スクロールホイール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マウスホイールから転送)
移動先: 案内検索
中央の"ホイール"がスクロールホイールである。

スクロールホイール英語: Scroll wheel)またはマウスホイール英語: Mouse wheel)は、マウスの表面、通常は左右マウスボタンの間に垂直に装着された、プラスチック製またはラバー製の円盤である。

機能[編集]

名前の通りスクロールに使われ、しばしばそれを押すことでことによって3番目のマウスボタン英語版としても機能する。ホイールはしばしば段階的に回転するための戻り止め英語版が装着されており、操作者がスクロールの距離を測りやすくなっている。

いくつかのマウスは水平方向にもスクロールできる。方式としては以下のものがある。

ロジクール'Free Spinning'英語版搭載マウスはフライホイールのように慣性がつく14グラムのスクロールホイールであり、長いページやリストを素早く移動できる[3]。特に変わった例としてはジョイスティックタイプのスイッチを装着したサイテック英語版のマウスがある[4]

Trackwheel (1) on a BlackBerry

2016年現在、スクロールホイールは一般的なコンピュータに装備され、不可欠なハードウェアインタフェースとなりつつあるが、スクロールホイールのないマウスもまだ存在している。

また、PDAiPodのような携帯音楽プレーヤー、初期のソニーBlackBerry携帯電話のように、スクロールホイールが装着されている携帯機器も存在する。

歴史[編集]

1985年NTTスイスチューリッヒ工科大学 (Kunio Ohno, Ken'ichi Fukaya and Jürg Nievergelt) が、最初のスクロールマウスを発明・開発した。彼らのMighty Mouseは側面にスクロールホイールがついていた[5]1989年から1993年にかけ、アップルのDaniel S. Venoliaが側面に装着され親指で操作する別のマウスの試作機を開発した[5]。これは1992年アメリカ合衆国特許第5,313,230号として特許申請され、1994年に受理された。

1995年台湾KYE Systems英語版が、初の商用スクロールマウスをリリースした。これは、初めて上面に装備されたスクロールホイールでもある。これはGenius EasyScrollと名付けられ、マウス・システムズ英語版 ProAgioからのみ使用できた[6][7][8]

スクロールホイールはMicrosoft Office 97をサポートしたMicrosoft IntelliMouse英語版で広まった。これは1993年からChris Grahamの助言を受けてエリック・マイケルマン英語版が開発した[9][10]1997年にマイクロソフトはマウスボタンとスクロールホイールを組み合わせたマウスをアメリカ合衆国特許第5,912,661号として申請し、1999年に受理された。

スクロールホイールはデファクトスタンダードであるパソコン用2ボタンマウスに初めて加えられた注目すべき装備品である。World Wide Webにてハイパーリンクを操作する際にスクロールバーを操作するよりもスクロールホイールを使用するほうがより便利であることが認められたため、World Wide Webの広がりとともに人気を得た。

21世紀に入り、スクロールホイールはロジクールマイクロソフトの一部のキーボードに搭載され始めている。それは通常CapsLockキーの左側に配置される。一方、ノートパソコンの組み込みスクロールホイールは減ってきており、以下のようにタッチパッドのジェスチャーで代用される。

  • ポインタの移動に優先して)パッドの縁を操作できるようにし、スクロールホイールの代わりとする。
  • マルチタッチジェスチャー搭載のタッチパッドで、2本の指でタッチパッドをドラッグした際にスクロールするようにする。
  • 多くのLinuxディストリビューションでは、タッチパッドの角をタップするとスクロールモードが有効化し、離すと無効化する。スクロールモード中はパッド内で円を描くようにドラッグすることでスクロールできる。

他のアプリケーション[編集]

ウェブブラウザを含む多くのアプリケーションでは、コントロールキーを押しながらスクロールホイールを回すことでテキストの拡大・縮小が行われる。また、画像編集ソフトや地図ソフトでは同様の操作で画像のズームイン・ズームアウト英語版を行う機能が搭載されているものがある。 また、スクロールボタンをクリックするとリンクを新しいタブで開き、オープンしたタブをクリックするとタブを閉じる機能が搭載されたソフトウェアも存在する。

ファーストパーソン・シューティングゲーム (FPS) では武器の変更に使われる。なぜなら、ロジクールG500英語版のようなゲーミング・マウスは、(ゲームに必要な)段階スクロールと(ネットサーフィンに便利な)継続スクロールを切り替える機能があるからである。また、スクロールホイールは武器の双眼鏡の視点移動にも使われることがある。リアリティを重視したFPSでは姿勢と照準器調節の切り替えにホイールを使うだろう。ティルト機能のあるスクロールホイールの紹介では、多くのFPSゲームでプレイヤーが左右に傾けることにホイールを利用できることを謳っているだろう[要出典]。一般的ではないが、マウスホイールでプレイヤーの移動速度変更を行えるものもある。

リアルタイムストラテジーゲームでは、カメラの高さの調整にスクロールホイールを使う。また、多くはスクロールホイールボタンを押しながら動かすことで傾きや回転を行うこともできる。

AutoDesk AutoCADのようなCADアプリケーションでは、描画するスペースの移動にスクロールホイールを使用する。

Trimble SketchUpのような3DCGソフトウェアではホイールスクロールでズームし、ホイールをクリックしながら移動すると回転する動作がデファクトスタンダードである。

関連リンク[編集]

脚注[編集]