マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック

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マリオ&ソニック AT
東京2020オリンピック
Mario & Sonic at the Olympic Games Tokyo 2020
ジャンル スポーツ
対応機種 Nintendo Switch
開発元 任天堂
セガ・ゲームス
アルファドリーム[1]
ラクジン[2]
サクセス [3]
ユークス [4]
発売元 セガ・ゲームス[5]
プロデューサー 大橋宣哉[6]
ディレクター 平尾直裕[6]
デザイナー 平林隆夫
川瀬 真理子
プログラマー 高橋満
音楽 床井健一
大谷智哉
福山光晴
岡村諭志
美術 金沢大志
シリーズ マリオ&ソニックシリーズ
人数 1 - 4人
発売日 日本の旗2019年11月1日 [7]
アメリカ合衆国の旗2019年11月5日 [8]
欧州連合の旗2019年11月8日 [8]
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
エンジン Hedgehog Engine 2
CPU パワープラッツ
売上本数 日本の旗40万3227本[9]
欧州連合の旗90万本 [10]
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マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック
アーケードゲーム
Mario & Sonic at the Olympic Arcade Games Tokyo 2020
ジャンル スポーツ
対応機種 アーケード
開発元 任天堂
セガ・インタラクティブ
発売元 セガ・インタラクティブ[5]
シリーズ マリオ&ソニックシリーズ
人数 1
稼働時期 2020年1月23日[11]
その他 2022年10月31日サービス終了
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マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』(マリオアンドソニック アット とうきょうにいぜろにいぜろオリンピック、Mario & Sonic at the Olympic Games Tokyo 2020)は、任天堂セガゲームスが共同開発したスポーツゲーム2019年11月1日Nintendo Switch版が発売された。2020年1月23日アーケード版もセガ・インタラクティブより稼働開始[12]

本稿では、ソニックシリーズのキャラクターのみ登場するiOS/Android用ソフト『ソニック AT 東京2020オリンピック』についても記述する。

概要[編集]

任天堂マリオシリーズセガゲームスソニックシリーズのコラボレーションによるオリンピックゲームの6作目。2021年東京で開催された2020年東京オリンピックを舞台としている。なお、これまでのシリーズ作品は日本での発売元を任天堂が担当していたが、本作では日本を含む全世界でセガゲームスが発売元となっている。

本作には様々な競技が収録されているが、その中には、東京で前回行われた1964年東京オリンピックを基にしたものも含まれている。このモードではゲーム画面が全てドット絵で描写され、マリオシリーズのキャラクターはスーパーマリオシリーズ第1作『スーパーマリオブラザーズ』の、ソニックシリーズのキャラクターはシリーズ第1作『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のドット絵をベースにしたものが用いられている。

アーケードゲーム版は、新開発した筐体と他タイトルからのコンバージョン筐体の2種類が用意され[11]、最大4筐体まで連結が可能。

なおセガは本作以外のIOC公式ゲームとして、PlayStation 4/Nintendo Switch用ソフト『東京2020オリンピック The Official Video Game』を2019年7月24日に発売している。

ゲームモード[編集]

Nintendo Switch版[編集]

ワンマッチ
後述の「東京2020年競技」「東京1964年競技」「ドリーム競技」に収録の競技をプレイできる。一部競技を除き最大4人の対戦または協力プレイに対応している。
ストーリーモード
クッパエッグマンは、邪魔なマリオソニックを閉じ込めるためレトロゲーム機を発明したものの、これは怪しいと感じたマリオとソニックがなかなかプレイしようとしないため、痺れを切らしたクッパはその後に来たルイージに押させようとし、悪い予感がしたエッグマンも後を追うがクッパに驚いたルイージが誤って起動ボタンを押してしまったため、マリオとソニック、キノピオだけでなく、自分たちも吸い込まれてしまう。5人は元の世界に戻るため過去の東京オリンピックの世界を冒険することになる。一方、取り残されたルイージは、テイルスと共にマリオとソニックたちを救出するため、現代の東京を巡ることになるが、そのことを知らないクッパJr.にゲーム機を奪われてしまう。
様々な競技や「ゆうぎじょう」で行われる10種類のミニゲーム、各競技のゲストたちとのバトルなどもプレイすることにより物語が進行していく。
マイデータ
ゲーム設定変更やプレイ記録の閲覧のほか、ストーリーモードのミニゲームのプレイや取得したトリビアの閲覧を行うことができる。

アーケード版[編集]

通常ステージ
「東京2020年競技」を4日間(ゲーム内)の日程で1日1種目行い、各種目に設定されたクリア条件を達成すると次の日程に進むことができる。最終日(4日目)はライバルキャラが登場し、ライバルに勝利するとゲームクリアとなる。
ボーナスステージ
通常ステージを好成績でクリアすると途中で出現する。「東京1964年競技」をクリア条件なしで1種目気軽にプレイできる。

