ホテル・カリフォルニア (曲)

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ホテル・カリフォルニア
イーグルスシングル
収録アルバム ホテル・カリフォルニア
A面 ホテル・カリフォルニア
B面 お前を夢見て
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1976年
ジャンル ロック
時間
レーベル アサイラム・レコードアメリカ合衆国の旗
作詞・作曲 ドン・フェルダー, グレン・フライ, ドン・ヘンリー
プロデュース ビル・シムジク
ゴールド等認定
ゴールドディスク(アメリカ合衆国の旗RIAACDシングル)
プラチナディスク(アメリカ合衆国の旗RIAAダウンロード)
チャート最高順位
イーグルス シングル 年表
ニュー・キッド・イン・タウン
(1976年)
ホテル・カリフォルニア
(1977年)
駆け足の人生
(1977年)
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ホテル・カリフォルニア」 (Hotel California) は、イーグルスのアルバム『ホテル・カリフォルニア』のタイトル曲。架空のホテルを舞台としている(アルバム記事も参照)。

概要[編集]

1976年作品。作詞作曲は、ドン・フェルダードン・ヘンリーグレン・フライ。なお、イントロの印象的なギター、メロディー、後半のツインギターソロも含め、作曲したのはドン・フェルダーであり、ドン・ヘンリーは作詞を手掛けた。グレン・フライのこの曲への作詞・作曲での貢献はほとんどないが、作詞のアイデアを出したとされる。(アルバム「ヘル・フリーゼズ・オーヴァー」では、クレジットが、ヘンリー、フライ、フェルダーの順になっているが、これは正しくない)。1970年代のアメリカン・ロックを代表する楽曲のひとつ。

北米市場においては、「ニュー・キッド・イン・タウン」に次いでシングル・カットされ、ビルボード誌全米チャート第1位となった。イーグルスの楽曲が同チャートで1位を獲得したのは「我が愛の至上」「呪われた夜」「ニュー・キッド・イン・タウン」につづいて4作品目であり、これより以降には79年の「ハートエイク・トゥナイト」のみである。

その印象的な旋律、暗喩に富んだ歌詞から広く愛聴され、現在では全世界的にロックスタンダードとして定着しており、数々のロック奏者にとどまらず、ポップス奏者やラップ奏者、果てはジプシー・キングスなどのラテン奏者、マジェック・ファシェックなどのレゲエ奏者に至るまで、ジャンルを超えて幅広く好んでカバーされている。

日本では、1984年1985年日産・サニー(B11型)のCMソング、1996年にテレビドラマ『その気になるまで』の主題歌に起用された。

内容[編集]

