コンテンツにスキップ

マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
『マジック・バス～ザ・フー・オン・ツアー』
ザ・フー の コンピレーション
リリース
録音 1966年-1968年
ジャンル
時間
レーベル
ザ・フー アルバム 年表
  • マジック・バス～ザ・フー・オン・ツアー
  • （1968年 (1968)）
テンプレートを表示
専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
AllMusic3/5stars[1]
MusicHound（英語版）2.5/5[2]
ローリング・ストーン(unfavourable)[3]
The Rolling Stone Album Guide2/5stars[4]

『マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー』（Magic Bus: The Who on Tour）は、イングランドのロックバンドであるザ・フーのコンピレーション・アルバム[5]。1968年にアメリカで発売されて、全米39位を記録した[6]。

ザ・フーの名義を持つ初のコンピレーション・アルバムであるが、米デッカ・レコードが許可なく編集したものでメンバーの意向は一切反映されていない。ピート・タウンゼントは「アメリカのレコード会社がやらかす最悪なことの中でも極め付けだった」と怒りを露にしている[7]。

解説

[編集]

タイトルの「オン・ツアー」は、彼等が前年の1967年に初めてアメリカ・ツアーを行ったことに因む[8]。発売当時はライヴアルバムと誤解されたこともあった。

全11曲の収録曲のうちシングルのA面収録曲は「マジック・バス」と「リリーのおもかげ」の2曲だけで、いずれもオリジナル・アルバムには未収録である。残り9曲の内訳は以下のとおりである。

シェル・タルミーによってプロデュースされてブランズウィック・レコードから発表された1965年の楽曲は、デビュー・アルバム『マイ・ジェネレーション』の収録曲を含めて1曲も収録されなかった。

モノラル盤とステレオ盤の両方が発売されたが、ステレオ盤でも実際にはモノラルで収録されたものが多く、リアル・ステレオで収録されたのは4曲のみである[注釈 4]。

1974年にはアメリカ版のデビュー・アルバム"The Who Sings My Generation"（1966年）とカップリングされた2枚組LP盤が発売された[12]。

1988年にはMCAレコードから再発CDが発売された[13]。2007年、日本でオリジナルマスターを定本にした紙ジャケット仕様の復刻版CDが限定発売された[14]。

収録曲

[編集]

※作詞・作曲の記載がない曲はピート・タウンゼント作。
※邦題は紙ジャケット復刻版[14]（2007年）に準拠。

オリジナルLP

[編集]
A面
#タイトル作詞・作曲オリジナル収録（発表年月日）時間
1.「ディスガイス　Disguises」 EP『レディ・ステディ・フー』（イギリスの旗1966年11月11日）
2.「ラン・ラン・ラン　Run Run Run」 アルバム『ア・クイック・ワン』（イギリスの旗1966年12月9日、アメリカ合衆国の旗1967年5月）
3.「ジキルとハイド　Dr. Jekyll and Mr. Hyde」John Entwistleシングル『マジック・バス』B面（イギリスの旗1968年10月11日）
4.「アイ・キャント・リーチ・ユー　I Can't Reach You」 アルバム『セル・アウト』（イギリスの旗1967年12月15日、 アメリカ合衆国の旗1968年1月6日）
5.「過ぎし二人の恋　Our Love Was, Is」 アルバム『セル・アウト』'Our Love Was'（イギリスの旗1967年12月15日、 アメリカ合衆国の旗1968年1月6日）
6.「コール・ミー・ライトニング　Call Me Lightning」 シングル『ドッグズ』B面（イギリスの旗1968年6月14日）
合計時間:
B面
#タイトル作詞・作曲オリジナル収録（発表年月日）時間
1.「マジック・バス　Magic Bus」 シングル『マジック・バス』A面（イギリスの旗1968年10月11日、アメリカ合衆国の旗1968年7月27日）
2.「サムワンズ・カミング　Someone's Coming」Entwistleシングル『マジック・バス』B面（アメリカ合衆国の旗1968年7月27日）
3.「ドクター・ドクター　Doctor, Doctor」Entwistleシングル『リリーのおもかげ』B面（イギリスの旗1967年4月21日、アメリカ合衆国の旗1967年6月24日）
4.「バケッチー　Bucket T」Don Altfeld, Roger Christian, Dean TorrenceEP『レディ・ステディ・フー』（イギリスの旗1966年11月11日）
5.「リリーのおもかげ　Pictures of Lily」 シングル『リリーのおもかげ』A面（イギリスの旗1967年4月21日、アメリカ合衆国の旗1967年6月24日）
合計時間:

