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ペルメトリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペルメトリン
ペルメトリンの二次元化学構造
ペルメトリンの三次元化学構造
臨床データ
販売名 Nix, Rid, Elimite, others
AHFS/
Drugs.com
monograph
MedlinePlus a698037
医療品規制
投与経路 局所投与
ATCコード
法的地位
法的地位
  • CA: OTC[1]
  • UK: OTC (1%), Rx (5%)
  • US: OTC (1% シラミ駆除剤),[2] Rx (5% 殺疥癬虫薬)[3]
代謝 昆虫はヒトや犬よりもペルメトリンの影響を受けやすい。ヒトやイヌほど速く毒素を代謝できないため。ネコはこの毒素に対してより敏感である。[4]
識別子
CAS登録番号
PubChem
CID
DrugBank
ChemSpider
UNII
KEGG
ChEBI
ChEMBL
CompTox
Dashboard

(EPA)
ECHA InfoCard 100.052.771 ウィキデータを編集
化学的および物理的データ
化学式 C21H20Cl2O3
分子量 391.29 g·mol−1
3D model
(JSmol)
密度 1.19 g/cm3, solid g/cm3
融点 34 °C (93 °F)
沸点 200 °C (392 °F)
水への溶解量 5.5 x 10−3 ppm, 0.2 [5] mg/mL (25°C)
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ペルメトリン(permethrin)は、合成ピレスロイド系殺虫剤の1種である。英語読みでパーメスリンとも呼ばれる。

構造

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ペルメトリンの分子式は、C21H20Cl2O3である。物質名は、3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)–(1RS,3SR)–3–(2,2–ジクロロビニル)-2,2–ジメチルシクロプロパンカルボキシラートである[6]。つまり、有機塩素化合物の1つである。ピレスロイドの元化合物の部分構造の菊酸と類似した部分構造を有するものの、菊酸とは異なり、メチル基が塩素に置換されている。

化学的危険性

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ペルメトリンは可燃性を有し、有機溶剤を含む液体製剤は引火性がある。また、有機塩素化合物であるため、火災などで燃焼すると、刺激性もしくは有毒なフュームやガスを放出する。

生物学的毒性

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ペルメトリンのヒトや家畜に対する毒性は、低い。これに対して、ネコに対しては比較的毒性が高く出る[注 1]。さらに、魚類に対しては毒性が高い[6]

用途

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農薬・殺虫剤

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ペルメトリンは1977年にアメリカ合衆国のEPAに登録された。日本における初回登録は1985年である[6]ゴキブリに卓抜した効果が見られた殺虫剤であり、昆虫ダニに対して広く忌避効果を示す物質であるため、衛生害虫駆除(家庭用蒸散殺虫剤)[8][9]農薬[10]防虫剤などとして用いられる。なお、農薬の製剤として、水和剤(20%)、乳剤(20%)、フロアブル剤(10%)、マイクロカプセル剤(10%)などが有る。

医薬用途

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ペルメトリンはヒトを含めた動物に対して、外用薬として用いられる。

医薬用途ではシラミなどの外部寄生虫の駆除用や、疥癬の治療を目的に疥癬の原因寄生生物であるヒゼンダニの駆除に用いられる[11]。特に疥癬治療薬としては世界的に広く用いられているが、日本ではヒト用医薬品として認可されていない[12]

脚注

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注釈

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  1. ^ ネコは肝臓でのグルクロン酸抱合の能力が遺伝的に低いので、ペルメトリンの代謝産物の蓄積が起こり易い。体内蓄積量が多くなると、肝臓から流出した代謝産物が血液脳関門を通過し、中毒症状が発現する可能性があるため注意が必要である[7]

出典

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  1. ^ Nix Product Information”. Health Canada. 2024年6月19日閲覧。
  2. ^ Good Sense Lice Killing Creme Rinse- permethrin lotion”. DailyMed (2022年11月21日). 2024年12月29日閲覧。
  3. ^ Elimite- permethrin cream”. DailyMed (2024年1月24日). 2024年12月29日閲覧。
  4. ^ Permethrin General Fact Sheet” (英語). npic.orst.edu. 2018年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月6日閲覧。
  5. ^ “Insect Control, 2. Individual Insecticides”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry: 1–94. (19 November 2014). doi:10.1002/14356007.s14_s01. ISBN 978-3-527-30673-2. 
  6. ^ a b c 水産動植物の被害防止に係わる農薬登録保留基準値の設定に関する資料 (環境省/日本)
  7. ^ フォートレオン 小動物獣医療関係者向け情報 バイエル薬品株式会社 動物用薬品事業部
  8. ^ 安富 和男 (1980). “衛生害虫分野における薬剤利用”. Journal of Pesticide Science 5 (1): 111-117. doi:10.1584/jpestics.5.111. https://doi.org/10.1584/jpestics.5.111. 
  9. ^ 福原 克治、勝村 利恵子、高坂 典子 ほか (1994). 食品衛生学雑誌 35 (5): 504-509. doi:10.3358/shokueishi.35.504. https://doi.org/10.3358/shokueishi.35.504. 
  10. ^ 羽田 厚 (2013). “リンゴ樹体内に食入したヒメボクトウ幼虫に対するペルメトリンエアゾルの防除効果”. 北日本病害虫研究会報 2013 (64): 200-202. doi:10.11455/kitanihon.2013.64_200. https://doi.org/10.11455/kitanihon.2013.64_200. 
  11. ^ 松尾 典子; 谷口 裕子; 森下 綾子 (2015). “【原著】ペルメトリンクリームを用いて治療した疥癬患者106例の検討”. dermatol 125 (13): 2441-2445. doi:10.14924/dermatol.125.2441. https://doi.org/10.14924/dermatol.125.2441. 
  12. ^ 未承認薬・適応外薬の要望 (PDF) 厚生労働省

外部リンク

[編集]