登場選手[編集]

本作ではシリーズで初めて競技に応じて服装が替わる選手が登場する。

  • ▲は1964東京五輪で出場可能の選手
  • ★はアーケード版にも出場する選手(アップデートで都度追加されている)

マリオシリーズ[編集]

ソニックシリーズ[編集]

競技[編集]

★はアーケード版にも収録される競技

東京2020年競技[編集]

東京1964年競技[編集]

ドリーム競技[編集]

  • ドリームシューティング
  • ドリームレーシング
  • ドリーム空手

ゆうぎじょう[編集]

開発[編集]

本作は二度目の自国開催である2020年東京オリンピックを題材としていることもあり、開発スタッフは特別な気持ちを以て本作の開発に臨んだ[14]。ディレクターを務めた平尾直裕は、自国開催というだけあって、開発期間中に最新情報をすぐに得られたことや、現地取材や組織委員会との連絡がしやすかったと4Gamer.netのインタビューの中で話している[14]。 本作の制作は、企画の際にセガが競技の概要書を作成して、任天堂と組織委員会に提出し、それからルール等の整合性を取りながらゲームとして開発するという手法が取られた[14]

本作には21種目の競技が収録されており、陸上をはじめとする「花形競技」に加え、同大会で初めて正式採用された種目も収録された[14][15]。このほかにも、Nintendo Switch特有の体感操作にふさわしいとスタッフが判断した種目も収録された[14]。本作にて初めて収録された種目の一つであるスポーツクライミングは、当初ドリーム競技として収録する予定だったが、実際のオリンピックで正式競技として採用されたことから、東京2020年競技に変更された[14]。もう一つの新しい正式競技である空手は、実際の空手のルールをアレンジし、格闘ゲームに近い内容で収録された[16]。また、過去作にも収録されている競技についても改善が施されており、たとえば陸上100m走では、力をためてスタートを切った後、走行中にスペシャルダッシュを発動させる基本的な部分に加え、特定の地点にあるマーカーを通過する際にボタンを押すと加速が増すという機能が追加された[14]。プロデューサーの大橋宣哉は、途中で競技の収録を取りやめたり、別の競技に差し替えるといったことはなかったと4Gamer.netのインタビューの中で話している[14]

従来の作品では、知的財産の保護という観点から、いかなる競技であってもキャラクターの衣装は変えないという方針が立てられていたが、セガと任天堂との話し合いにより、本作においてはキャラクターの衣装に合わせてスポーツウェアを用意するという方針が立てられた[15]

本作は双方のファンが楽しめるような仕掛けが施されており、たとえばドリーム競技のステージには、それぞれの作品に登場するステージをもとにしたものがある[14]

「東京1964年競技」の導入[編集]

開発スタッフは二度目の自国開催という期待に応えるために、1回目の1964年東京オリンピックをゲームで表現するという考えのもと、同大会を基にしたモード「東京1964年競技」の導入に踏み切った[14]

任天堂や大会組織委員会との話し合いの末、マリオシリーズのキャラクターはスーパーマリオシリーズ第1作『スーパーマリオブラザーズ』の、ソニックシリーズのキャラクターはシリーズ第1作『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(メガドライブ版)のドット絵をベースにしたものが用いられた[14]

当初は、マリオシリーズ側のキャラクターはドットのパターンが少ないため、後発にあたるソニックシリーズ側の発売時期に合わせたデザインにするというアイデアもあった[14]。そこへ任天堂から「全キャラクターを『スーパーマリオブラザーズ』のパターンで構築してはどうか」という提案が寄せられ、興味を抱いた開発スタッフにより、キャラクターの動きを左右90度の回転に限定した上で、双方のシリーズ第1作のグラフィックを用いることとなった[14]。この際、ピーチ姫のグラフィックはエンディングに登場した1パターンしか存在しないこととなるが、上下に小刻みに揺らして走っているように見せることで、この課題を解決した[14][16]

「東京1964年競技」に登場する10競技は、実際のオリンピックの競技から選定されている[14][16]

ソニック AT 東京2020オリンピック[編集]

ソニック AT 東京2020オリンピック
Sonic at the Olympic Games Tokyo 2020
ジャンル スポーツ
対応機種 iOS
Android
開発元 セガ
発売元 セガ
発売日 オンライン版: 2020年5月7日[17]
オフライン版: 2022年1月24日[18]
その他 オンライン版: ダウンロード無料、課金要素あり
2021年12月15日サービス終了
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ソニック AT 東京2020オリンピック』(ソニック アット とうきょうにいぜろにいぜろオリンピック、Sonic at the Olympic Games Tokyo 2020)は、2020年5月7日に配信されたiOSAndroidスポーツゲーム

