−3 bar ≈ 70.307×10−3 at ≈ 68.046×10−3 atm 51.7149 Torr ≡ 1 lbf/in2