ホワッツ・ゴーイン・オン

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ホワッツ・ゴーイン・オン
マーヴィン・ゲイスタジオ・アルバム
リリース
録音 1970年6月 - 9月
1971年3月 - 5月
ジャンル ソウルミュージック
時間
レーベル モータウン
プロデュース マーヴィン・ゲイ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 6位(アメリカ・1971年[1]
  • 56位(イギリス・1998年[2]
マーヴィン・ゲイ 年表
That's the Way Love Is
(1970年)
What's Going On
(1971年)
Trouble Man
(1972年)
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ホワッツ・ゴーイン・オン』(What's Going on)とは、マーヴィン・ゲイ1971年に発表したスタジオ・アルバム

背景[編集]

ゲイは当時、ベトナム戦争から帰還した弟から戦場の様子を聞き、反戦曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」をモータウンの専属作家のアル・クリーヴランド、フォー・トップスのメンバーのレナルド・ベンソンらと共に書き上げた。モータウンの社長ベリー・ゴーディは当初この曲を気に入らず、シングルとしてリリースすることに難色を示したが、ゲイはそれに対して、リリースしなければ残りの曲のレコーディングもしないと反論した[3]。そして、最終的には1971年1月20日、アルバムに先駆けてシングルとして発表され(B面は「ゴッド・イズ・ラヴ」)、Billboard Hot 100で2位、R&Bチャートでは1位を記録[1]。この曲のヒットを受けて、ゴーディは残りの曲のレコーディングを指示し、5月にアルバムが完成した[3]

2曲目の「ホワッツ・ハプニング・ブラザー」は、タイトル曲に引き続き弟に捧げられた反戦歌で[4]、更にアルバムを通じて貧困、警察の横暴、ドラッグ問題、児童遺棄、都市の退廃、秩序不安といったアメリカの社会問題について言及されている[3]。タイトル・ナンバーのメロディが随所で再登場する構成も相まって、コンセプト・アルバムと呼べる内容である。また、ゲイは自分の表現を妥協せずに貫くべく、モータウンのアーティストとしては異例のセルフ・プロデュースに挑み、同時期にセルフ・プロデュースの路線にシフトしたスティーヴィー・ワンダーにも影響を与えている[5]

反響・評価[編集]

セールス的にはポップ・アルバム・チャート6位[1]、R&Bアルバム・チャートでは9週連続1位という成功を収めた[4]。また、ゲイが射殺された1984年にも再度アルバム・チャート入りし、154位を記録している[1]。イギリスではリリース当時はヒットしなかったが、1998年に11週全英アルバムチャート入りを果たし、最高56位を記録した[2]

アメリカ議会図書館は、2003年度の国立録音資料登録の一つとして本作を選出した[6]

タイトル曲は『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」では4位、アルバムは『ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(大規模なアンケートによる選出)では6位(アフリカ系アメリカ人ミュージシャンの作品の中では最上位)にランクされている[7]。また、2013年に『エンターテインメント・ウィークリー』誌が選出した『史上最も偉大なアルバム100』では13位となった[8]

ジョン・ブッシュはオールミュージックにおいて本作に5点満点を付け「マーヴィン・ゲイの傑作というだけでなく、ソウルミュージックの中でも最も重要かつ激しいレコード」「シングルが支配的だったモータウンから登場した、圧倒的に優れたフル・レングス作品であり、ほぼ間違いなく至上最高のソウル・アルバム」と評している[9]

収録曲[編集]

オリジナルLPでは1.-6.がA面、7.-9.がB面

  1. ホワッツ・ゴーイン・オン - What's Going on (Al Cleveland, Marvin Gaye, Renaldo Benson)
  2. ホワッツ・ハプニング・ブラザー - What's Happening Brother (M. Gaye, James Nyx)
  3. フライン・ハイ - Flyin' High (In the Friendly Sky) (M. Gaye, Anna Gaye, Elgie Stover)
  4. セイヴ・ザ・チルドレン - Save the Children (A. Cleveland, M. Gaye, Renaldo Benson)
  5. ゴッド・イズ・ラヴ - God is Love (M. Gaye, A. Gaye, E. Stover, J. Nyx)
  6. マーシー・マーシー・ミー - Mercy Mercy Me (The Ecology) (M. Gaye)
  7. ライト・オン - Right on (Earl DeRouen, M. Gaye)
  8. ホーリー・ホーリー - Wholy Holy (R. Benson, A. Cleveland, M. Gaye)
  9. イナー・シティ・ブルース - Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) (M. Gaye, J. Nyx)

カバー[編集]

ダーティー・ダズン・ブラス・バンドは2006年、本作の全内容をカバーしたアルバム『ホワッツ・ゴーイング・オン』を発表した。また、アルバム収録曲に関しても様々なカバーが存在する。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Marvin Gaye | Awards | AllMusic
  2. ^ a b MARVIN GAYE | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
  3. ^ a b c Baskin, Richard (2011年7月). “Marvin Gaye 'What's Going On?'”. SOS Publications Group. 2015年11月25日閲覧。
  4. ^ a b Williams, Chris (2011年5月21日). “Marvin Gaye - What's Going On (1971): 40th Anniversary”. SoulCulture. 2015年11月25日閲覧。
  5. ^ Hogan, Ed. “What's Going On - Marvin Gaye - Song Info”. AllMusic. 2015年11月25日閲覧。
  6. ^ 2003 - National Recording Preservation Board”. Library of Congress (2004年3月4日). 2015年11月25日閲覧。
  7. ^ Marvin Gaye, 'What's Going On' - 500 Greatest Albums of All Time”. Rolling Stone. 2015年11月25日閲覧。
  8. ^ Entertainment Weekly's 100 Greatest Albums Ever”. Stereogum. SpinMedia (2013年6月28日). 2015年11月25日閲覧。
  9. ^ Bush, John. “What's Going On - Marvin Gaye”. AllMusic. 2015年11月25日閲覧。