ミヤコジマハナワラビ

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ミヤコジマハナワラビ
分類
: 植物界 Plantae
: シダ植物門 Pteridophyta
: マツバランPsilotopsida
: ハナヤスリ目 Ophioglossales
: ハナヤスリ科 Ophioglossaceae
: ミヤコジマハナワラビ属 Helminthostachys
: ミヤコジマハナワラビ H. zeylanica (L.) Hook.

ミヤコジマハナワラビ(宮古島花蕨)は、熱帯地方に分布する珍しいシダ類である。ハナヤスリ類の中で独自の群をなす。

特徴[編集]

ミヤコジマハナワラビ(Helminthostachys zeylanica (L.) Hook.)は、シダ植物門ハナヤスリ科の植物で、一種のみでミヤコジマハナワラビ属 Helminthostachys を構成する。立ち上がった茎の先端に水平に広げたの間から、胞子葉が立ち上がるという変わった姿である。

根茎は地下にあり、多数の太い真っすぐな根を出す。そこから真っすぐに立ち上がる茎は厳密には担葉体(たんようたい)と呼ばれるもので、高さは20-40cm、濃緑色でやや柔らかい。その先端には栄養葉を掌状につけるが、実際にはこれは基部で3裂した小葉が、さらにそれぞれの基部でいくつかに分かれたものである。それぞれの小葉は長楕円形で長さ6-20cm、柔らかく、表面にはつやがある。葉の縁には不規則な鋸歯が出る。小葉はおよそ水平から斜め上に広がる。

よく育ったものでは、掌状に広がる栄養葉の間から胞子葉が出る。胞子葉は大きいものでは20cmほどになり、数cmの柄の先には穂状に胞子嚢をつけた軸が伸びる。この軸は時に分枝を出すこともある。

分布[編集]

日本では沖永良部島以南の琉球列島に分布する。国外では南アジアからオセアニアにかけての熱帯亜熱帯域に広く分布する。

森林の中の地表に生育し、まばらな群落を作る。沖縄では低地の森林に見られるが、生育地の数は少なく、絶滅が危惧されている。

利用[編集]

中国南部では若葉を食用とするとか、薬用に利用するというが、日本では数そのものが少ないので、全く利用されていない。

分類上の位置[編集]

ハナヤスリ類は大きく三つの群に分かれる。狭義のハナヤスリ類は栄養葉、胞子葉共に分かれず、ハナワラビ類はどちらも細かく分かれる。それぞれにある程度の種数を含む。

これに対して、ミヤコジマハナワラビは栄養葉は分かれるが、胞子葉は分かれず、両者の中間めいた姿であるが、そのどちらでもない。そのため、一種で独立した属とする。なお、現生のハナヤスリ類すべてをハナヤスリ科とするのが一般的であるが、これを分ける考えもある。その場合は独立のミヤコジマハナワラビ科を立てる。

参考文献[編集]

  • 岩槻邦男編『日本の野生植物 シダ』(1992)平凡社
  • 初島住彦『琉球植物誌(追加・訂正版)』(1975)沖縄生物教育研究会