マツダ・ユーノス500

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マツダ・ユーノス500
CAEPE/CA8PE/CAEP/CA8P[1]
フロント
リア
概要
別名 Xedos 6(クセドス 6)
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1992年-1996年
(欧州のみ1992年-1999年)
デザイン 荒川健
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン FP-DE型 1.8L 直4
K8-ZE型 1.8L V6
KF-ZE型 2.0L V6
最高出力 85kW (115PS) /5,500rpm
103kW (140PS) /7,000rpm
118kW (160PS) /6,500rpm
最大トルク 157N·m(16.0kgf·m)/5,500rpm
157N·m(16.0kgf·m)/4,500rpm
179N·m(18.3 kgf·m)/5,500rpm
変速機 4AT/5MT
前:マクファーソンストラット
後:パラレルリンクストラット式
前:マクファーソンストラット
後:パラレルリンクストラット式
車両寸法
ホイールベース 2,610mm
全長 4,545mm
全幅 1,695mm
全高 1,350mm
車両重量 1,160 - 1,260kg
その他
トレッド 前: 1,470mm
後: 1,480mm
最小回転半径 5.2m
系譜
先代 マツダ・ユーノス300(事実上)
後継 6代目カペラに統合
テンプレートを表示

ユーノス500EUNOS 500)は、マツダがかつて展開していた販売店ブランド「ユーノス」で販売されていた、Dセグメントに属する4ドアサルーンである。

ユーノスブランドとしては唯一の専売サルーンで、同ブランドが展開されていないヨーロッパ諸国においてはXedos 6(クセドス 6)として販売されていた。

概要[編集]

1991年(平成3年)10月に開催された第29回東京モーターショーに参考出品され、翌1992年(平成4年)2月に発売された。ユーノス300の後継であり、姉妹車のクロノス/MS-6/クレフ/テルスターよりボディサイズはやや小さく、小型自動車(5ナンバー)の規格に納まるものであったが、それらより高い価格帯となっていた。

ユーノスのブランド理念である「10年基準」[2]のもと開発され、外板の塗装には当時マツダが特許を取得したばかりの、耐久性が高く、面のような滑らかな仕上がりが得られる「高機能ハイレフコート塗装」[3][4]が、ユーノスのフラッグシップモデルであるユーノス800に先駆けて採用された。

エクステリアは、当時同社に所属していた荒川健チーフデザイナー指揮のもとデザインされた。後の「4ドアクーペ」の先駆けとなる低いボディに、美しいプロポーションと豊かな曲面構成を誇るスタイリングは、自動車デザイン界最大の巨匠と称されるジョルジェット・ジウジアーロが「小型クラスでは世界で最も美しいサルーン」と評した[5]と言われるほど、極めて完成度の高いものだった。

販売が開始された当初は、K8-ZE型1.8 LとKF-ZE型2.0 LV型6気筒エンジンのみが搭載されていたが、1994年(平成6年)に実施されたマイナーチェンジにより新たにFP-DE型1.8 L直列4気筒エンジンを搭載したグレードが追加された。また、トランスミッションには5速MTと4速ATが設定され、MT車にはビスカス式LSDABSが標準装備されたほか、トップグレードであった20Gには本革シートや電動ガラスサンルーフに加え、当時まだ普及の緒についたばかりのキーレスエントリーシステムが標準装備されていた。

マツダの経営悪化に伴い、1995年12月[6]に生産終了後、1996年(平成8年)6月[7]までに在庫対応分が全て販売終了となった。なお、ヨーロッパ諸国やオーストラリアにおいては引き続き1999年(平成11年)まで販売されている。

オーストラリア仕様は1996年(平成8年)11月までがユーノスブランドで、それ以降はマツダ・ユーノス500として販売されたため、フロントグリルやトランクリッドのエンブレムがユーノスの物からマツダの物に変更されており、トランクリッド右下にMAZDAのバッジも装着されていた。

グレード名称 販売年度 車両型式 排気量 新車価格
18D (5MT) 1992年2月-1994年2月 E-CA8PE 1,844cc 170.7万円
18D (4AT) 180.0万円
20F (5MT) E-CAEPE 1,995cc 220.0万円
20F (4AT) 224.7万円
20F-X (4AT) 235.0万円
20F-SV (5MT) 245.5万円
20F-SV (4AT) 248.2万円
20G (4AT) 276.5万円
18J (5MT) 1994年3月-1996年6月 E-CAPP 1,839cc 167.0万円
18J (4AT) 176.3万円
18K (5MT) 186.2万円
18K (4AT) 186.5万円
18E (4AT) E-CA8P 1,844cc 195.0万円
20E (5MT) E-CAEP 1,995cc 205.0万円
20E (4AT) 207.7万円
20F (5MT) 225.0万円
20F (4AT) 227.7万円
20Fレザーパッケージ (4AT) 239.0万円
20GT-i (5MT) 243.0万円
20GT-i (4AT) 245.7万円

脚注[編集]

  1. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第64号9ページより。
  2. ^ ボディの造り、ペイントの艶などが10年を経過しても衰えないことを目標としたブランド理念
  3. ^ 塗装工程中に通常の焼き付けを3回行った後、最上面のクリアー層をむら無く厚く塗るため、車体を回転させながら4回めの焼き付けを行う。ユーノス500 PV その1 - Youtube 品質に関しては2:30から(2017年1月31日閲覧)
  4. ^ マツダ特許技術DATE BASE 「ハイレフコート技術」
  5. ^ GAZOO>名車館>1992年>ユーノス500
  6. ^ ユーノス500(マツダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。
  7. ^ ユーノス500”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]