マグショット

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この種の写真を発明し標準化したアルフォンス・ベルティヨンが撮影した自身のマグショット

マグショット英語: mug shot もしくは mugshot)[1]は一般的には逮捕後に撮影される人物写真である[2][3]。当初の目的は被害者や研究者による識別を可能とするために、法執行機関が逮捕者の写真記録を作成することであった。

犯罪者の写真の撮影は写真の発明から数年後の1840年代に始まったが、1888年になってからフランスの警察官アルフォンス・ベルティヨンによってこの手順が標準化された。

語源[編集]

"Mug" は18世紀に登場した英語のスラングで「」を意味する[4]。マグショットはあらゆる小さな顔写真を意味する場合もある[5]

歴史[編集]

法執行機関が利用するために撮影された最古の囚人の写真は1843年もしくは1844年にベルギーで撮影されたとされる[6]。イギリスでは1848年にリヴァプール[7]もしくはバーミンガムの警察[8]が犯罪者の写真を撮影していた。ニューヨーク市警察は1857年までに犯罪者のダゲレオタイプが展示された画廊を開設していた[6]

1888年には、アルフォンス・ベルティヨンが前面と側面から撮影した写真からなる現在のマグショットを発明し、ライティングやアングルを標準化した。この方式はすぐにヨーロッパ全土やアメリカ、ロシアで採用された[9]

ギャラリー[編集]

ブッチ・キャシディのマグショット(ワイオミング・テリトリアル・プリズン、1894年) 
ウラジーミル・レーニンのマグショット(ロシア、1895年12月) 
ベニート・ムッソリーニのマグショット(1903年) 
ヨシフ・スターリンのマグショット(ロシア・サンクトペテルブルク、1911年) 
アメリカのギャング、アル・カポネのマグショット(1931年) 
ロックミュージシャン、ジム・モリソンのマグショット(1970年) 

脚注[編集]

  1. ^ 非公式には police photograph や booking photograph とも呼ばれるようだが、ここではマグショットで統一した。
  2. ^ mugshot”. Dictionary.cambridge.org (2013年10月29日). 2013年11月23日閲覧。
  3. ^ Michael H. Graham (2003). Handbook of Illinois Evidence. Aspen Publishers. pp. 147. ISBN 978-0-7355-4499-4. 
  4. ^ Online Etymology Dictionary”. Etymonline.com. 2013年11月23日閲覧。
  5. ^ Merriam-Webster Online Dictionary”. Merriam-webster.com (2012年8月31日). 2013年11月23日閲覧。
  6. ^ a b Kennedy, Randy (2006年9月15日). “Grifters and Goons, Framed (and Matted)”. New York Times. http://www.nytimes.com/2006/09/15/arts/design/15mugs.html?pagewanted=all 2014年2月15日閲覧。 
  7. ^ Norfolk, Lawrence (2006年9月17日). “A history of the twentieth century in mugshots”. The Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/culture/books/3655524/A-history-of-the-twentieth-century-in-mugshots.html 2014年2月15日閲覧。 
  8. ^ Papi, Giacomo (2006) (English, first published in Italian in 2005 as Accusare : storia del Novecento in 366 foto segnaletiche). Under Arrest: A History of the Twentieth Century in Mugshots. London: Granta Books. pp. 144, 163, 165. ISBN 9781862078925. http://books.google.com/books?ei=4-f_UqydOYGJogS26IGgAQ&id=lPJLAQAAIAAJ&dq=Under+arrest+Papi&focus=searchwithinvolume&q=Birmingham. 
  9. ^ Pellicer, Raymond (2010) (English, originally published in French in 2006 as Présumés coupables). Mug Shots: An Archive of the Famous, Infamous and Most Wanted. New York: Harry N. Abrams, Inc.. ISBN 9780810996120. http://books.google.com/books?id=94Z0QwAACAAJ&dq=Mugshots+Pellicer&hl=en&sa=X&ei=oNv_Uu-XEMbboAT8n4LgBA&ved=0CCkQ6AEwAA.