マラチオン

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マラチオン
Malathion
Malathion.png
IUPAC名 ジエチル 2-[(ジメトキシホスホロチオイル)スルファニル]スクシナート
別名 マラソン
分子式 C10H19O6PS2
分子量 330.4
CAS登録番号 [121-75-5]
形状 黄色ないし茶色の液体
密度 1.23 g/cm3, 液体
相対蒸気密度 11.4(空気 = 1)
融点 2.9 °C
沸点 156-157 °C
水への溶解度 145 mg/l
SMILES CCOC(=O)CC(C(=O)OCC)SP(=S)(OC)OC
出典 国際化学物質安全性カード

マラチオンマラソンとも。英称Malathion)は有機リン有機硫黄殺虫剤の一種。

用途[編集]

接触性の殺虫剤として、農耕地のアブラムシハダニカメムシなどに用いられる他、ゴミ埋立地などのハエの駆除や、動物用医薬品としても使用される。

アメリカン・サイアナミッド社(後にワイスが買収)が開発し、日本では1953年2月7日に農薬登録を受けた。原体輸入量は207t、単乳剤生産量252kL、単粉剤生産量230t(いずれも1999年)。主に「マラソン乳剤」として広く用いられ、「マラバッサ」などの商品名で販売されている。ホームセンターなどで印鑑なしで購入可能である。

残留基準は、小麦玉葱カボチャなどで8.0ppm以下、それ以外の作物では0.1〜8.0ppm以下。

危険性[編集]

  • 一日摂取許容量は体重1kgあたり0.02mg。摂取した場合には、倦怠感頭痛吐き気多量発汗、視力減衰、縮瞳など有機リン剤に共通な中毒症状がみられる。
  • 可燃性(引火点163°C)であり、燃焼によりリン酸化物・硫黄酸化物を含む有毒ガスを生じる。
  • 水生生物に対する毒性が強く、ミツバチなどにも影響を及ぼす。
  • 鉄など一部の金属や、一部のプラスチック・ゴムを浸食する。


GHS分類[1][編集]

GHS-pictogram-exclam.svg 急性毒性(経口) 区分4 飲み込むと有害 / 皮膚感作性 区分1 アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
GHS-pictogram-silhouete.svg 標的臓器 全身毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 臓器(神経系)の障害
GHS-pictogram-pollu.svg 水生環境有害性(急性) 区分 1 水生生物に非常に強い毒性 / 水生環境有害性(慢性) 区分1 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性

毒性発現[編集]

マラチオンは昆虫においては体内のシトクロムP450によってマラオクソンへと代謝されることによって非可逆的なコリンエステラーゼ阻害作用による毒性を発現する。マラチオンは哺乳類においてはカルボキシエステラーゼにより分解されて不活化されるために毒性が低い。

食品への混入[編集]

2013年12月29日に、マルハニチロホールディングス子会社のアクリフーズ群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品からマラチオン(農薬)が検出されたことが発表され、製品の回収と群馬県による立ち入り調査、警察による捜査が行われている[2]

脚注[編集]

  1. ^ ジチオりん酸O,O-ジメチル-S-1,2-ビス(エトキシカルボニル)エチル(CAS番号 121-75-5) 関係省庁連絡会議2014年1月7日閲覧。
  2. ^ 農薬混入は意図的か マルハ系冷食、群馬県警が捜査 日本経済新聞2013年12月31日

参考文献[編集]