ポシンタン

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補身湯
보신탕.jpg
各種表記
ハングル 보신탕
漢字 補身湯
発音 ポシンタン
日本語読み: ほしんとう
ローマ字転写: Bosintang
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ポシンタン(補身湯、ほしんとう)とはの肉を使用した朝鮮半島の料理で、言葉通りに体に栄養を補うスープを意味している。もとの名はケジャンクク개장국、ケは犬を、ジャンククは辛味のスープを意味)である。1980年代序盤、犬の食用を禁じた当局の取り締まり[1]を避けるため、よく知られていた補身湯という名称を伏せるために作られた別名称が存在する。これらはいずれも韓国での呼び名で、韓国においては犬肉を野菜とともに煮込んだスープが出されるが、北朝鮮では犬肉を「タンコギ」(단고기、「甘い肉」の意)と呼ぶ。

朝鮮において、犬の肉は伝統的な料理の一つであるが、犬の肉を食べることが稀である日本や欧米では理解されず、1988年のソウルオリンピックや2002年のFIFAワールドカップなどの機会に注目され、野蛮であるとして[2]国際世論や動物愛護団体から批判を浴びてきた[2][3]。ソウルオリンピックの前には取扱い禁止令が出たが[2][3]、犬肉料理店は看板を表通りから引き揚げたり表向きの料理名を変えたりして営業を続けた[2]。その後禁止令は有名無実化し、2008年時点ではソウル市内に約500軒の犬肉料理店が存在すると報じられている[2][3]

2000年代後半時点において、韓国では年間200万頭[2][3][4]ないし400万頭[3]の犬肉を消費しているとされる。韓国では動物愛護団体の反対のため、1970年代に犬肉が法律上の食肉から除外され[2]、その後は犬肉の処理や流通に関する法規が存在しない状態が続いていた[2][3]。しかし韓国政府は衛生上の問題があるとして、2008年に食用犬の衛生基準の制定[3]や衛生検査の実施[2]を行う意向を示した。韓国国内の動物愛護団体は、時代に逆行しているとして、この動きに反対している[2][3]

韓国では特に伏日の日に夏場の強壮料理として好んで食べられている。

ペットの犬泥棒が社会問題化[編集]

韓国・YTNテレビの2016年7月13日の放送は、韓国版の土用の丑の日にあたる伏日を前に、全国で犬泥棒が相次いでいると報じた。伏日は毎年7〜8月に3回あり、毎年この期間を中心に一般家庭などから飼い犬が盗まれる事件が頻発するという[5]

関連項目[編集]

参考資料[編集]

  1. ^ ソウルオリンピックの誘致とともに、欧米諸国に対するイメージダウンを避けるために当時の政府は犬の食用を禁止して、犬肉の料理を出す店に対する取り締まり政策を強いていた。
  2. ^ a b c d e f g h i j 稲田清英 (2008年5月28日). “(世界発2008)犬肉論争、再び 韓国・ソウル市、黙認から監視へ転換”. 朝日新聞東京朝刊: p. 10 
  3. ^ a b c d e f g h ソウル市、犬を食用家畜に分類する方針示す 2008年4月3日 AFP BB News
  4. ^ 中央日報 犬肉、年間200万頭・1兆4000億ウォンを消費
  5. ^ なぜ?韓国全土で「犬泥棒注意報」発令中=韓国ネット「人の犬を盗むのは誘拐と同じ」「こんな泥棒が韓国人であること自体が恥だ」 Record China 2016年7月17日(日)

外部リンク[編集]

  • 犬肉のホームページへようこそ(日本語ページあり)
    • 韓国の犬肉食の伝統に関する研究書をまとめた安龍根のサイト。日本語ページのほか、英語、ドイツ語、中国語など各国語のページが用意されている。
  • 犬料理大全
    • 犬料理や食文化・歴史に関するレポート