メロディーコードアレンジ
テーマメロはBm、F#7、A、E、G、Dの5度上がりのコード進行で、サビではG、D、F#7、Bm、G、D、Em、F#7となっている。基本的なコード進行を考えたのはドン・フェルダーで、元々キーはEmで作曲され歌以外のトラックはレコーディングもされたが、ドン・ヘンリーが歌のレコーディングをする際にキーが高かったためDm、Cm、と少しずつキーを下げていった結果、Bmとなった。それに伴い、全てのトラックが録り直され、完成したバージョンがアルバムに収録された。
テーマメロのコード進行はイギリスのロック・バンド、ジェスロ・タルが1969年に発表し全英アルバム・チャート1位になったアルバム"Stand Up"に含まれる曲"We used to know"に酷似しており、ジェスロ・タルのメンバーからも指摘されているが歌詞とコーラス・パートは異なる。
イントロや曲内の一部に用いられる13本ものギターを重ねた巧みなアルペジオ・ワーク、ドン・ヘンリーのハスキーボイス、ドン・フェルダーならびにジョー・ウォルシュによるギターリフの巧みさなどとあいまって、極めて印象的なサウンドを展開する。ギターソロは、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルシュの順で演奏され、フェルダーはギブソン・レスポール、ウォルシュはフェンダー・テレキャスターを使用した。ロック史上屈指のギターソロのほとんどのラインはフェルダーが作ったと言われ、彼のこの曲での貢献度は大きいものがある。
歌詞
歌詞のあらましは、主人公がコリタス(サボテンの一種だがメキシコでマリファナの隠語でもある)の香りたつカリフォルニアの砂漠エリアのハイウェイで、長時間の運転に疲れて、休むために立ち寄った小綺麗なホテルに幾日か滞在し快適な日々を送ったが、堕落して快楽主義的なすごし方を続ける滞在客たちに嫌気して、以前の自分の日常生活に戻るためホテルを去ろうとしたものの、離れようにも離れられなくなった…という、一見伝奇譚的なミニストーリーであるが、歌詞の随所には言外に意味を滲ませる深みのあるものとなっているため、歌詞解釈について様々な憶測を呼び、評判となった。
ドン・ヘンリーは2007年9月11日の英デイリー・メール紙にてそれらについて「幾つかのこの曲の歌詞の拡大解釈には大変驚かされ続けている。この歌詞の内容はアメリカ文化の度を越した不品行と私達の知合いだった女の子達についてだった。しかし芸術と商業主義との危ういバランスについてでもあった。」と述べている。
作詞者の3人が属するウエストコースト・ロックひいてはロック産業の退廃を揶揄しているという解釈から、カリフォルニア州キャマリロにあったカリフォルニア州立精神病院を描写しているという解釈、さらには全汎的にアメリカ社会ないし現代文明のひずみに対する憂いを表現しているという解釈まで、聴き手に様々な印象を与える歌詞となっている。
  • 特に、主人公がホテルのボーイ長に対して注文した「自分の(好みの銘柄の)ワイン」がなく、
We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine
(そのような酒はこちらにはご用意しておりません、1969年以来…)
と返答された、という一節があまりにも有名であり、spiritスピリット)という言葉を「(蒸留)酒」と「魂」との掛けことばに用いて、当時のロック界を揶揄したものであると解釈されることが多い。
これは、いわゆる ウッドストック・フェスティバルなどの大規模なコンサートが1969年以来行われるようになり、これ以降のロック界は いわゆる産業ロックと言われる商業至上主義に転向してゆき、各アーティストが求める表現の発露としての演奏ではなく、いかに好まれ大衆が購買し大量集客できるかを第一義においた曲の演奏を強制させられる時代となり、アーティストのスピリット(魂)など失われてしまった、と暗喩していると解釈するものである。そして同年12月、ロック界にとって外すことの出来ない事件「オルタモントの悲劇」が起こる。ドン・ヘンリーは2007年のJon Soederとのインタビューでのワインはスピリット(蒸留酒)では無いのでは?との指摘に対し、自分はワインと蒸留酒の製法と分類の仕方を正しく知ってる程度には十分酒を嗜んでいると皮肉を言うと共に「貴方が最初でも無いが、完全に歌詞の解釈を間違って比喩を見落としている。… 歌詞のその部分は酒とは全く関係ない。社会政治的なメッセージである。」と述べている[2]
  • 主人公のホテル滞在中に繰り返し聞こえ幻聴とも思われる
Welcome to the Hotel California
(ようこそホテル・カリフォルニアへ…)
の言葉の本質は何を意味するのか? また、従業員または滞在客が言った
We are all just prisoners here, of our own device
(しょせんみんなここの囚人だ、自分の意思で囚われた…)
の意味は?(リンダ・ロンシュタットのバックバンドとして共にカリフォルニアでデビューした経緯と商業主義とセックス・ドラッグ&ロックに堕ちてゆく自分達の事か? deviceはvice、麻薬・酒・売春などの悪の事、とも取れる。)さらに、大広間の祝宴に集まった滞在客らが鉄製のナイフで刺し付けるものの決して殺すことのできない「その獣(けもの)」(the beast )とは何のことを指すのか?(これは、歌詞のsteely knives(複数の鉄製ナイフ)がスティーリー・ダンを、the beastが音楽業界を指し、スティーリー・ダンをもってしても商業主義の音楽業界に立ち向かえなかったと揶揄している節がある。アルバム「ホテル・カリフォルニア」が発売される以前、スティーリー・ダンは自グループの曲中に(イーグルスの)うるさい曲をかけろと揶揄したことがあり、その当てつけに書き込んだとも)
I had to find the passage back to the place I was before
(前いた場所に戻る道筋を探さなければならなかった…)
の意味するところは?
など、聴き手の耳に残る比喩的な表現が極めて多い。
  • 歌詞の最後は、こんな環境に居続けると自分がダメになると気づいた主人公が、出口を求めてホテル館内を走り回っていた際に警備員にたしなめられ、
We are programmed to receive. You can checkout any time you like, but you can never leave!
(我々は客を受け入れるように仕向けられているんだ。好きなときにチェックアウトはできるが、決して立ち去ることは出来ないんだ!)
という印象的な言い切りの言葉で終わり、直後に続くフェルダーとウォルシュによるツイン・ギター・リフと そのフェイドアウト効果により、聴き手に深い余韻を与える構成となっている。
また、 checkout (チェックアウト)は、北米口語でしばしば「自殺する」の婉曲表現に用いられるため、この一節は「死ぬまで逃げられない」と掛け言葉になっていると解釈することもできる。

