ミャンマーの大統領

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ミャンマーの旗 ミャンマー連邦共和国
大統領
ပြည်ထောင်စု သမ္မတ မြန်မာနိုင်ငံတော်‌ သမ္မတ
State seal of Myanmar.svg
Myint Swe on 30 March 2016.jpg
現職者
ミンスエ(代行)
မြင့်ဆွေ

就任日 2021年2月1日論争中
地位ミャンマー連邦共和国元首
所属機関内閣英語版
国防・治安評議会英語版
官邸大統領宮殿英語版
所在地ミャンマーの旗 ミャンマー連邦共和国ネピドー
指名連邦議会
任命大統領選出会議英語版
任期5年(再任は1期限り)
根拠法令ミャンマー連邦共和国憲法
前身ビルマ総督英語版
初代就任サオ・シュエ・タイク英語版
創設1948年1月4日
職務代行者副大統領英語版
ウェブサイトwww.president-office.gov.mm

ミャンマーの大統領(ミャンマーのだいとうりょう、ပြည်ထောင်စု သမ္မတ မြန်မာနိုင်ငံတော်‌ သမ္မတ)は、ミャンマー(ビルマ)の元首たる大統領である。

2021年の軍事クーデター以降は人事が流動的になっており、クーデター勢力(ミャンマー国軍)と反クーデター勢力(国民民主連盟を中心とする民主派勢力)がそれぞれ異なる人物を大統領と認識している(後述)。

概要[編集]

1947年憲法[編集]

1947年制定の初代憲法では、大統領は民族代表院(上院)と地域代表院(下院)の議員によって選出され、行政権を有していた。助言を与える補助機関として、首相国務大臣からなる連邦政府(内閣の名称)が存在し、首相は下院の指名に基づいて大統領が任命し、国務大臣は首相の指名に基づいて大統領が任命した[1]。任期は5年で、各主要民族から順次選出される不文律があった。

第一軍政 (1962-1974)[編集]

1962年から1974年までの間、ビルマでは軍事政権の最高決定機関である連邦革命評議会英語版ビルマ語版[2]の議長が、大統領の代わりに国家元首職を務めていた。

1974年憲法[編集]

1974年制定の第二代憲法では、大統領は国家を代表する存在で、国家評議会ビルマ語版[3]の議長が大統領に就任することとなっていた。

第二軍政 (1988-2008)[編集]

1988年以降は、軍事政権の最高決定機関である国家平和発展評議会(SPDC)の議長が、大統領の代わりに国家元首職を務めている。

2008年憲法[編集]

2008年に制定された現行憲法の規定により、大統領と二人の副大統領が連邦議会によって選出されることとなった。なお、任期途中で大統領が辞任した場合には第一副大統領が一時的に大統領代行となり、7労働日以内に連邦議会で後任の大統領を選出しなければならない[4][5]

2021年のクーデター以降[編集]

2021年のクーデター以降、大統領職の扱いはクーデター勢力と反クーデター勢力とで対応が別れている。

クーデター勢力のミャンマー国軍は第一副大統領のミンスエ大統領代行としながら、憲法417条の規定[6]に基づいて非常事態宣言を布告した際に国政の実権を国軍総司令官のミン・アウン・フラインが就任した国家行政評議会議長へと移管している。

一方の反クーデター勢力は、3月2日に発足した連邦議会代表委員会(CRPH)の臨時内閣、及び4月16日に発足した国民統一政府(NUG)が、いずれもクーデター以前の大統領であるウィンミンを引き続き大統領としている。だが、クーデター以降ウィンミンの身柄が国軍に拘束されているため、副大統領職英語版を務める人物が権限を代行している(詳細後述)。

元首の一覧[編集]

ビルマ連邦[編集]

大統領[編集]

大統領 所属政党 在任期間 備考
01 サオ・シュエ・タイク英語版
စဝ်ရွှေသိုက်
Sao Shwe Thaik
Sao Shwe Thaik.jpg 反ファシスト人民自由連盟 1 1948年1月4日
- 1952年3月16日
4年 + 72日
02 バー・ウ英語版
ဘဦး
Ba U
Ba U.JPG 反ファシスト人民自由連盟 2 1952年3月16日
- 1957年3月13日
4年 + 362日
03 ウィン・モン英語版
မန်းဝင်းမောင်
Win Maung
Mahn Win Maung.jpg 反ファシスト人民自由連盟 3 1957年3月13日
- 1962年3月2日
4年 + 354日 任期満了前に解任[7]

革命評議会議長[編集]

議長 所属政党 在任期間 備考
0- ネ・ウィン
နေဝင်း
Ne Win
President Ne Win Portrait.JPG 無所属
軍人
- 1962年3月2日
- 1974年3月4日
12年 + 2日

ビルマ連邦社会主義共和国[編集]

大統領[編集]

大統領 所属政党 在任期間 備考
04 ネ・ウィン
နေဝင်း
Ne Win
President Ne Win Portrait.JPG ビルマ社会主義計画党 4 1974年3月4日
- 1981年11月9日
7年 + 250日
05 サン・ユ
စန်းယု
San Yu
Replace this image JA.svg ビルマ社会主義計画党 5 1981年11月9日
- 1988年7月25日
6年 + 259日
06 セイン・ルイン
စိန်လွင်
Sein Lwin
Replace this image JA.svg ビルマ社会主義計画党 6 1988年7月25日
- 1988年8月12日
18日 任期満了前に辞任
0- エー・コ英語版
အေးကို၊ ဦး
Aye Ko
Replace this image JA.svg ビルマ社会主義計画党 1988年8月12日
- 1988年8月19日
7日 大統領代行
07 マウン・マウン
မောင်မောင်
Maung Maung
Replace this image JA.svg ビルマ社会主義計画党 7 1988年8月19日
- 1988年9月18日
30日 任期満了前に解任