CD

[編集]
#タイトル作詞・作曲オリジナル収録（発表年月日）時間
1.「ディスガイス　Disguises」 EP『レディ・ステディ・フー』（イギリスの旗1966年11月11日）
2.「ラン・ラン・ラン　Run Run Run」 アルバム『ア・クイック・ワン』（イギリスの旗1966年12月9日、アメリカ合衆国の旗1967年5月）
3.「ジキルとハイド　Dr. Jekyll and Mr. Hyde」John Entwistleシングル『マジック・バス』B面（イギリスの旗1968年10月11日）
4.「アイ・キャント・リーチ・ユー　I Can't Reach You」 アルバム『セル・アウト』（イギリスの旗1967年12月15日、 アメリカ合衆国の旗1968年1月6日）
5.「過ぎし二人の恋　Our Love Was, Is」 アルバム『セル・アウト』'Our Love Was'（イギリスの旗1967年12月15日、 アメリカ合衆国の旗1968年1月6日）
6.「コール・ミー・ライトニング　Call Me Lightning」 シングル『ドッグズ』B面（イギリスの旗1968年6月14日）
7.「マジック・バス　Magic Bus」 シングル『マジック・バス』A面（イギリスの旗1968年10月11日、アメリカ合衆国の旗1968年7月27日）
8.「サムワンズ・カミング　Someone's Coming」Entwistleシングル『マジック・バス』B面（アメリカ合衆国の旗1968年7月27日）
9.「ドクター・ドクター　Doctor, Doctor」Entwistleシングル『リリーのおもかげ』B面（イギリスの旗1967年4月21日、アメリカ合衆国の旗1967年6月24日）
10.「バケッチー　Bucket T」Don Altfeld, Roger Christian, Dean TorrenceEP『レディ・ステディ・フー』（イギリスの旗1966年11月11日）
11.「リリーのおもかげ　Pictures of Lily」 シングル『リリーのおもかげ』A面（イギリスの旗1967年4月21日、アメリカ合衆国の旗1967年6月24日）
合計時間:

参加ミュージシャン

[編集]

※番号はCDのトラック・ナンバーを示す。

脚注

[編集]
[脚注の使い方]

注釈

[編集]
  1. ^ アメリカでは未発表。
  2. ^ 「過ぎし二人の恋」の原題'Our Love Was'は'Our Love Was, Is'に替えられた。
  3. ^ 『リリーのおもかげ』（1967年）、『マジック・バス』（1968年）、『ドッグズ』（1968年）。シングル『マジック・バス』のB面収録曲はイギリス盤とアメリカ盤で異なる。
  4. ^ 「ラン・ラン・ラン 」、「アイ・キャント・リーチ・ユー」、「過ぎし二人の恋」、「マジック・バス 」。

出典

[編集]
  1. ^ AllMusic review
  2. ^ Graff, Gary; Durchholz, Daniel (eds) (1999). MusicHound Rock: The Essential Album Guide. Farmington Hills, MI: Visible Ink Press. p. 1227. ISBN 1-57859-061-2 
  3. ^ Marcus, Greil (9 November 1968). “Reviews”. ローリング・ストーン (San Francisco: Straight Arrow Publishers, Inc.). http://www.rollingstone.com/music/albumreviews/magic-bus-the-who-on-tour-19681109 2014年6月30日閲覧。. 
  4. ^ “The Who: Album Guide”. rollingstone.com. 2011年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月2日閲覧。
  5. ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
  6. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、328頁
  7. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、165頁
  8. ^ レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー　アルティミット・ガイド』（2004年）111頁
  9. ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
  10. ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
  11. ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
  12. ^ “Discogs”. 2025年2月27日閲覧。
  13. ^ “Discogs”. 2025年2月28日閲覧。
  14. ^ a b “Discogs”. 2025年3月1日閲覧。
ロジャー・ダルトリー - ピート・タウンゼント
ダグ・サンダム - ジョン・エントウィッスル - キース・ムーン - ケニー・ジョーンズ
ツアー・メンバー
スタジオ・アルバム
ライヴ・アルバム
コンピレーション
EP
主な楽曲

ズート・スーツ/アイム・ザ・フェイス(ハイ・ナンバーズ名義) - アイ・キャント・エクスプレイン - エニウェイ・エニハウ・エニホエア - マイ・ジェネレーション - 恋のピンチ・ヒッター - サークルズ - ザ・キッズ・アー・オールライト - アイム・ア・ボーイ - ハッピー・ジャック - クイック・ワン - リリーのおもかげ - 恋のマジック・アイ - マジック・バス - ピンボールの魔術師 - シー・ミー・フィール・ミー - シーカー - ババ・オライリィ - 無法の世界 - ビハインド・ブルー・アイズ - ジョイン・トゥゲザー - 5時15分 - 愛の支配 - スクイーズ・ボックス - フー・アー・ユー - ユー・ベター・ユー・ベット

映画・映像作品
関連アルバム
関連映画・映像作品
関連項目
関連人物
関連バンド
カテゴリ カテゴリ
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー&oldid=104477868」から取得