『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』に登場したソニックシリーズのキャラクター16体が続投している一方、競技内容は異なっている。物語は、東京を占拠して「エッグマンシティ」を建設しようとするエッグマンに対してソニックたちがオリンピック競技を通じて戦うという内容になっている。

オンライン版は2021年12月15日をもってサービス終了となったが、改めて買い切りのオフライン版が2022年1月24日より配信された。オンライン版に存在した一部の機能を除いたすべてのコンテンツを、追加課金なくプレイすることができる。

競技[編集]

ミニゲーム[編集]

  • 東京スカイツリージャンプ
  • ナンバーロック
  • クレーンゲーム
  • チャレンジクイズ
  • エッグポーンラッシュ
  • おみやげさがし

脚注[編集]

  1. ^ It Looks Like AlphaDream's Last Project Was Mario & Sonic At The Olympic Games”. Nintendo Life (2019年11月3日). 2023年12月7日閲覧。
  2. ^ WORKS 開発実績”. Racjin. 2023年12月7日閲覧。
  3. ^ 受託開発 > 開発実績”. SUCCESS. 2023年12月7日閲覧。
  4. ^ 事業紹介 > ゲーム事業 > ゲーム事業WORKS”. YUKE'S. 2023年12月7日閲覧。
  5. ^ a b 東京2020オリンピック公式ゲームの発売決定! 2019年夏を皮切りに順次発売』(プレスリリース)セガ、2019年4月1日https://sega.jp/topics/190401_info_12019年5月31日閲覧 
  6. ^ a b [TGS 2019]「マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック」開発者インタビュー。マリオやソニックが東京で躍動する本作の制作経緯を聞いた”. 4Gamer.net (2019年9月18日). 2023年12月7日閲覧。
  7. ^ マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック™”. 任天堂. 2020年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月7日閲覧。
  8. ^ a b Mario & Sonic at the Olympic Games Tokyo 2020 ‘Dream Events’ trailer, screenshots”. GEMATSU. 2020年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月7日閲覧。
  9. ^ ゲーム販売本数ランキング”. ファミ通 (2021年8月15日). 2021年8月20日閲覧。
  10. ^ SEGA EUROPE LIMITED ANNUAL FINANCIAL STATEMENTS”. GOV.UK. p. 1 (2020年3月20日). 2023年12月7日閲覧。
  11. ^ a b “セガ社新作展で、オリンピックゲームなど披露。”. アミューズメント通信社. (2019年10月15日). http://www.ampress.co.jp/backnumber/bn2019.10.15.htm#label1 2019年10月29日閲覧。 
  12. ^ Switch『マリオ&ソニック AT 東京オリンピックTM』ほか東京2020プロジェクトタイトルが複数発表、PS4、Switch、スマホ、アーケードで展開【セガフェス2019】”. ファミ通.com. Gzブレイン (2019年3月30日). 2019年4月2日閲覧。
  13. ^ ライブラリ出演
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 大橋宣哉; 平尾直裕(インタビュアー:稲元徹也)「[TGS 2019]「マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック」開発者インタビュー。マリオやソニックが東京で躍動する本作の制作経緯を聞いた」『4gamer.net』、Aetas、2019年9月18日https://www.4gamer.net/games/455/G045538/20190915076/2019年9月18日閲覧 
  15. ^ a b 大橋宜哉(インタビュー)「「本作を遊んで、東京2020オリンピックをより楽しんでほしい」『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピックTM』プロデューサー・大橋宜哉氏インタビュー【E3 2019】」『ファミ通.com』、KADOKAWA、2019年6月27日https://www.famitsu.com/news/201906/27178599.html 
  16. ^ a b c 大橋宣哉; 平尾直裕(インタビュアー:TOKEN)「幅広い年齢層が楽しめる「マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック」の魅力とは?開発者にインタビュー【TGS2019】」『Gamer』、株式会社イクセル、2019年9月15日https://www.gamer.ne.jp/news/201909150008/2019年9月18日閲覧 
  17. ^ アプリ「ソニック AT 東京2020オリンピック」が5月7日に配信決定。新規採用競技を含む,15種目を収録”. 4Gamer.net (2020年2月21日). 2020年4月29日閲覧。
  18. ^ 「ソニック AT 東京2020オリンピック」のオフライン版が有料配信開始。一部機能を除き課金なしですべてのコンテンツを楽しめる”. 4Gamer.net (2022年1月24日). 2022年2月7日閲覧。

外部リンク[編集]