ミヤマシキミ

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ミヤマシキミ
Skimmia japonica 3.JPG
福島県浜通り地方 2017年5月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Agiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミヤマシキミ属 Skimmia
: ミヤマシキミ S. japonica
学名
Skimmia japonica Thunb. var. japonica[1]
和名
ミヤマシキミ(深山樒)[2]

ミヤマシキミ(深山樒、学名: Skimmia japonica)は、ミカン科ミヤマシキミ属常緑低木雌雄異株[2][3][4]

特徴[編集]

樹高は60-120cmになり、は基部から直立して分枝する。樹皮は灰色で、若いは緑色で無毛、いぼ状の腺点がある。は茎の上部にやや集まって互生し、葉身は倒披針状長楕円形で、長さ6-12cm、幅2-3.5cm、先は短くとがり、基部はくさび形、縁は全縁になる。葉質は革質で両面は無毛、表面は光沢があり、裏面には油点が散在する。葉柄は長さ0.5-1cmになり、すこし赤紫色を帯びる[2][3][4]

花期は4-5月。枝先に円錐花序をつけ、長さ2-5cmの散房状になり、白色の香りのあるを多数つける。花序軸に短毛が散生する。は広鐘形で小さく、浅く4裂し、萼裂片は広三角形で長さ約1mmになり先はややとがる。花は径約1cm、花弁は4個あり、長楕円形で長さ4-5mmになり、まばらに油点がある。雄花には雄蕊が4個あって花弁と同長で直立し、雌花には4個の小さな退化雄蕊と中央に1個の雌蕊がある。子房は4室に分かれ、各室に1個の胚珠が下垂し、花柱は太く、柱頭は平たく浅く4-5裂する。果実は球形の核果で、径8-10mmになり、12-翌2月に赤く熟し、4個の核を含む。核は広卵形で長さ6-8mmになり、先がとがり、1個の種子を含む[2][3][4]

分布と生育環境[編集]

日本では、本州(宮城県以南[4])、四国、九州に分布し、低山地の林内に生育する[3]。国外では、台湾の高所にも分布する[3]

名前の由来[編集]

和名ミヤマシキミは、「深山樒」の意で、山中に生え、枝葉の様子がシキミ(樒) Illicium anisatum に似ることによる[4]。ただし、シキミはミカン科ではなく、マツブサ科の植物である。

利用等[編集]

有毒植物で葉、果実にアルカロイドのスキミアニンやジクタムニンがあり、葉に多く含まれる[2][5]。誤食するとけいれんを伴う中毒を起こす[5]。かつては、頭痛や目まいなどの民間薬として使用され、また、煎じた汁は虫下しとして使われた[2]

庭木生け垣、観賞用などに栽培、植栽される[2][5]

下位分類[編集]

和名、学名はYistによる。

  • ウチダシミヤマシキミ Skimmia japonica Thunb. var. japonica f. yatabei H.Ohba - 葉の表面の葉脈がへこんで溝になっている基本種の品種[2][3][4]
  • ツルシキミ Skimmia japonica Thunb. var. intermedia Komatsu f. repens (Nakai) Ohwi - 基本種の変種。茎の下部が地上をはい、高さは30-100cmになる。北海道、本州(東北地方・中部地方以西の日本海側)に分布し、落葉広葉樹林内に生育する。本州の関東地方以西、四国、九州の太平洋側では、山地の上部の冷温帯に生える[3][4]
  • ウチダシツルシキミ Skimmia japonica Thunb. var. intermedia Komatsu f. intermedia (Komatsu) T.Yamaz. - ツルシキミの葉の表面の葉脈がへこんで溝になっている品種[3][4]
  • リュウキュウミヤマシキミ Skimmia japonica Thunb. var. lutchuensis (Nakai) Hatus. ex T.Yamaz. - 基本種の変種。全体に大型。樹高は1.2-2mになる。葉も大きく、長さ7-15cm、幅3-6cm、先は急に狭まって短くとがる。花も基本種より大きい。果実も径10-12mmある。奄美大島以南の琉球諸島に分布し、常緑樹林内に生育する[3][4]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ミヤマシキミ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f g h 『樹に咲く花(離弁花2)山溪ハンディ図鑑4』pp.238-239
  3. ^ a b c d e f g h i 『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.304-305
  4. ^ a b c d e f g h i 『新牧野日本植物圖鑑』p.379
  5. ^ a b c 『日本の有毒植物 フィールドベスト図鑑16』p.77

参考文献[編集]

  • 茂木透、高橋秀男他『樹に咲く花(離弁花2)山溪ハンディ図鑑4』、2000年、山と溪谷社
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 佐竹元吉監修『日本の有毒植物 フィールドベスト図鑑16』、2012年、学研教育出版
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)