マーコール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
マーコール
マーコール
マーコール Capra falconeri
保全状況評価[a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg ワシントン条約附属書I
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
亜科 : ヤギ亜科 Caprinae
: ヤギ属 Capra
: マーコール C. falconeri
学名
Capra falconeri (Wagner, 1839)
和名
マーコール
英名
Markhor

マーコールCapra falconeri)は、動物界脊索動物門哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科ヤギ属に分類される偶蹄類。

分布[編集]

アフガニスタンイラン東部、インド北西部、ウズベキスタンタジキスタントルクメニスタンパキスタン[1][2][3]

  • C. f. cashmirensis ヒンズークシマーコール

カシミール西部、ヒンズークシ山脈[2]

  • C. f. falconeri カシミールマーコール

カシミール東部[2]

  • C. f. jerdoni スライマンマーコール

パキスタン中西部(スライマン山脈[2]

  • C. f. megaceros カイバーマーコール

アフガニスタン、パキスタン(カイバー峠周辺)[2]

形態[編集]

体長130-180センチメートル[3]。尾長8-14センチメートル[3]。肩高65-105センチメートル[3]体重オス80-110キログラム、メス32-50キログラム[1][3]。前肢の手首から先の前面、後肢の踵から先の前面は暗色の体毛で被われる[2]

アルファベットの「V」字状の角がある[2]。角長オス75-160センチメートル、メス25センチメートル[3]。角の表面には稜がある[2]

夏季は短い体毛で被われ、毛衣は赤褐色[2][3]。冬季は長い体毛で被われ、毛衣は灰褐色[2][3]

  • C. f. cashmirensis ヒンズークシマーコール

角は螺旋状で2回ねじれ、角の先端の間の長さ(例:53センチメートル)と角の直線距離よりも短い[2]

  • C. f. falconeri カシミールマーコール

角は螺旋状で1回半ねじれ、角の先端の間の長さ(例:110センチメートル)は角の直線距離よりも長い[2]

  • C. f. jerdoni スライマンマーコール

角は直線的で角の周囲を稜が3周する[2]

  • C. f. megaceros カイバーマーコール

角はほぼ直線的で角の周囲を稜が2周する[2]

分類[編集]

亜種チアルタンマーコールはパサンとの種間雑種とする説もある[2]

  • Capra falconeri cashmirensis Lydekker, 1898 ヒンズークシマーコール
  • Capra falconeri chialtanensis Lydekker, 1913 チアルタンマーコール
  • Capra falconeri falconeri (Wagner, 1839) カシミールマーコール
  • Capra falconeri jerdoni Hume, 1875 スライマンマーコール
  • Capra falconeri megaceros Hutton, 1842 カイバーマーコール

生態[編集]

標高700-4,000メートルにある森林の間にある岩場や草原などに生息する[2][3]。冬季になると標高の低い場所へ移動する[2][3]。メスと幼獣から群れを形成し生活し[3]、群れは夏季4-5頭、冬季20-30頭に達する[2]

食性は植物食で、木の枝や葉、などを食べる[3]。春季から夏季は草を、晩夏から秋季は木の枝や葉を食べる[3]

繁殖形態は胎生。繁殖期にはオス同士で疾走して角を打ちつけ合い争う[3]。冬季に交尾を行い、妊娠期間は135-170日[3]。4-6月に1回に1-2頭の幼獣を産む[3]。生後2年半で性成熟する[3]

人間との関係[編集]

食用とされたり、角が薬用になると信じられている[3]

放牧による生息地の破壊、角目的の乱獲、家畜との競合などにより生息数は減少している[3]。紛争による生息数の減少も懸念されている[3]。1980年代におけるウズベキスタンでの生息数は180頭、タジキスタンでの生息数は500頭、トルクメニスタンでの生息数は20頭と推定されている[3]

参考文献[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社1986年、149頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会、1988年、108-109頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、36、159頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Valdez, R. 2008. Capra falconeri. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.1.