シングル収録曲[編集]

  1. ホテル・カリフォルニア - Hotel California
    (作詞・作曲: ドン・フェルダー, グレン・フライ, ドン・ヘンリー
  2. お前を夢見て - Pretty Maids All in a Row
    (作詞・作曲: ジョー・ヴァイターレ, ジョー・ウォルシュ
表題曲、B面曲ともにアルバム「ホテル・カリフォルニア」に収録。

日本では何度かシングルCDで再発されている。

カバー[編集]

前述の通り、幅広いジャンルのミュージシャンにカバーされている曲である。日本では1977年に、フォークデュオのタンポポによってなかにし礼による日本語詞でカバーされた(シングル「過ぎし日の想い出」のB面に収録)。タンポポ版の歌詞の内容はイーグルス版(原曲)とはかなり異なっており、共通点は「ホテル・カリフォルニア」を舞台としていることくらいである。タンポポ版の「ホテル・カリフォルニア」は、2004年発売のオムニバスCD『伊集院光選曲 おバ歌謡』に収録されている。 また、兄弟デュオの狩人も、セカンドアルバム「メモリアル 狩人SECOND」に日本語歌詞によるカバーを収録している。こちらも歌詞の内容はイーグルス版(原曲)とはかなり異なっているが、タンポポ版が享楽的な歌詞であるのに対して、内省的・厭世的な歌詞となっている。2015年9月に発売されたCD9枚組『ロイヤル・ボックス』で聞くことができる。

ライブでは、女性アイドルグループのキャンディーズが1978年に披露している(歌詞はタンポポ版・狩人版いずれとも異なる)。また、「直訳ロック」のスタイルで知られるギタリストの王様はライブにおいてこの曲を「旅館カリフォルニア」として詩の朗読のスタイルで披露することがある。[3][4]

ホテル・カリフォルニア問題[編集]

1990年代から、米アップルが、洗練された外観デザインを持つOSなどのソフトや、PCMacシリーズないし周辺機器iPodなどのハードを相次いで発売したのを受け、従来使用してきたマイクロソフトWindowsからMac OSに乗り換えるユーザーが増加した。

ところが、WindowsからMac OS環境へ手持ちのデータを比較的簡単に移行できるように設計されていたものの、ひとたびMacユーザーとなった者が再度Windows環境に再移行したくなっても、データ全体をWindows環境に戻すことは非常に煩雑で困難を極めることが知られるようになった。もちろん、個別のデータはその度に手作業で設定すれば、Windows環境で使用できるのだが、包括的にレジストリやOSのシステムファイルへの関連付けを行うことは出来ず、何万何十万のファイルについて手作業で行う必要が生じる。

このため、この現象を表現するにあたって、「一度入ったら、好きな時にチェックアウトは出来ても、根本的に逃れることは決して出来ない」という、ホテル・カリフォルニアの歌詞に準えて「ホテル・カリフォルニア問題」(The Hotel California Factor)という自嘲気味な表現がMacユーザーの間で用いられた。

脚注[編集]

  1. ^ Rewinding The Charts: Eagles' 'Hotel California' Checks In At No. 1 | Billboard
  2. ^ "Thanks for the tutorial and no, you’re not the first to bring this to my attention—and you’re not the first to completely misinterpret the lyric and miss the metaphor. Believe me, I’ve consumed enough alcoholic beverages in my time to know how they are made and what the proper nomenclature is. But that line in the song has little or nothing to do with alcoholic beverages. It’s a sociopolitical statement. My only regret would be having to explain it in detail to you, which would defeat the purpose of using literary devices in songwriting and lower the discussion to some silly and irrelevant argument about chemical processes."
  3. ^ Forever Young シリーズ:70年代アメリカの象徴、イーグルスを紹介 | Eagles | BARKS音楽ニュース
  4. ^ 王様のROCK'N'ROLL TOWN - 「銭湯ライヴ ~夏の陣・Vol.1~」レポート