ビルマ連邦・ミャンマー[編集]

国家法秩序回復評議会議長[編集]

議長 所属政党 在任期間 備考
0- ソウ・マウン
စောမောင်
Saw Maung
Replace this image JA.svg 無所属
(軍人)
- 1988年9月18日
- 1992年4月23日
3年 + 218日
0- タン・シュエ
သန်းရွှေ
Than Shwe
Than Shwe 2010-10-11.jpg 無所属
(軍人)
- 1992年4月23日
- 1997年11月15日
5年 + 206日

国家平和発展評議会議長[編集]

議長 所属政党 在任期間 備考
0- タン・シュエ
သန်းရွှေ
Than Shwe
Than Shwe 2010-10-11.jpg 無所属
(軍人)
- 1997年11月15日
- 2011年3月30日
13年 + 135日

ミャンマー連邦共和国[編集]

大統領[編集]

大統領 所属政党 在任期間 備考
08 テイン・セイン
သိန်းစိန်
Thein Sein
TheinSeinASEAN.jpg 連邦団結発展党 8 2011年3月30日
- 2016年3月30日
5年 + 0日
09 テイン・チョー
ထင်ကျော်
Htin Kyaw
President Htin Kyaw.jpg 国民民主連盟 9 2016年3月30日
- 2018年3月21日
1年 + 356日 任期途中で辞任
0- ミン・スエ
မြင့်ဆွေ
Myint Swe
Myint Swe on 30 March 2016.jpg 連邦団結発展党 2018年3月21日
- 2018年3月30日
9日 大統領代行
(第一副大統領)
10 ウィン・ミン
ဝင်းမြင့်
Win Myint
Win Myint 2017 cropped.jpg 国民民主連盟 10 2018年3月30日
- 2021年2月1日
2年 + 308日 クーデターにより身柄拘束[注釈 1]

国家行政評議会議長(軍事政権)[編集]

議長 所属政党 在任期間 備考
01 ミン・アウン・フライン
မင်းအောင်လှိုင်
Min Aung Hlaing
Senior General Min Aung Hlaing 2017 (cropped).jpg 無所属
(軍人)
- 2021年2月2日
- (現職)
231日 国軍最高司令官。2021年8月1日からは暫定政府首相を兼任。

大統領(軍事政権)[編集]

大統領 所属政党 在任期間 備考
0- ミン・スエ
မြင့်ဆွေ
Myint Swe
Myint Swe on 30 March 2016.jpg 連邦団結発展党 - 2021年2月1日
- (現職)
232日 大統領代行
(第一副大統領)

大統領(連邦議会代表委員会及び国民統一政府)[編集]

大統領 所属政党 在任期間 備考
0- (空席) - 2021年2月1日
- 2021年3月2日
29日 臨時内閣樹立までの準備期間。
01 ウィン・ミン
ဝင်းမြင့်
Win Myint
Win Myint 2017 cropped.jpg 国民民主連盟 1 2021年3月2日
- (現職)
203日 在任期間は臨時内閣の期間を含む。
クーデター以降ミャンマー軍に身柄を拘束されており、名目上の就任に留まる。
0- マン・ウィン・カイン・タン英語版
မန်းဝင်းခိုင်သန်
Mahn Win Khaing Than
Replace this image JA.svg 国民民主連盟 2021年3月9日
- 2021年4月16日
38日 臨時内閣において、副大統領代行英語版として権限を代行。
0- ドゥーワーラシーラビルマ語版英語版
ဒူဝါလရှီးလ
Duwa Lashi La
Replace this image JA.svg カチン民族協議会 2021年4月16日
- (現職)
158日 NUGの内閣において、副大統領英語版として権限代行。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 身柄拘束後の扱いは、クーデターを支持するか否かで異なってくる。クーデターを支持する立場では、任期満了前に解任されたものとして扱う。一方、クーデターを否定する立場では、引き続き在職しているものとして扱う。

出典[編集]

  1. ^ 首相と国務大臣は共に地域代表院の議員でなければならず、連邦政府は下院に対して連帯責任を負った(議院内閣制)。
  2. ^ ビルマ軍の高級将校16名によって構成された。
  3. ^ 国家評議会:人民議会英語版国会の名称)閉会中に法的拘束力を持つ命令を出す権限が与えられた組織。地方行政区分を基準に選出された国会議員28人と首相によって構成され、議長は大統領に就任することとなっていた。非常事態宣言条約の締結・批准・脱退など高度な政治的権限が付与されていた。
  4. ^ “ミャンマー大統領辞任=健康不安が理由か”. 時事通信. (2018年3月21日). オリジナルの2020年5月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180630185705/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018032100443&g=int 2018年3月21日閲覧。 
  5. ^ “ミャンマー大統領が辞任 7日以内に後任選出”. 日本経済新聞. (2018年3月21日). https://r.nikkei.com/article/DGXMZO28405030R20C18A3000000 2018年3月21日閲覧。 
  6. ^ ミャンマー連邦共和国憲法
  7. ^ クーデターにより軍事政権に移行し、大統領に代わって連邦革命評議会の議長が権力を掌握。

関連項目[編集]